お彼岸に
シナリオ・センター代表の小林です。緊急事態宣言は解除されるそうです。
コロナが下火になって解除されるなら嬉しいのですが、全国で変異株も増え、死者も出て、東京感染者本日は303人の現実に、どう対処すればいいのかわかりません。
延長にしても、解除にしても何一つ手立てもなく過ごして、「気の緩み」のせいだから「気合で乗り切れ」と言われても・・・どうしたもんでしょうねぇ。
25日から聖火ランナーを走らせるための解除だとおっしゃる方もいらして、オリンピッグ問題に、すっかり聖火のことは忘れていましたが、聖火だけでないものを運んできたりはしないのだろうかと心配性の私には、また心配の種が増えました。
まあ、世界中が先行きの見えないことに向かっているのですから、色々な齟齬があるのは仕方がないことかと思います。
でも、それぞれの国で向き合い方が違っていて、うらやましい国もあれば、日本と変わらんという国もありますが、少なくとも「マスクはいつまでやるの?」と当事者認識のかけらもない大臣のいる国は皆無のような気がします。あなたがお金を出さないからだよ。(笑)
お彼岸ですが、このまま日本を終わらせてしまっては、本当にご先祖様に申し訳なく思います。
名脇役
出身ライターの宮本武史さんらが執筆された「バイプレイヤーズ」(テレ東)は、名脇役たちが主役のドラマで、1回目の「バイプレイヤーズ~もしも名脇役たちがシェアハウスで暮らしたら~」は、亡くなられた大杉漣さん初め、遠藤憲一さん、寺島進さん、松重豊さん、田口トモロウさん、光石研さんが出演、大評判となりました。
今年は「バイプレイヤーズ~名脇役たちの森の100日間」として、100名の俳優が勢揃いという大掛かりな映画にもなるという快挙でした。
脇役の方も主役を張るようになり、脇役だけに徹しているという時代ではなくなりましたが、ドラマ、映画は名脇役に支えれていいものになっていきます。
スター、主役を活かす周り(脇役)がなければ、スターは輝きませんし、映画やドラマも成立しません。
放映中の朝ドラ、出身ライターの八津弘幸さん脚本の「おちょやん」(NHK)は、昭和の名脇役浪花千栄子さんがモデルです。
浪速千栄子さん初め、伴淳三郎さん、伊藤雄之助さん、笠智衆さん、加東大介さん、沢村貞子さん、飯田蝶子さん、三島雅夫さん、浦辺粂子さん、加藤嘉さん、望月優子さん、殿山泰司さん、田崎潤さん、仲谷昇さん等など、巨匠たちに絶大な信頼をおかれた名脇役たちが、昭和の名画をたくさん作りだしました。
4月6日から6月20日まで、鎌倉市川喜多映画記念館で、は「日本映画名優列伝」と銘打ってバイプレーヤーズの活躍を見せてくれます。
内田吐夢監督の日本映画史上の傑作と言われる「飢餓海峡」、浪速千栄子さん出演の小津安二郎監督の名作「小早川家の秋」、今年亡くなられた歴史探偵とよばれた半藤一利さん原作の岡本喜八監督の代表作「日本の一番長い日」、山本薩男監督の大ヒットした社会派映画「華麗なる一族」、成瀬巳喜男監督の名作「晩菊」、同じく林芙美子の生涯を描いた「放浪記」、小津安二郎監督が敗戦の混乱を描いた「長屋紳士録」、久松静児監督の人情味あふれた「警察日記」、今井正監督の社会派コメディ「にっぽんのお婆ぁちゃん」など、名監督の名画を続々上映します。
チケット発売など詳細は川喜多映画記念館にお問い合わせ下さい。0467-23-2500
「古きを訪ねて新しきを知る」言い尽くされた言葉ですが、名画は「人間を描く」というのはこういうことなのだと教えてくれます。
名脇役たちが、主役を支え、人間を演じてくれたからこそ、名作が生まれたのだと実感していただけると、ご自分のシナリオに大きく影響してくることでしょう。