ハジメの一歩
シナリオ・センター代表の小林です。台風10号はすさまじい勢いで九州のみならず大きな範囲に被害をもたらしています。
この暑いときに停電はさぞかしつらい思いをされたのではと思います。避難してもコロナ禍で、人との接触も怖いし、本当にどうしたものかと思います。
世界中が自然災害に覆われて、台風はもとより、河川氾濫、山火事等など大変目にあっている今、国々の紛争、まして国内での政局争いなどやっている暇があったら、何とかしてよと言いたくなります。
自然の脅威の前では人間はこんなにも無力だということを思い知らされる毎日ですが、繰り返さないために抜本的な対策をしっかりと国が建てて欲しいものです。
これは自助でやることではないのです。公助でやるべきことですから。
シナリオ・センターは、今年創立50周年でした。ですが、このコロナ禍で盛大にお祝いするということもできず、10月に行う予定だった創立記念パーティーも全ての方が、安心しておいでいただけるときまでお預けとなりました。
実のところ5月くらいまではがっくり来ていました。あんなに色々のイベントやパーティー企画も考えていたのに・・・、涙、涙でした。
でも、コロナや災害のために色々なことを断念しなければならない、立ち行かなくなるところもたくさんあるのに、シナリオ・センターは、受講生皆さんの「KEEP WRITING」のおかげで、なんとか踏ん張れている現在、創立50周年が吹っ飛んでも何のことはない、次の50年のために何ができるかを考えようと思うに至りました。
受講生の皆さんのパワーのおかげで立ち上げれました。ありがとうございます。
そういえば、はじめちゃんは、常にどんなときでも前しか向いていませんでしたっけ。
振りむくことなくまっしぐら、先頭きって走ったら、後ろに誰もついてこれなかったとか・・・何度尻ぬぐいさせられたことか(笑)
後半期は、次のステップに向かって、いろいろ仕掛けていきたいと思っています。
オンラインが主体となりますが、皆さんと御一緒に楽しめたらと思っています。
マッチ
創立50周年は過去を振り返るのではなくと思っていますが、新井の遺してくれた遺産「シナリオの基礎技術」、技術をしっかりと腕につけるためのノウハウ「20枚シナリオ」は、大事に継承していきます。
本科の課題で「マッチ」があります。前時代的な課題で評判があまりよくないのですが、朝日新聞の日曜版で「サザエさんをさがして」というコーナーがあり、テーマがマッチ棒でした。
マッチが全盛だったのは60年代70年代でしょうか。マッチのピークは73年だといいます。
まだ100円ライターもなく、ガスコンロに火をつけるのも自動ではなく、マッチでした。
特にお酒のあるところには煙草ありということで、酒場のテーブル、カウンターには当然のように灰皿とともにマッチが置かれていました。
バーやキャバレー、クラブ、スナック、普通のお店でもマッチ箱、マッチのラベルにそれぞれの特色を出すべく競ってデザインやイラストなどに意匠を凝らしたものです。
「サザエさん」の漫画には、夫の上着のポケットから、バーのマッチが出てくる。怒りが収まらない妻に、夫は反論する。
バー通いの目的は自らの唯一の趣味であるマッチ棒での模型作りのためという言い訳です。それで、夫婦喧嘩は何とか誤魔化して、めでたくチャンチャン。
高度成長時代、マッチ箱に商談内容をメモしたり、マッチ棒でクイズとか、マッチ棒で模型を作る、3万本のマッチで1カ月かけて大阪城を創りあげ、ニュースになったりもしています。
単に火をつける道具としてだけでなく、浮気を見つけたり、秘密が隠されていたり、マッチは大事な小道具としても活躍していました。
私もお伺いしたことがありますが、神戸の「北野公房のまち」に「マッチ棒」というマッチ専門店があります。
とてもおしゃれなマッチがたくさんあり、ちょっとしたインテリアにも使えます。
マッチ箱やラベルなどのコレクションを展示する「たるみ燐寸博物館」(私設・垂水区)というのもあります。
探してみると案外色々なところに隠れマッチがあるのかもしれませんね。(笑)
知らないから描けないというのではなく、知らないことは調べて知ることで、自分の引き出しも増え、想像力も広がります。
ある意味、今は使うところが少なければ少ないほど、時代を映すこともできますし、ドラマの小道具としての使い道が広がって見えてきます。
シナリオ・センターの独自の「20枚シナリオ」、課題を一つ一つ大事に描いてみて下さい。