褒めて褒めて
シナリオ・センター代表の小林です。週末は台風が上陸するかもとのこと。西日本は大雨と聞くとまたまた河川決壊などを繰り返すのかと心配です。
コロナはもちろんのこと、こう色々なことが起こると、やらなければならないことの優先順位が大切になってきます。
まだ復旧もできていないところばかりの今、災害対策は大急ぎだし、解雇・雇止めが6万人を超えたということは大ごとだし、すべてが命にかかわることだから、まず税金はそこに投入して欲しいです。
経済を回すためには、GOTO~が必要というけれど、「トリキの錬金術」」だとかをできる人とか、高い宿に旅行にいける人とかは、困らないからできるわけで、そこを厚くフォローするよりも、まずは、困っている人たちが動けるようになることが最優先だと思うのですが。
どうか、また大きな災害が起こりませんように。神様に祈るばかりです。
昨日は、140期シナリオ作家養成講座の開講でした。
頭の1時間あまりをオリエンテーションとして、私が講座でどのように力がつくのか、シナリオが書けるようになるのかをお話しさせていただきました。
毎週、講義に沿って課題が出てシナリオを描くという宿題があることが、シナリオ・センターの講座の特徴です。
知識だけでは描けない、技術として落とし込まないと。その技術へ落とし込む方法が宿題として、毎週書き続けるということなのです。
頭だけで考えるだけでは抽象的で形になりませんからスルーするのも早い、実際に書いてみることで具体的になり、しっかりと腕に力が付くのです。
皆さんが描き続けていけるようにバックアップする、フォローするというのが私たちの使命だと思っています。
新井一が口を酸っぱくして言っていたことは「褒めて育てよ」でした。
創作は否定されたら思考はそこで止まってしまう、うまくできていないところを叩くよりも、うまくできているところを伸ばす方が圧倒的に早くよく育つというのが持論でした。
たまたまテレビを見ていたら、犬の調教も今は「褒めて育てる」のだそうです。
怒ったり、罰を与えたりするより、できるところを褒めて褒めて褒めてあげると犬はどんどんできるようになるのだそうです。
犬と同じ?と言われそうですが、まさに同じです。(笑)だって、誰だって褒められたら嬉しい。
できないこと克服することも大事ですが、特に創作はいいところをみつけて、伸ばしていければと思います。
どんなものでも、悪いところを見つけるのは簡単、突っ込みどころなんて山ほどあります。
でも、いいところを探すのは案外難しい。
ちゃんと「いいところ探し」ができる講師であるように、センターの講師は研鑽を積んでいき続けます。
褒めない講師がいたら言いつけに来てください。(笑)
ショートストーリー
「創立50周記念20枚シナリオ新井一賞」の授賞式を、新井一の命日11月23日に行いたいと、今準備をしております。
コロナ禍なので、どんな形にしようか色々悩むところですが、創立50周年パーティーも泣く泣く無期延期にした今年、せめて「新井一賞」の授賞式はと思っています。
応募された20枚シナリオを読ませていただきながら、20枚シナリオの難しさを感じています。
というのは、20枚シナリオは映像にしたら10分ですが、ほとんどの方がショートストーリーになってしまっているのです。
ショートストーリーがうまく描けることも大切ですが、20枚シナリオはディテールの勉強。課題の「そこ!」のみを描くのです。
ディテールというのは細部ですから、これこれこういうお話ではなく、長編の一部分、お話しの具体的な見せる部分を魅力的に描く研修なのです。
コンクールに入選した方が「ゼミの20枚シナリオ○○の課題を1時間ものにしました」とおっしゃることが多いです。
ところが、受講生からは「20枚シナリオを1時間ものに広げることができない」というお声もいただきます。
それは、ショートストーリーになってしまっているからです。
話しを終わらせないで、20枚シナリオを描いてみて下さい。
この続きはどうなるのだろう、この展開は面白くなりそう・・・で留めてみましょう。
シーンを積み重ねて、一つのストーリー、お話しになります。
「半沢直樹」が面白いのはシーンってことがおわかりになりますよね。
シナリオは見せるもの。
いかにシーンが魅力的であるか、惹きつけられるシーンか、腕のみせどころです。