絵が苦手でも映像は撮れます
放課後NPOアフタースクールさんが運営する台東区立 谷中小学校 放課後子供教室で実施中のキッズシナリオ(全3回)。
対象は5・6年生。高学年になるにつれて、「子供っぽいな…」「家でゲームしている方が楽しいな…」と感じるようになり、学童保育から足が遠のいてしまう。こういったことが少なくないようです
そこで今回は高学年でも楽しめる企画として実施することになりました。
>>1回目の模様はこちらから
「谷中小学校 放課後子供教室 /小学5・6年生も夢中になる物語作り」
7/1には、2回目を実施。iPadを使用して実際に映像を撮影してもらいました。
撮影にあたって、短いシナリオをもとに絵コンテを描いてもらうのですが、そのことを伝えると「絵はうまく描けないんです……」という反応が。
その気持ち分かります。
「うまく描かなくちゃ!」と思ってしまいますよね。
でも、絵の上手い下手は関係ありません。
絵が苦手でも映像は撮れます!
大事なのは、「枠(フレーム)」を意識すること。
それはどういうことか。
今回 担当した新井が生徒の皆さんにご紹介した模様をリポートいたします。
=今回の概要==============
・サービス名:「ショートムービーを作ろう!」
・目的:映画作り
・対象:NPO法人放課後NPOアフタースクールさま
・時間:45分×3回
キッズシナリオの詳細 https://sites.google.com/view/kids-scenariocenter/home
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カバで練習!ロング・バスト・アップ
〇新井:こうやって指で枠を作って、自分が撮りたいものをこの中に入れてみてください。これを撮影するときも意識してほしいんです。
生徒の皆さんも、指で枠を作ってのぞき込んでいます。
〇新井:枠には種類があって、(図の左から)ロング・バスト・アップがあります。
この3つの「枠」を実感してもらうため、「○○の目から涙がポロリとこぼれる」というト書をもとに、iPadで撮ってもらいました。“涙”は水色のフセンを使います。
自然とチームに分かれ、撮影開始。
すると、カバの置物に涙を貼ったチームが!面白いアイデアですね。
こちらがロング。全体はよく分かりますが、肝心の“涙”が見えません。
次はバスト。カバのバストなので、少し分かりにくいですが、撮っている生徒さんたちはロングやアップとの違いをきちんと理解しています!ロングよりは見えますが、まだ “涙”は見えませんね。
最後にアップ。「カバの目から涙がポロリとこぼれる」というト書がしっかり映像になっていますね。
このように、3つの「枠”」実感した後は いよいよ、ある「ト書」をもとに映像を撮ってもらいます!
大切なのは、上手な絵コンテではなく、「枠」を意識すること
そのト書はコチラ。
机にフセンが貼られている。
フセンに気づく太郎。
太郎、フセンを手にとる。
フセンに『X・Y・Z』と書いてある。
〇新井:映像を撮る前に、まずは絵コンテを描いてもらいます。何を・どう映すのか、4つのコマに絵を描いてください。
〇生徒さん:えー!!……絵を描くんですか……
〇生徒さん:意外と机って描くの難しいんですよね……
〇生徒さん:どうしよう……うまく描けない……
〇新井:あ、大丈夫 大丈夫!
絵をうまく描くことが目的ではなくて、「枠」をどう活かすのか、を考えること。だから、棒人間でもいいですよ。どういう映像にしたいかが分かればそれでOK。ざっくりでいいので、描いてみてください。
最初は不安そうにしていた生徒さんも、描き始めるとスラスラスラ。
どんな映像にしたいのかがよく分かる絵コンテがちゃんと書けました!
ちなみに今回も、シナリオ・センター在籍生で、映画『15歳の総理大臣』の監督・脚本を手掛けた胡麻尻亜紀さんに参加していただいています(今回のキッズシナリオ実施は胡麻尻さんのご紹介がキッカケ)。
▼校内のボードには、新井と胡麻尻さんが来ることを知らせるチラシが!
胡麻尻さんも絵コンテを作成。生徒の皆さんと同じ目線でサポートしてくださいます。
絵コンテが出来たら、実際に撮影してみます。
こちらの画像は、新井が太郎役になって、生徒さんが撮影したもの。動画で撮っていただきましたが、静止画でご紹介。
他の生徒さんたちも、「こうかな?」「もっとこうしよう!」と相談しながら楽しそうに撮影していました。
絵コンテが苦手でも映像が完成!
その後、皆さんが撮影した動画を上映して鑑賞。
〇新井:上手に撮れていますね。ね、絵コンテを描くのが苦手でも大丈夫だったでしょ?きちんと映像にできています!
皆さん、嬉しそうです。
〇新井:特に意識してほしいのはアップ。アップにすると細かいところまで見えるので、誰が何をやっているかが分かります。
でも普段、皆さんが目で見ているのはロング。すごく意識して近づかないとアップでは見ないですよね?
「枠」を意識しないと、どんなシーンでも自然と、いつも見ているロングで撮ってしまうんです。だから映像を撮るときは、「枠」を意識してくださいね。
ここで終了の時間に。「絵を描くのは……」と心配していた生徒さんたちもニコニコで終えることができました。
谷中小学校 放課後子供教室 担当のかたによると、今回も「楽しかった!」「今回初めてだったけど参加して良かった」と嬉しそうに下校したそうです!
次回は9月を予定。またリポートしますのでお楽しみに。
※これまで&この後の模様はこちらから↓
>>1回目
「小学5・6年生も夢中になる物語作り」
>>9月に実施した3回目
短時間でも映像は作れる!/子どもがのびのびと自己表現できる場
なお、この模様を紹介している「谷中小学校放課後子供教室ブログ」も併せてご覧ください↓
・「高学年ビッグプロジェクト始動開始!!『シナリオプロジェクト』プログラム」
その他、キッズシナリオの模様も併せてご覧ください
■「@ 新渡戸文化小学校 デジタルクリエーションクラブ ①キャラクターの作り方」
■「@デジタルクリエーションクラブ/②目に見えない 気持ちを映像で表す」
■「@デジタルクリエーションクラブ/③ ロング バスト アップ を意識」
■「@デジタルクリエーションクラブ/④ デジタルを活かすためのアナログ」
※「シナリオ・センターでは、どんな授業や研修を実施しているんだろう?」というかたはこちらの記事「コミュニケーション力 を上げるシナリオ研修 事例まとめ」をご覧ください。