カセにがんじがらめな人間社会、カセを追求すると人間が見えてくる | シナリオ・脚本、小説も！プロの技術が学べる学校

弥生

シナリオ・センター代表の小林です。♪弥生の空は見渡す限り～♪
桜はまだですけれど、春の入り口に差し掛かってきました。ちょっとワクワク。
でも、「桜の季節がくるぞ～」と、どきどきしている人たちもいらっしゃるでしょう。
コロナ禍で忘れたかのように見えますが、決して忘れてはいませんから、桜を見る会。
Twitterにどなたが創られたのか「メニューが増えた。もり、かけに親子丼」うまい、座布団一枚。
親子丼を食べてあたったのか、山田真貴子内閣広報官は体調不調で入院。そして激務に耐え切れず辞任されました。もろパターンすぎ、もう少しやり方を考えればいいのに。
この社会で女性が台頭するためには、男性に媚びるか、男性と同じようにやるか、この二択しかない気がします。
女性は女性の、男性は男性のそれぞれの特質を生かす、そして、その垣根を誰でもが超えることをいとわない世の中になれば、男女ともに生きやすいのに。
人はみんな違うのですから。
官僚は、ある意味中間管理職みたいな感じで、政府・与党と国民の間で板挟み。
「すさまじきものは宮仕え」上からの指示にイヤでも断れないのが宮仕えのつらさ。
それでも権力の側につくと、イヤだ、間違っていると思いつつ、ちょっと気分よく、まずいと思いつつも謳歌しちゃう部分もあるでしょう。
人間って、そんなものです。白と黒ではできていませんから、そんなに強くないし、流されても仕方がない。上に行けたらうれしいだろうし、しかも左遷という脅しもあるしね。
でもね、官僚は入省する時にお約束をするでしょう。国民のために尽くすというお約束。
見る方向はどんな時でも国民の方を見なくてはいけないのです。上司ではなくてね。
上昇志向はいいのです。でも、自分のためだけの上昇志向ではだめです。
上が腐ると、下も腐ります。世の中そのものがボロボロになります。
今の日本は、危ないです。
でも、コロナ禍になってみえるものがはっきりしてよかったかもしれない。
「災い転じて福となす」となることを願わずにはいられません。
さあ、今こそ、本当は「イヤだ」「おかしい」と思っている官僚の皆さん、立ち上がりましょう！声をあげましょう！
今ですよ、今。春はもうすぐですもの。

カセ（枷）

山田さんのニュースを見ていたら、「カセ」の研究をしっかりしてみたくなりました。
世の中は、あまりドラマチックすぎても困りますが、案外ひとはカセまみれなものです。（笑）

カセ表というのを、シナリオ・センターでは受講生の方々にお渡ししています。
ネタに困ったときは、ひたすらカセ表を眺めていると、きっと浮かんできますので、机の奥にしまっていないで、机の前に貼っておくとか、いつも手に取れるところに出しておくといいですね。
ドラマの要である葛藤・対立・相克を作るのは、そう、カセですから。

新井一の分類によるとカセは大きく12くらいになります。
①時間的なもの　簡単に言うと時間制約、約束の時間に間に合わないとか、爆破の時間まで何分とか。
②秘密性を持つもの　秘密は広いです。件の山田さんで言えば、状況の秘密、行動の秘密、人物関係の秘密、計画の秘密といっぱいです。
③場所によるもの　場所を特定にすることでおきます。袋小路とか敵軍に包囲されているとか。
④人物関係のもの　親子、兄弟など離れられないものがそうですね。
昨日の森下佳子さんの「天国と地獄～サイコな二人～」では、どうも双子の兄弟がキーポイントらしい。
⑤内心　これは人物関係とも重なりますが、自分自身の心のカセと考えるといいでしょう。「セリフは嘘つき」ですね。
⑥誤解　もうこれは物語の常とう手段。
なぜこれが大きいかというと、すべての人間は、自分も含めてすべてを知り得ないからです。
目は前にしかついていない、後ろは見えていないということです。
⑦社会的つながりのあるもの　まさに山田さんが陥ったところかもしれません。仕事、社会の圧力、法律などが大きなカセになりますね。
⑧約束とか掟などによるもの　規則や法律はもとより、きまりや作法や習慣などもがんじがらめにさせられます。
⑨物に関するもの　貴重品とか、危険物、意味のあるもの
⑩状況的なもの　今であれば緊急事態宣言で8時までしか営業できないことはおおきなカセでしょう。
戦争下とか、天候、社会不安などから、会社や家庭の状況も。
⑪目に見えないもの　カセとは大体目に見えないものなのですが、精神的なもの、世論、雰囲気などもあげられます。
⑫肉体的なもの　これはそのものずばりがカセとなります。
肉体的欠陥や、病気、性癖など。今問題になって良いる女性蔑視、性別もカセになっているということです。