民間と公
シナリオ・センター代表の小林です。やはり、大雨で災害が多発しています。
九州地方も、広島も大変というニュースがやたらに入ってきます。
各地で大雨災害が多発して、さすがに官邸連絡室を設置したとかですから、菅総理の「命を守ることが第一」を即刻実践して欲しいと思います。
災害で避難を強いられる方や、家を失くされたり、壊れたりする方も続出する中、8月末にはコロナ感染者はもっと増えるのではと言われていますし、果たしてパラリンピックはできるのでしょうか。
小説家の真山仁さんは「いつどこでやろうと五輪は観衆を熱狂させる。問題なのは、この時期に、東京で五輪を開催したことだ」とおっしゃっていますが、その通りだと思います。
まずは命を最優先にして欲しい、入院できずに亡くなることがないように、土砂に流されることがないように、つまらぬ政治生命など考えずに、そこだけをひたすらそこだけを見て欲しいと思います。
誰もが思ったことだと思います「余った弁当どうするの?」
4000食ものオリンピック廃棄弁当の話しを聞き、7月28日に子ども食堂などに配布してほしいと「みなと子ども食堂」が組織委員会にお願いしたのだそうです。
その回答がなんと閉会式前夜に「近々、担当者から回答」という回答ともいえない回答が来て・・・。13万食無駄になりました。
終わった後に回答、しかも回答にもなっていない・・・。本当にJOCのやり口は信じられません。
リオオリンピックでも貧困層に食事を提供していますし、全く想定外のことでもないわけで、ちょっと頭を使えばできることです。
しかも、「みなと子ども食堂」は、輸送の方法まできちんと考えて要望を出しているのですから、「はい、どうぞ」って一言言って動けばよかったと思うのですが。
その上、見苦しい言い訳ばかりで、ローソンやセイノーなど民間はすぐに手をあげてくれたのに、お上や上級国民と言われる方々は本当に仕事ができない。
困窮している人への想像力のカケラもない。
そんな心もなく、仕事もできない人が高給をとってふんぞり返っているのですから、国は滅びます。
今日もまた怒りがこみあげてくる13日の金曜日でした。
「DrivingDoctor黒咲」
どこの世界も、現場で必死に頑張る人と自分の出世だけで動いている人がいます。とても悲しいことに。
出身ライターの神尾龍さん漫画原作の「DrivingDoctor黒咲」(日本文芸社)、第4巻が出ました。
前にもご紹介しましたが、なんせシナリオも漫画もスピーディで、あっという間に黒咲の世界へと引き込まれていく漫画です。
救命救急センターで働く黒咲は、自らが傷病者の下に駆け付けるドクターカー事業に情熱を燃やしています。
黒咲と新人ナースの水樹舞のコンビで命の最前線へと向かいます。
1巻から3巻まで、医療のあり方、上と現場の確執、ライバルとの考え方の違いなど、事故、病気を背景に人間模様を描いてきましたが、今回は黒咲と、ライバル白河の心の闇に迫ります。
煽り運転を制裁する「DD(ダイティドライバーの略)狩り」にやられた運転手を救助に駆けつけるが、なぜか黒咲は得意の気管挿管ができない。
その理由が、黒咲の妻が煽り運転が原因で亡くなった故ということを知った舞は、ダーティドライバーを助けることに躊躇する黒咲の心の闇を知る。
「DD狩り」が黒咲と同じようにあおり運転で妻を殺された夫の仕業と知って、黒咲は・・・。
ライバル白河は、黒咲の義父でもある安斎に取り入りって、黒咲をつぶし、出世街道を突っ走ってたのだが、運転手が脳卒中を起こし安斎の車が事故に。
安斎の命も危ないと知って駆けつけるが、診てもらうのは安斎が嫌っているはずの黒咲がいいといわれて・・・。
黒咲、白河二人の心の闇の深さに愕然とさせられる、第4巻です。
ドクターカーは、現実に起動していて、そのお医者様である福本さんに、色々とお話しを聞き、しっかりと監修を受けているので臨場感は半端ないです。
そして、なにより神尾さんの得意とするところは、キャラクターの作り方のうまさ。
絶対に一面ではない、主人公もスーパードクターではないこと、登場人物一人一人のキャラクターが魅力的なこと。
それはすべての人間が悪も善の心も両方持っていることを知り尽くしているからだと思います。
なので、主人公のライバル白河も、娘を殺されたと思っている安斎もただの嫌な奴ではないのです。
だからこそ、この「DrivingDoctor黒咲」人気だったのですね。
この漫画は「週刊漫画ゴラク」に連載され、大人気の医療漫画で今後も続く予定でしたが、神尾さんがご体調を崩されたため、とりあえず第一部完結となりました。
すぐにも次のコミックが読みたいのに本当に残念なのですが、神尾さんのお身体が万全になって、また第一部に負けない展開を繰り広げていただけることを期待して待っていましょう。
早く良くなってくださいね。お大事に。