コロナ禍でも実施した番町小学校でのキッズシナリオ
シナリオ・センターの新井です。
シナリオ・センター創設者の新井一も、作家集団講師の新井巌も、代表の小林も、そして私もOB・OGである母校番町小学校でのキッズシナリオが、コロナ禍の2021年2月になんとか、開催できました!
番町小学校でのキッズシナリオは、毎年5年生に実施しています。今年で、7年目を迎えました。「今年はできるかなぁ~」と心配でしたが、何とか実施できることとなりました。
副校長先生からは、「いろいろな行事が中止や縮小になってしまっているので、シナリオ教室が実施できてよかったです」といってもらえました。
そんな番町小学校でのキッズシナリオの様子を、サポート役として参加してくれた唐下講師の感想とともにレポートします。
■キッズシナリオとは
コミュニケーションの土台となる相手のことを考える力を、楽しみながらはぐくむシナリオを使ったプログラムです。
短時間でもシナリオが楽しく書けるコツ
今回は、1組を新井が担当し、2組を田中が担当しました。
「シナリオを書く」というと、興味深々でありながらも、お子さんたちはちょっとだけ身構えます。
「難しいのかな?」
「書けなかったらヤダな」
普段書くことが苦手なお子さんは、特に、です。
でも、シナリオは登場人物がいいそうなことを想像してセリフを書き、そのセリフをどんな風に言うのかなとイメージをして、ト書を書けばいいのです。文章力はいりません!
って、ことを頭でわかっても書けるわけではありません。そこで、お子さんたちの想像力を刺激していきます。
登場人物のキャラクターを考える
もしも、番町小学校の先生に城之島文蔵(じょうがしま ぶんぞう)先生と、山下えり子(やました えりこ)先生がいたとします。
『ふたりが地図を見ながら、修学旅行について話しています』
さて、どんな会話がうまれるでしょうか?
ここのポイントは、いきなりセリフを考えないこと!
セリフを考える前に、キャラクターを考えます。
でも、キャラクターってどう考えるの?となります。
そこで、名前のイメージからキャラクターを少しずつ考えていきます。
「ぶんぞう先生って、何歳だと思う?」
子どもたちの挙げる手が止まりません。
「ぶんぞう先生って、服装どんなだと思う?
はい、はい、がうるさいくらいです。
「ぶんぞう先生の教科は?」
もう、勝手にしゃべっています。
「ぶんぞう先生の性格は?」
ここまでくると、どんな人物かみんなイメージが湧いています。
同じように山下えり子先生も考えてみます。
架空の先生二人が、どんなことを言いそうか、どんなことをやりそうか、お子さんたちの頭のなかに、むくむくと妄想が広がります!
(唐下講師の感想)
『キャラクターから考えると、魅力的なセリフや行動がどんどん出てきます。山下先生ならではのセリフ。
城之島先生だからこそ言ってしまうセリフや行動が、物語を面白くするんです!
子どもたちに「キャラクターから考えるシナリオの書き方」を伝えると、でてくる、でてくる。
小学生の妄想しまくりで生まれてくるフレーズの数々に、圧倒されます』
コロナ禍だからこそのセリフも
コロナ禍ならではでしょうか。ぶんぞう先生とえり子先生でこんなやりとりがありました。
(唐下講師の感想)
『「コロナで修学旅行が中止」という物語を発表した生徒がいました。
もちろん何の問題もありません。
シナリオは何を書いても良いし、そこに正解はありません。
ただワイワイ楽しげに鉛筆を走らせる子どもたちから「修学旅行がなくなる」という設定がでてきたことに、少し切なくなりました』
登場人物のことを考えることは思いをはせること
世の中には、いろいろな価値観があって、いろいろな考え方があります。それはとてもいいことです。
だからこそ、自分と自分以外の人の考えや気持ちに思いをはせることが大切です。そのくせをつけるのに、実はシナリオはうってつけなんです。
(唐下講師のコメント)
『みなさーん。突然ですが、顔をあげてください。
「今、あなたの前には誰がいますか?」
こんな時だからこそ、きっと大切な人が目の前にいるはずです。
その人は何を考えていますか。
マスクで表情が分からなければ、目や仕草を見てください。
それでも分からなければ、ぜひシナリオを書いてみてください!
シナリオを書くだけで、人は優しくなれます。
「よし、シナリオを書くぞ!」
と、アイデアを探すため日頃から自分や周りを観察していると、想像力が深まり、どんな時でも相手の立場にたつ“思いやり”の気持ちが芽生えるからです』