配信
シナリオ・センター代表の小林です。もう「暑い!」も「感染者数」も言いたくないほど飽きちゃいまして、「どこまで続くぬかるみぞ」ってかんじです。
東京都は、警戒段階は最も深刻な「感染拡大している」という4段階目なのだそうで、お盆休みもどこにも出ず、飲食店でも飲み食いせずいたのに・・・。
国はGOTOキャンペーンやり続けていますが、東京だけでなく全国的に危ない状況で、その上の猛暑。いったいどうなるのでしょうか、日本。
お盆明けでも何も変わらない状態にちょっと腹立たしい気持ちになります。
なんだかんだといいながら、ソーシャルディスタンスをとりながら、映画やお芝居、落語、コンサートなども上演・上映と頑張っていますし、オンラインでの新しい試みはどんどん増えていて、どんどん面白くなっていきそうです。
「災い転じて福となす」せめて新たな未来を築く可能性が生まれんことを!
先日2020年度の授賞式を行った三木プロさんとジョイントして行っている『ライターmeetsアクター2020』朗読劇で、「ハナミズキ」(一青窈)なないろみほさん、「長く短い祭」(椎名林檎)三浦雅史さん、「フラれて元気」(TOKIO)佐藤雅俊さん、「YELL」(いきものががり)立石えり子さん、「チェリー」(スピッツ)速水俊二さんが選ばれたご報告をしましたが、昨年上演した5作品の中から1作品が、オンラインで配信されることになりました。
題して、れいわプロジェクト「天国は見えない」作:潮楼奈和
公開期間:2020年8月13日〜8月31日 youtubeにて無料配信中!
https://youtu.be/si9dxndnmv0
作家集団の潮楼奈和さんの作品で、声優さんたちが是非にということで、オンライン配信となりました。
若いアクター、アクトレス、クリエイターの奮闘ぶりを是非とも応援してください。
お江戸やすらぎ飯~芍薬役者~
こんなまったく前が見えない時代は気鬱になりやすいです。
だからこそ、自分で気を引き締めているのも大事ですが、なによりも身体に優しくするということが一番大事な気がします。
こんなときだからこそ、読めば身も心もホッとする小説を読みましょう。。
続々重版中のグルメ時代小説、第二弾が出版されました。
出身ライター鷹井伶さん「お江戸やすらぎ飯 芍薬役者」(角川文刊)
第1作は、大火にあい記憶を失い、両親の顔も名前も思い出すことができない吉原の楼主に拾われた佐保が、他人の身体の足りないところがわかるという才能を医師瑞峰に見込まれ、医学館へ引き取られるところから始まりました。
他人の体調を見て、足りないものを優しい食事や飲み物にして食べさせてあげる佐保は、医学館のまかないや下働きをしながらも医学の勉強をさせてもらっています。
そんな佐保が、今回では記憶を戻すのです。どんなふうに記憶を戻すのか・・・。
ここは、ちょっと教えたくないので教えません。だって、ネタバレになっちゃったら面白さも半減してしまいますからね。
鷹井さんは、とても勉強家でいらっしゃいます。
月刊シナリオ教室の「先輩のオ・シ・ゴ・ト」(2020年5月号)でも、時代ものを書くなら「国会図書館と仲良くなろう」、語彙や知識不足を解消するなら、大学などの「江戸学講座」の受講などを進められています。
歌舞伎や文楽などがお好きで精通されている一方、どうして人は病気になるのかが常々気にかかっていらして、ご自身で免疫力の高まる食事に興味を持たれ、ついに漢方養生指導士の資格までおとりになるという根性の持ち主。
そこから生まれたのが、この「お江戸やすらぎ飯」。
時代ものに精通した鷹井さんの作り出す時代と、学ばれた漢方養生指導士の資格が相俟ったからこそ、重版を重ねる人気の小説となっているのです。
なにしろ、身体に良い食事は架空の話ではありません。
現代でも作れ、もちろん当たり前に身体によいのです。
1巻も2巻もラストに、佐保が色々な人に食べさせた薬膳料理のレシピが載っています。
しかも現代風にアレンジした上、より今に良いやり方も書いて下さっています。
この食事は、ある意味主人公佐保のキャラクターでもあります。
佐保のやさしさ、気配りの心、過去の記憶のない悲しさ辛さ、人を愛する気持ち、すべてが食事とともに佐保を描き切っています。
江戸時代の料理小説と言えば、大ヒットした高田郁さんの「みをつくし料理帖」があります。
関西からお店の再建を夢に江戸に流れてきた女料理人のお話しなのですが、こちらはドラマ化されました。
私は、この「お江戸やすらぎ飯」を是非ともドラマ化して欲しいと思うのです。「みをつくし料理帖」にも負けない面白いドラマができると思うからです。
佐保のキャラはもちろんのこと、吉原玉屋の一人息子イケメンでちょっとひねくれものの幼馴染の颯太、、佐保の才を見抜いた老医師瑞峰、塩豆大福が大好きな医師元堅、佐保を親身に育てる江戸城奥医師元胤の兄弟、多紀家の要大奥さまの稀代、美貌の歌舞伎役者夢之丞などなど、レギュラーだけでもお話がいつまでも続く濃いキャラぞろい。
これをドラマ化しないなんて、ゼッタイもったいないです。
時代小説の新たな境地を開いた「お江戸やすらぎ飯」、楽しんで読んでいただくとともに、ドラマ化をプロデューサーの方企画しましょう。
私の自分勝手なお願いではありません、本当のお勧めです。。