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代表 小林幸恵が毎日更新!
表参道シナリオ日記

シナリオ・センターの代表・小林幸恵が、出身ライターの活躍や業界動向から感じたことなど、2006年からほぼ毎日更新している日記です。

想いの出し方

長編シナリオ

描く

想い

シナリオ・センター代表の小林です。オリンピックが始まり、コロナは増加の一途です。
世界が待ち望んだオリンピックだからと言って、コロナが影を潜めるわけもなく、休日というのに東京のみならず日本中で若い人を中心にコロナは猛威を奮い始めています。
お上の希望的観測でコロナが言うことを聞いてくれるなら、こんな嬉しいことはありませんがそんなわけがないですよね。
オリンピックが始まれば、みんなが喜ぶと言われたりしていますが、それもどうでしょう。
アスリートの方々には罪はないし、コロナが世界中で猛威を奮わなければ、お祭り気分になれたでしょう。
が、医者にも診てもらえずに亡くなった方、手遅れになった方、重篤になられた方々のことを思うと、開会式ではしゃぐアスリート、日本の選手にはちょっと違和感を持ってしまいました。
アスリートの方々は、嬉しいと思うのです。それぞれの立場を思えば悪いことしているわけでもなんでもありません。
本当は、不幸にもコロナで逝った方々の事を胸に秘めての笑顔かもしれませんし、悩み抜いての参加であったかもしれません。
誰しも、常に他人のことを想って、考えているわけではありません。いつも自分より不幸な方のことばかり思って暮らしてはいないでしょう。
でも、でもです。やはり今は違うと思ってしまうのはおかしいでしょうか。
アスリートたちの活躍が嬉しくないわけではありません。
医療従事者の方などご苦労されていらっしゃる方々はもとより、普通の生活、入学式も卒業式も修学旅行も運動会も合唱祭も学芸会もできなかった子供たち、コンサートもお芝居も居酒屋での飲食や宴会もできない大人たち。
まず、普通の生活を取り戻してからでも遅くはない。
だったら、とびっきりの笑顔で応援できるのにと思います。

映画

カンヌ映画祭が2年ぶりに現地開催されて、話題を呼びました。
その中で、なんと日本作品が初めて脚本賞を受賞しました。脚本賞というのがとても嬉しいです。
日本作品初の脚本賞を受賞したのは、「ドライブ・マイ・カー」。
村上春樹さんの短編を原作に、濱口竜介監督と大江崇允さんの共同脚本です。
「カンヌ国際映画祭」(7/6~7/17)コンペティション部門において、日本初の脚本賞ほか、外部団体が選ぶ国際批評家連盟賞、エキュメニカル賞、AFCAE賞を受賞し、4冠に輝きました。
また「ベルリン国際映画祭」において審査員グランプリ(銀熊賞)も受賞されています。

お話は、舞台俳優であり、演出家の家福悠介は、脚本家の妻・音と満ち足りた日々を送っていたが、妻はある秘密を残したまま突然この世からいなくなってしまう。
2年後、演劇祭で演出を任されることになった家福は、広島へと向かう。
そこで出会ったのは、寡黙な専属ドライバーみさき。喪失感を抱えたまま生きる家福は、みさきと過ごすなか、それまで目を背けていたあることに気づかされていく…。

アメリカでは「悲しみと再生について描いた、深い感動の物語」
仏ルモンド紙は「魅力的なロードムービー。日本の監督は、喪の悲しみを背景に、主人公と運転手の間の沈黙と言葉の錬金術を探求している」と絶賛。
8月20日からの公開が楽しみです。

この映画は、VIPO(映画産業振興機構)が行っているJ-LOD補助金を受けており、こうした補助金をうまく使って、海外で才能を開花してくれる若手が増えてくるといいと思います。
コロナ禍で少しずつですが助成金が出るようになりました。
手続きは面倒ですが、こうしたものうまく使って(どうせ我々の税金ですから)、世界に発信できる映画作りができれば、素晴らしいと思います。

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