月を愛でる
シナリオ・センター代表の小林です。今日は「スーパーブラッドムーン」の皆既月食です。
日本では24年ぶり、満月、しかも1年で一番大きく見える(一番近づいている)最大の満月の皆既月食ということで、期待が膨らみます。
表参道は、天気は悪くなさそうですので、是非見たいです。次は12年後とかですので、私などは、生きているか死んでいるかわからないし・・・見るなら今でしょ。
月を愛でるのは、日本人の文化のようですが、確かに月の名前を知るだけでも、いかに月を愛でていたかわかります。三日月や満月はよく知られていますが、小望月、十三夜、十六夜月、立待月、居待月、寝待月、更待月、有明月、晦、上弦の月、下弦の月ときれいな表現です。声に出しても響きがいい。
「スーパーブレッドムーン」とかわかるけれど、ちょっと情緒に欠ける気がしてしまいます。とても大きな血のような月って、今いちだと思いませんか。
日本語って、とても美しく「愛でる」という言葉も、LOVEではないところに趣を感じます。
今の日本は最低で大嫌いだけれど、日本の文化は大好きです。
どうも、まだ東京の緊急事態は明けないようです。
こんなグダグダなことを1年以上も続けていることに腹が立ちますし、お上はちっとも変わりませんが、ちょっと流れが変わってきたなと思ったのが、今日の朝日新聞。
東京五輪のオフィシャルパートナーなのに、五輪中止を呼びかけました。
オフィシャルパートナーがですよ。ほかのオフィシャルパートナーも、どんどん後に続いて、声をあげて欲しい。
ニューズウイークも前向きな中止を訴えています。
そう、前向き。中止することがすべてマイナスではないし、むしろ国民の8割近くが中止・延期を望んでいるのですから、きっぱり中止にしたら喝采を呼びますし、しっかりとワクチン接種と自粛で抑え込んで、入院もできて治療もきちんとして亡くなる人をなくし、一日でも早い正常な生活に戻すことへ全力を注げばいい、余計な手間をかけることも、大切な樹木を切る必要もないと思うのですが。
Driving Doctor黒咲
本音と建て前は、金と権力はどこの世界にもあります。忖度は政治の世界だけでなく上下関係があればあらゆるところに。
出身ライターの神尾龍さんの漫画原作「Driving Doctor黒咲」の3巻目が発売となりました。
この「Driving Doctor黒咲」は実際にドクターカーをされている医師の方が監修されていますが、車でその場に医師が駆けつけるというもので、2巻目で、大事な車と助手が大怪我をするという事件があり、3巻目は謹慎中から始まります。
この漫画は、白河というライバル、黒咲の過去、亡くなった妻の父である医学部長との確執を軸に、救急救命のあり方へ、常に警鐘を投げかけています。
スピーディで、次から次へと起る事件に登場人物すべてが右往左往しながら変化をしていく、実にうまい構成で、どんどん運んでいきます。
そして、主人公は最高の名医ではあるのですが、過去も含めて、決してただのいい医者ではない一筋縄ではないキャラクターに創られており、これが魅力となっています。
そうです、いつも授業で言っている魅力は何か、二面性です。
また、彼を取り巻く登場人物の色濃いキャラクターたちのぶつかり合いも面白いのですが、それ以上に大学病院を舞台にしていますが、今の世の中のろくでもなさを反映していて、神尾さんならではだなぁと思います。
3巻目も目障りな黒咲を、大学病院から放り出したい教授会で、あわや切られそうになった黒咲を救ったのは、上層部ではなく現場で共に命を見つめている仲間。
上層部は大学病院運営の思惑や保身にしのぎを削っているだけ。
神尾さんらしさがよく出ているところです。
漫画やアニメは、実写以上に、キャラクターが大事、特筆したキャラクターが必要だと言われています。微妙な表情などができませんからね。
神尾さんの漫画から学んでいただけることでしょう。
8月には4巻目も出ますが、「週刊漫画ゴラク」で連載していますので、この後を早く読みたい方はどうぞ。
次の展開が待ち遠しいと思わせる作品、これこそ何より大事なことです。