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シナリオ・センター

代表 小林幸恵が毎日更新!
表参道シナリオ日記

シナリオ・センターの代表・小林幸恵が、出身ライターの活躍や業界動向から感じたことなど、2006年からほぼ毎日更新している日記です。

仕事やプライベート、相手に自分の思いを伝えるためにシナリオを学ぶ!?

シナリオ・センター代表の小林です。昨年10月1日~12月17日までシティリビングの「シティガールズアカデミー」にて、『自分らしく伝える心を動かす表現術』という講座を実施しました。

女性が仕事を進めていく上で、上司や部下、同僚とより良い関係を築き、心をつかむためのポイントをシナリオを使ったワークショップを通してレクャーし、上司への報告、部下への指示、プレゼンといった場面で相手の心を動かす伝える力を、丸の内のOLさんを中心として受講者の方々に具体的に学んでもらいました。

 

シナリオ日記で変る

『先日仕事のことで、こちらの気持ちを上司に分かってもらえず結構クヨクヨしていました。でも、シナリオ講座で習った「シナリオ日記」を思い出し、相手の立場に立って考え直してみたら、「分かってもらえなくても当たり前か」と気分がすっと晴れました。講座のおかげで、私も少しは精神的に大人になれたみたいです(笑)』2013年2月にいただいたメールです。
昨年末に講義をさせていただいたシティリビング新聞主催の女性だけのカルチャースクール、シテイガールズアカデミーの受講生だったAさんからいただいたのです。
講義したことが、ちゃんと形になってくれた、嬉しいご報告でした。

■  シナリオ日記とは

この講座のテーマは「自分らしく伝える心を動かす表現術」(全6回)で、自分らしさとはなにかを踏まえて、仕事上で人間関係をうまくやれるようになるためのものです。コミュニケーションは、いわば、常にアドリブです。そのとき、その人に応じてどうすればいいのか、自分で考えなくてはなりません。その技術を体得できるように「シナリオ日記」を書いて、発表するという参加型の内容にしました。

「シナリオ日記」とは、私が発案した「自己・他者を見つめるためのシナリオを使ったトレーニング法です。その日に起こった出来事を、そのまま自分の感情を入れずに、映画のワンシーンを巻き戻すように、思い出して、事実だけを客観的にシナリオの形式で書くのです。

ふつうの日記では、自分の感情が入り、主観的になりがちですが、シナリオは常に見えているものだけを書くのですから、セリフ、動作をそのまま事実として受け止めます。冷静に、客観的に見つめ直すことができるのです。しかもシナリオは一対一だけではなく、まわりの人達も登場します。相手だけでなくまわりの人のことも考えることで、広い視点で、俯瞰的に、ものごとを把握することができるのです。

実は、『不愉快に思ったシーンを映像的に思い返して客観的にみるといい』と脳科学者の茂木健一郎さんもおっしゃっているんですね。同じ発想でびっくりしましたが、脳的にも「シナリオ日記」は折り紙つき(笑)というわけです。さらに、「シナリオ日記」が進んでいるのは頭の中だけで終らせず、「シナリオに書く」こと。アウトプットすることで、より自分の中に落とし込むことができ、何度も見直しができ、客観的にみることができるということです。

■  シナリオの技術は、相手に伝える技術

コミュニケーションは相手のいること、相手のことを考えなくてはいけません。
誰一人同じ人間ではないのですから、他人は自分と同じ考えではないことを知り、同時に唯一無二の私を大事しないと、よりよいコミュニケーションは生まれません。伝える技術はそこからはじまります。
1回目は、登場人物のキャラクター、背景、事情を考え、アクションリアクションを考え、わずか20分で同じ設定のラブストーリを書き、発表してもらいました。発表することで、同じ設定でも、キャラクターが違うとまったく違う話になることに気がつきます。

この気づきが大事です。コミュニケーションは、人が変れば、同じ話でも対応も反応も違います。伝えるということは一歩通行ではないのです。
2回目以降は、苦手な人、コミュニケーションが一番とりにくい相手のキャラクター観察と、摩擦を起こした時をシナリオ日記にしてもらい、全員に発表してもらいました。日記で気がついたことを話してもらい、他の方の意見を聞きます。講師は、他の人がどうしてそう思ったのか、日記のどこをみると違う視点が出るのかを指摘します。

彼女たちは、毎回日記を書き、真摯に他人の日記についても意見を出してくれました。いつも苦戦を強いられている彼女たちが、自らの力で切り開こうとしている強い意志がびしびし感じる6回でした。

自らを切り開く女性たちへ

女性は、個々の能力と関係なく、大変な努力を強いられています。男性に「仕事と家庭を両立できますか」と訊ねる会社はいないでしょう。でも、女性は訊かれるんですね。男女雇用均等法があろうが、女性に対する考え方や立場は、実際には決して均等ではありません。

この講座では、「にっこり笑顔で挨拶」とか具体的なことはお教えしませんでした。なによりもご自分で想像し、考える力を持つ術をもっていただくこと、この力を持つことで、社会が大きく変ると信じているからです。前向きの彼女たちとは、その後新年会をやり、次の会合日も決まりました。旅行の計画も。まったく違う職場女性たちがこんなにも仲良く過ごせる出逢いを持てたこと、これこそシナリオの力だと思うのです。

シナリオは人間を描くことです。“人”に伝えるための技術と“人”に伝えるための発想は、私たちの生活すべてに活かすことができます。お問合せは、シナリオ・センター(03-3407-6936)の新井までお気軽に。

 新井

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