シナリオ・センターの代表・小林幸恵が、出身ライターの活躍や業界動向から感じたことなど、2006年からほぼ毎日更新している日記です。
シナリオ・センター代表の小林です。雨にぬれた紫陽花がみごとです。
雨のおかげでテニスは流れたけれど、これで美味しいお米に育つなら、何も言うことはありません。 出身ライターの阿部美佳さんのおうちは、東北の有名なスイカ農園です。世界一美味しいスイカを作っていらっしゃいます。
お米も作っていらして、これまたピカ一のお米です。世界一にするためには、丹念に手をかけ、手をかけ、手をかけ続けないとできないのだそうです。
なんでも、作り手の心です。手間を惜しむといいものはできません。シナリオもお米もスイカも変りません。
NHKアニメ「団地ともお」を書かれている阿部さんのシナリオがうまいのも、ご両親のスイカ作りのDNAかもしれません。(笑)
講師会が行われました。今日の議題は、サマーセミナー「12時間耐久シナリオマラソン」です。
シナリオマラソンは、講義を聴いて、直し、ゼミを受ける、次の段階の講義を受けて、創り、ゼミを受ける、講義を聴いて、シナリオにできるようになる。簡単に言うと、こういう運びなんです。
スイカやお米づくりと同じで、ひとつひとつのプロセスを大事に、丹念に作っていかなくてはなりません。その作り方を体得していただくのが、この夏のテーマです。
そこで何が学べるかというと、初心者の方には、長編作りのプロセスをまず知ることができます。
プロセスを知ると、シーンを描くことがシナリオでストーリーではないことを実感し、20枚シナリオでディテールを描くことがどんなに大切なことかがわかります。
なんのために、毎週毎週20枚シナリオを書くのかという目的がはっきりすれば、ひとつひとつキャラクターをどう設定し、ディテールを描くのかが見えてくるでしょう。
上級者の方は、この長編作りのプロセスを体得すれば、いつ何時プロデューサーに「すぐにシナリオに書いてくれ」といわれても困らない、すぐ書けるノウハウを持てるのです。
プロットや企画書ばかり書いている方には、特にお勧め。
何故なら、シナリオの発想は、プロットの発想とはまったく違うので、プロット脳になりすぎている脳を、シナリオ脳に変換しなければ脚本家になれません。
先日も、某テレビ局のプロデューサーの方が、すごくプロットのうまい新人がいるので、シナリオを書いてもらったら、なんとプロットのままで唖然としたというお話をされていました。
プロットは、あくまでストーリーですから、そこには人の感情は動きません。
シナリオはディテール。登場人物はどんなキャラクターで、そのキャラは、何かが起きたとき、どう思い、どう動くか、それがドラマなんですね。
シナリオがうまい!といわれるライターになるためには、シナリオ脳を常に活性化していなければ。この夏は、シナリオ脳になってもらいたい。すぐ活かせるシナリオ脳作りに賭けています。
初心者の方も上級者の方も、シナリオ脳になりましょう。是非、ご参加下さい。