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代表 小林幸恵が毎日更新!
表参道シナリオ日記

シナリオ・センターの代表・小林幸恵が、出身ライターの活躍や業界動向から感じたことなど、2006年からほぼ毎日更新している日記です。

クワドヌフ?

ある日、フランスで、クワドヌフ?(星雲社刊行)

なんだよ~!

シナリオ・センター代表の小林です。昨日は代休をいただいて、思いっきり笑いに行ってきました。
立川志の輔さんの独演会です。緊急事態宣言で5月11日から14日までの公演のうち11日は中止になりました。私はこの後の公演も不可能ではないかと思っていたのですが、なぜか緩和になって、12日からは公演ができることに。
志の輔師匠もやれる・やれないと振り回されて、決定は前日、どれだけ大変だったかとちょっと怒りながらも、開催できたことへの嬉しさには変えられないようで、終了時間を30分も延長して、熱演してくださいました。
おかげで、本当にさっぱりした、気分爽快になりました。笑いは心を強くします。

私の知り合いは、新国立美術館で、毎年「大平洋展」を開催しています。
120年も歴史のある太平洋美術会の展覧会には、いつもたくさん方がおいでになります。
昨年はコロナで中止、ですから、今年こそとはりきっていらっしゃいました。
5月12日の初日を前に、10日には「開催できます」との喜びいっぱいのメールをいただいたのですが、11日一転して「開催できなくなりました」と怒りと悔し涙にあふれたご報告が。ニュースを見ていたら、大平洋展の事務局の方が、美術館の係員が「大平洋展」のポスターをはがしている前で取材を受けていて、怒りまくっていらっしゃいました。
そりゃそうでしょ、前日の夕方に中止命令ですよ。当然、準備万端整っていたと思うし、私だったら「なんだよ!ポスター、はがしやがって!」と係の方に八つ当たりしそうです。
コロナ禍だから、中止をするのも延期をするのも仕方がないことだとは思っています。
これ以上感染者も亡くなられる方も出したくない気持ちは、みんな同じです。
ですが、お上のこのやり口は最低だと思います。
こういう気持ちの踏みにじり方は、人としてあるまじきことです。

今日も、緊急事態宣言は出さないといっていた北海道、岡山、広島に急にでて。
11日にTheミソ帳倶楽部でお話ししていただいた映画「しあわせのマスカット」、東京、大阪は延期だけど、舞台になった岡山は上映できると喜んでいらっしゃいましたが・・・どうなっているのでしょう。
危機管理のできない国は、本当に国民を苦しめるだけです。なんとかしてよ~!!

ある日、フランスで、クワドヌフ?

研修科を修了された丹藤志保さん、最初の出会いは、シナリオ作家養成講座でした。
エッセイをお書きになるための技術をということで講座にお入りいただきました。
その時に、「エッセイにも参考になる」と私が申し上げたことが、入学のきっかけとかで、研修科も超スピードで修了されました。

そして、5年ぶりに、嬉しいお手紙をいだただきました。
エッセイを書かれたと。
早速買いました。
「ある日、フランスで、クワドヌフ?」(星雲社刊)
丹藤さんが、恋焦がれたフランスでの1年間のインターン生活を描かれたエッセイです。
子どもの頃、アルセーヌ・ルパンに出会ってから、ずーっとフランスに恋焦がれていたという丹藤さん、大学生になって短期留学はしたものの物足りなく、ワーキングホリデービザで入国。
1年間のちょっと苦労した、でも楽しいフランスでのインターン生活を描かれ、フランスに住みたいな、仕事したいな、学びたいなという方には気をつけなきゃいけないことがとっても参考になり、フランスにさほど興味のない方も、フランスっていいよねと、なるほどフランス人って面白く読めるエッセイです。

「クワドヌフ?」というのは、フランス語で、日本でいうところの「元気?」「どうしている?」という感じの「変わりない?」という意味。
「Quoi de neuf?」と訊かれたら「Rien de neuf」と答えるのだそうです。日本語で「特に何も」。
でも、たいへん。丹藤さんは、「Rien de neuf」とはどうも答えられない日々が続いたようで。(笑)
ホームステイ先との軋轢、聾唖のイケメンゲイとの交流、学校での先生たちとの付き合い、バカンスでの出来事、日本のアニメ講義などなど、色々ありすぎて・・・。
失敗談も多いのですが、国のカラーの違いに悩みながらも、充実したフランス生活が感じられます。
丹藤さんのエッセイは、一見ご自分の思い出を訪ねているようでありながら、ひとつひとつのエピソードに、日本とフランスとの文化、考え方の違いの乗り越え方が垣間見え、作者の視点、考え方が感じられます。

エッセイを書くためにシナリオを学ばれた丹藤さん。
シナリオの技術は、他人に伝える技術です。
どんなジャンルになろうと基本は同じ、目に見えるように描くこと。
イメージが共有できれば伝わるのです。
創作をしたいと思った時、まずシナリオの技術を手に入れましょう。
作家の感性で描く創作を、具体的に、論理的に感性を際立たせるための、伝える技術をシナリオを描くことで学べるのです。

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