セリフ
シナリオ・センター代表の小林です。すこーしですが、暑さも衰えてきたかと・・・思いたい。
熱中症で今月100人以上も亡くなっていらっしゃるというニュースに、コロナよりすごい?のかと驚いていていたら、感染症学会が「第2波の真っただ中」という見解を出して、「第3波、4波」にも備えないといけないようです。
あれこれ備えなくてはいけない毎日、お水をしっかりとり、エアコンの部屋の中で、ソーシャルディスタンスを守りながら、手洗い、マスクを上手に使って、体力がなくならないように、気力が失せないように頑張りましょう。
世界中の人々がそれぞれ苦労し、大変な思いをしている中、「147日間も休まず働いたことがあるか」とおっしゃって、非難を浴びた大臣がいらっしゃいましたが、お上に属する方々は想像力というものが足りない方ばかりだとは常々感じてはいましたが、ここまで想像力がないまま人にものを言える人がいるのだとびっくりさせられました。
コロナ禍で頑張ってくださっている医療従事者の方々のことを想えば、そんな言い方はできないはずですし、外に出たくなくても外で働かなくてはいけない方、深夜まで働いている方々もたくさんいらして、仕事、家庭、育児を担っている女性たちは365日働き続けているのですから、ここで上から目線でそんなことを言われちゃったら、腹立つ方は山ほどいらっしゃるでしょう。
お金に不自由しない、美味しいものを食べに行ける、パーティーもできる人が、口が裂けても言ってはいけないセリフだったと思います。
しかも、「セリフは嘘つき」(笑)。
あなたのいう働き続けている人は、どなたのことでしたっけ。
すぐ死ぬんだから
やっとやっと放映になります。本当は3月の放映のはずだったドラマ「すぐ死ねんだから」内館牧子さん原作のドラマが、8月23日から開始されます。
NHKBSプレミアム 毎週日曜日 22:00から(全5回)
このドラマは、内館牧子さんが終末小説として書かれた「すぐ死ぬんだから」が原作。
「他の年寄りと私は違う」などと、すがすがしいまでの本音を吐きながら、老いを受け止めていく78歳の主人公ハナ、終盤におとずれた人生の荒波に溺れ、乗り越えて、「品格ある老後」を手に入れるお話です。
脚本は、長田育恵さん。実は内館さんの後輩となるのでしょうか、シナリオ・センター出身でいらっしゃいます。
長田さんは「第19回鶴屋南北賞」を受賞され、2018年にはシナリオ・センターの戯曲講座でお世話になっている劇団青年座さんで上演した「砂塵のニケ」で紀伊国屋演劇賞個人賞も受賞されている戯曲作家。
9月にはパルコ劇場オープニングシリーズとして「ゲルニカ」が上演されます。
先輩後輩というだけでなく、長田さんがどんな切り口で、内館さんの原作をドラマにされたのか、二重の楽しみでもあります。
気を緩めるとすぐに出てきてしまいそうな「すぐ死ぬんだから」にあらがう主人公の忍ハナは、見た目にこだわる78歳。
実年齢より若く見せるために努力を重ね、気合を入れて老いを遠ざけて生きています。
そんなハナに降りかかる様々な事件・事情。それらを乗り越えて「残りの人生、思い切ってみようかな。すぐ死ぬんだから」と歩き出すまでをハラハラ、やがて晴れ晴れと描きます。
主人公はいわばおばあさんですが、彼女の生きざまをみて、人はどう生きるか、若い人にも男性にも見ていただきたいドラマです。
日曜日の夜のお楽しみに。