PR動画・ブランデッドムービー作りがもたらす効果
コロナ禍でも、人材の育成は欠かせません。さらに、単なる育成だけではなく、お互いにコミュニケーションを取り、チームワークを築いていくことも重要な要素になります。
その中でおススメしたいのが、PR動画作りを新人研修に組みこむことです。
その効果を検証する前に、まずはそもそもPR動画・ブランデッドムービーとは何かを調べてみます。
PR動画・ブランデッドムービーとは
近年では、PR動画と呼ばれたり、ブランデッドムービーと呼ばれたりしています。ブランデッドムービーと呼ばれるようになった背景には、企業における動画利用が単なる商品紹介にとどまらず、商品の開発秘話をドラマ仕立てにしたり、商品のコンセプトをドラマチックに表現したりすることから、一般的な呼び名になってきました。
経済産業省のサイトでは……『デジタル配信を念頭においたストーリー性のある映像』をひろくブランデッドムービーと呼んでいるようです。
PR動画作りは、何を考えるコトになるのか
PR動画作りというと、広告代理店や映像制作会社の仕事のような気がするのではないかと思います。
ですが、PR動画を作るうえで考えるコトを整理すると、新人研修としていかに効果的かわかるかと思います。
①PR動画を作るためには、自社の全体像を把握しなければならない
②PR動画を作るためには、自社のサービスを把握しなければならない
③PR動画を作るためには、自社の魅力を見つけなければならない
④PR動画を作るためには、自社のサービスの強みを見つけなければならない
⑤PR動画を作るためには、上記をお客様の視点で見つめなければならない
⑥PR動画を作るためには、上記の視点をもとに、お客様に伝わるように工夫しなければならない
つまり、
①②全体を把握し、
③④そこから魅力や強みを見つけ、
⑤⑥それを独りよがりにならず、伝わるように工夫する
これら①~⑥は、動画を作るうえでも必要ですが、職種に関わらず全社員が押さえておくべき部分です。それを能動的に考え、考えを深めるきっかけになるのがPR動画作り・ブランデッドムービー作りなのです!
研修のゴールイメージ
PR動画作りを新人研修に導入する場合のゴールは、動画を完成させることではありません。
上記の①~⑥を、参加者それぞれが考えることです。もちろん、最終的に動画化をしてもいいかもしれませんが、それは目的ではありません。
目的はあくまで、参加者それぞれが、自社と向き合い、お客様にどうしたら自社の魅力が伝わるかを考えるコトです。
では、そのような流れによって、考えるコトができるようになるのでしょうか。以下に、その方法を紹介していきます。
手順① 自社の強みを見つける
自社の強みを見つける方法は、SWOT分析などいくつかあります。
弊社が実施しているのは、そういう言った堅苦しい方法ではなく、「もしも小5の生意気な健太に、『その仕事、意味あんの?』と聞かれたら」という問答形式のシナリオを書いてもらいます。
その中で見えてくるのは、本音です。子ども相手に難しい言葉も使わずに話すことで、本音で自分なりの考えが出てきます。それを、グループ内で共有することで、さまざまな角度から自社についての考えを深めることができます。
手順② シナリオを作る
強みをグループ内で共有したら、次は、その強みをどう伝えるかをシナリオにしていきます。シナリオ自体はだれもが初めて作るものなので、経験の差も特にありません。
ちなみに、小・中学生でも実施しているので、大人でも無理なく作ることができます。
くり返しになりますが、目的は動画を作ることではありません。
自社の強みを見つけて、それをお客様にも伝わるようにするにはどうすればいいか、と考えを深めていくことです。
手順③ 絵コンテを作る
シナリオをもとに、絵コンテを作ります。絵心がないから作れないと心配する方もいますが、これまた子どもでも描けるのでそれほど心配する必要はありません。
絵コンテを作る目的は、自社について、サービスについて何も知らないお客様に、どんな映像(=イメージ)が伝われば、ファンになってもらえるかを考えるコトです。
シナリオと絵コンテを通して、自分たちの良さを独りよがりにならずに、お客様目線で考えるという発想の転換です。
手順④ 発表・共有する
手順①~③は、個人での作業とグループでの作業を組合せながら行われます。
手順① 自社の強みを見つける
は、まずは個人で取組み、それをグループで共有します。
手順② シナリオを作る
は、まずは個人で取組み、グループで共有します。
手順③ 絵コンテを作る
②で共有したシナリオから、グループで1作を選び、グループでワイワイいいながら絵コンテを作ります。時間に余裕がある場合は、絵コンテも個人で作成ののちグループで共有という流れも効果的です。
手順④ 発表・共有する
では、各グループが作った絵コンテを発表します。
さまざまな角度から作ったPR動画の絵コンテが完成します。グループの数だけ、いろいろな切り口で自社の魅力が切り取られます。
もっとも考えられていると感じるコンテンツを投票で決めたり、社長賞などを設けたりすると一体感がさらに深まります。
研修のすべてをオンラインでも実施可能
PR動画作りを使った研修は、オンラインでも実施が可能です。
オンラインでの実施を取り入れることで、テレワークの場合でも、支社が遠方にある場合でも参加できます。
オンラインの場合は、
・講義は、全員参加で実施
簡単なブレストなどは、チャットを使って対応
・個人のワークは、カメラをオフにした状態で作業に集中
・グループワークは、少人数のブレイクアウトセッションを作って実施
・アイデア出し、アイデア共有は、Google Jamboardを活用
・全体への発表は、共有画面などを活用
新入社員が考えとコミュニケーションを深める時間に
「自社についての考えを深めてもらいたい」
「どんな職種になろうともお客様を大切にしてほしい」
と願っても、なかなか効果的な打ち手はありません。講義で伝えても限界があります。であれば、PR動画作りを研修に取り入れることで、新入社員が自分で考えるきっかけを作ることができます。さらに、このようなクリエイティブな作業には、正解があるわけではありません。柔軟に物事を考えながら、フランクにコミュニケーションをとることができます。
そうすることで、お互いの考え方や人柄などを知ることができます。新人研修期間の序盤に取り入れることで、その後の研修効果も高まるのではないでしょうか。