ステップ2
シナリオ・センター代表の小林です。本日から東京都はステップ2の段階に入り、学習塾、劇場や映画館、スポーツジム、それに、百貨店などの小売店も再開できるようになりました。
学校が再開されて、友達と会えて喜んでいる子供たちをみていると微笑ましいのですが、とはいえ、コロナが収まったわけでもなく、本当に大丈夫なのか…笑顔が輝けば輝くほど心配になります。
医者、看護師の友人が口をそろえて、ブルーインパレスを飛ばした費用を医療に回してほしいと怒りをあらわにされたので、感謝だけではすまない現実をちゃんとみていなかったなと友人たちに申し訳なく反省しています。
それぞれ考えは違っても、第一に何が大事かといえば命で、その命のために危険を顧みず向かい合ってくださっている方々や現場がスムーズに滞りなく動けることをまず優先しなくてはいけないですものね。
医療マスク、防護服、人工呼吸器などが最優先、アベノマスクじゃないことは明白のようです。
気分としては、外に出たい、人と会いたい、映画も芝居も早く観たいです。
6月中旬に三谷幸喜さんのお芝居を見る予定なのですが、果たして見ることができるのか、席はどうなるのか・・・まだまだ確定までには程遠いですね。
ラジオ・ガガガ
心穏やかでいたいなと思う時に、タイミングよく文庫本になりました。
原田ひ香さんの「ラジオ・ガガガ」(双葉文庫刊)
2017年に単行本として出版されてから3年、お待たせしましたって感じです。
「ラジオ・ガガガ」は、原田ひ香さんが、今の創作ラジオドラマ大賞(原田さんが受賞された時は創作ラジオ脚本公募だったか)の最優秀賞を受賞されたときの「リトルプリンセス2号」の小説化も入ったラジオに関わる短編6編です。
私自身は突発性難聴になってから、コンクール受賞作の放送以外、個人的には、聴かなくなりました。
でも、久しぶりに「ラジオ・ガガガ」を拝読したら、ラジオドラマが聴きたくなりました。
その昔オールナイトニッポンやセイヤング、森繁久彌さんの日曜名作座を聴いていた身としては、昔話が出るとちょっと血が騒ぎますが。(笑)
この「ラジオ・ガガガ」を読むと、原田さんがラジオ好きだなということがよくわかります。
どの短編も、ほどよいほろにがさと、全編愛すべきキャラクターたちが織り成すお話に、共感し、穏やかな気持ちになれるのです。
原田さんの作品は、純文学とエンタテイメントのものすごくきわどい線のところで描かれていらしている気がして、それがとてつもなく魅力的で引き込まれ要因だと私は勝手に思っています。
それが、誰にも真似できない作品、原田ワールドとなっているのでしょう。何を読んでもはずれがない。
原田さんは、純文学のすばる文学賞を受賞されて小説家デビューされたのですが、シナリオ・センターでは、エンタテイメントのラジオドラマやテレビドラマのシナリオも描かれていらしたからかもしれません。
「ラジオ・ガガガ」は、何度読んでも気持ちの良い本です。
出版社が、ライターズバンクへ小説を書かれる方を探しにいらっしゃるのも、そういうところにあるのかもしれません。
赤川次郎さん、乃南アサさん始め数多くの小説家を輩出し、脚本家との二足の草鞋を履いていらっしゃる方も数多く、児童書からライトノベルから本当にみなさん活躍されています。
シナリオを描くことは、小説への道につながっているのかもしれません。