「お題がないと書けない……」とお悩みの方は、脚本家に必要な“プロデューサー的センス”を培うチャンスです。では、この“プロデューサー的センス”とは?新井一が解説します。
シナリオ・センター創設者・新井一は、『シナリオの基礎技術』『シナリオの技術』などシナリオの書き方に関する書籍をいくつも執筆しています。また、『月刊シナリオ教室』でも連載ページをもち、シナリオの技術を解説していました。その記事は、いま読んでも全く色褪せていません。
そこで、当時の記事を皆さんにご紹介。「シナリオってどう書くの?」という初心者の方も、「一度学んだけど、忘れちゃった…」という方も、これを読めばシナリオ作りが一層はかどります!
売れっ子ライターはプロデューサーと同じ企画力をもっている
よく例に出しますが、自動車の教習所のコースでは素晴らしく運転がうまいのですが、路上に出るとダメな人がいます。路上で起こりそうな基本的なことを知らないのです。
そこでシナリオも、シナリオの上手い人を集めて、路上訓練のような上級コースを開講しました。その訓練中に感じたのですが、シノプシスの書き方がうまくなったり、企画書がうまくなりました(※)
一応それでいいのですが、何か割り切れないものがありました。それは何か。一番大きな原因はプロデューサーに注文されて書くのと、自分で立案するのとの違いです。
プロデューサ―は、無から有を生む仕事です。しかしライターは通常、注文があって作る仕事がほとんどです。つまり積極的と消極的の違いです。しかしライターでも売れっ子ライターは、ほとんどプロデューサーと同じように企画力を持ち、それを実行する力を持っているのです。
プロデューサー的センス=企画力・洞察力・コーディネイト能力
しかしながら、特に新人である場合は、注文してくれることは皆無に等しいわけで、それを注文にまで持って行くには、プロデューサー的センスがなければ、いつまで経っても陽の目を見ることが出来ません。
では、プロデューサー的センスとは何かというと、まず新鮮な企画力であり、単なる自分の好みにおぼれず、多くの人々のニーズに応える洞察力であり、1つのものにこだわらず、柔軟な適応力というか実行力になってきます。
また新鮮さを作る組み合わせの魅力、言うなればコーディネイト能力というものがなければなりません。
シナリオライターとしても、同じように新鮮な企画力、観客のニーズがわかる洞察力、そして1つだけでなくいろいろな手法を持つということも必要です。さらには誰と誰の大顔合わせというように、組み合わせによる新鮮さなども、必須条件と言えましょう。
出典:『月刊シナリオ教室』1986年10月号 「新井一 巻頭言」/2020年1月号「新井一.com」
※現在、このような上級コースはございませんが、企画書についてはアドバンス講座として毎年実施しております「売れるアイデア・企画の立て方講座」でお学びいただけます。毎年、開講日が決まり次第、公式サイトおよび弊社Facebook・Twitterで告知いたしますので、ご確認ください。
>>アドバンス講座についてはこちらご覧ください。
「シナリオは、だれでもうまくなれます」
今回の記事をご覧になって「ちょっとシナリオ、書いてみたいな…」と思われたかた、是非お気軽にご参加ください。
「基礎さえしっかりしていれば、いま書いているライターぐらいには到達することは可能です」と、新井一は言っています。
“最初の一歩”として、各講座に向けた体験ワークショップもオススメです。
※シナリオ作家養成講座とシナリオ8週間講座は、オンライン受講も可能です。
詳しくは講座のページへ
・シナリオ作家養成講座(6ヶ月)