自分のおもしろいを、他の人にも感じてもらう
ついに6月22日(火)に小・中学生向けオンライン創作講座『考える部屋』が開講しました〜
いやぁ〜めちゃめちゃ濃いめの90分でした。
『考える部屋』というのは、創作好きな小学5・6年生、中学1・2・3年生にじっくり1年間かけて、
『物語をおもしろくする表現技術を身につけて「こうすれば面白くなる!」を実感』
してもらうという講座です。
その結果、子どもたちが
『イメージしている物語を、おもしろい物語として描くことができる』
を目指します。
自分のおもしろいを、ほかの人とも共有できるなんて、すばらしいじゃないか!ということです。そこは作家ですから、大人も子どももなく、目指すところは一緒です。
ということで、『考える部屋』の第1回を、子どもたちのリアクションベースで、シナリオ・センターの新井がレポートします!
『考える部屋』に、先生はいません
まずは、簡単に『考える部屋』の仕組みについて、子どもたちに説明。
そして、一番大切なこと。
『考える部屋』には、実は先生とか講師とかはいない!ということを伝えます。
もちろん『考える部屋』には、新井のほかに、武藤講師(研修科ゼミナール・通信講座を担当)と、森田講師(通信講座)、唐下講師(キッズシナリオ)がいます。
でも、ぼくらの立ち位置は、講師でも先生でもありません。「こうすると、もっとおもしろく伝えられるよ!」ということを伝える役目は責任を持って担いますが、それ以外の面で、何かすごいことができるわけではありません。
子どもたち、それぞれに得意なこともあるし、ぼくらが知らないこともたくさん知っています。
だから、立場はあくまで対等。
大人も子どもも、先生も生徒もありゃしないのです。
「先生!質問です」って言われても、ぼくらはみんな「ん?だれ?」ってなるからねっていうと、子どもたちはちょっとびっくりした顔をしていました。
ということで、それぞれ、『考える部屋』で呼ばれたい名前を考えてもらいます。ペンネームでもいいですよ、というと、顔がほころぶ子もいました。
ちなみに、新井は『かずき』。武藤は『てっちゃん』。森田は『もんちゃん』。唐下は『ひろくん』に決定。
じつは、ライブ授業を『授業』とはいわず、エピソードと呼ぶようにしています。それも、勉強っぽくしないためです。スターウォーズっぽい感じを意識しています。
自分が描きたい世界が明確!
子どもたちそれぞれに、どんな物語が描けるようになったら嬉しいか、を聞いてみました。
いや〜、びっくりしました。なんせ、とても明確な答えが返ってきたからです。
しおちゃん
「小説を書いていて、『映像研には手を出すな』がすごい好き!あんな感じの物語を描けるようになりたい」
Yu
「自分は、現実の世界を描くような物語はあまり得意じゃないと思う。でも、ルイス・キャロルが好き。『不思議の国のアリス』のような物語とか、子どもたちが楽しめるようなものを描きたい』
ゆいちゃん
「大好きな人形がたくさんあるから、その人形を使って、物語を作って撮影とかもしてみたい」
あおちゃん
「『風の谷のナウシカ』が好き。映画も好きだけど、特にマンガが好き。マンガは、より深い物語が描かれていると思う。わたしは、いろんな登場人物が出てくるような、そんな物語を描けるようになりたい」
あささん
「最近では、『大豆田とわ子と三人の元夫』がおもしろかった。私もあんな物語が描けたらと思う。一番好きなキャラクターは、しんしん」
もう、みんな明確なイメージがあるのです。ほらもう、誰が先生とか言っている場合ではありません。年齢が上だの下だのも関係ないわけです!
ようこそ!正解も不正解もない世界へ
『考える部屋』第1回目の『考えるコト』はこちら。
『キャラクター』というと、ゆるキャラとかマスコットのようなものと考えがちですが、物語をつくるうえでは、登場人物の人がらとか個性などの意味で使います。
そこで、1年間切磋琢磨する仲間のことを知ること、そして、何よりドラマを作る上で一番大切になる『キャラクターとは何か』を知ることからはじめます。
手はじめに『他己紹介』というのをやります。
『他己紹介』というのは、相手の雰囲気とか見た目とかそういった限られた情報から、「こんな人じゃないかな?」と勝手に想像して、知っているつもりで紹介するというものです。
ルールは、2つあります。
①言いきる事
②言いきるぶん、良いことをイメージすること
『他己紹介』をやると、お互いのことに興味を持つことができます。そして、そのために想像力を使います。
でも、それだけではありません。
ここで重要なのは、
正解も不正解もない、ということです。
どんなキャラクターだったら正解で、どんなキャラクターだったら不正解というものは創作をする上ではありません。そもそも正解も不正解もないのだから、考えることを恐れる必要はありません。そして、自分自身のキャラクターにだって、良いも悪いもありません。
得意なこともあれば、苦手なこともあるし、好きなものもあれば、嫌いなものもあります。それが人間ですし、それでいいのです。
第1回目の『考える部屋』で導き出されたこと、『キャラクターとは…』
キャラクターとは、みんなそれぞれ違うことです。それぞれみんな違うキャラクターを、いきいきと描くことでドラマがおもしろくなります。
で、ここから次回に向けてのまとめに入っていきましたが、子どもたち、メモを取るは取るは……その熱心さに心が熱くなります。
あっという間の90分
最後に、本日のまとめ
・キャラクターとは、それぞれ違うということ
だからこそ、ふだんから自分のまわりの友達や家族、近所の人などがどんなことをしたり、どんなことを言ったりしているかを観察しておくと、ドラマを描く時のヒントになるよ!
それを、『作家の眼』っていうんだぜ!
というところで、おしまい。
みんな、なるほどね!という顔をしていたので、少しずつ日常の見え方も変わってくるかもしれません!
ということで、みんなで楽しくワイワイとやりながら、あっという間の90分。休憩をとるのも忘れて、突っ走りました。
次回は、『魅力的なキャラクターが必要だ!』に迫ります!