補聴器貸します
シナリオ・センター代表の小林です。友人が「わぁ~きた、きた!」大きな歓声つきでブルーインパレスの映像を送ってくれました。
いちばん見やすい場所にいるくせに、全く見ていない。
シナリオ・センターの斜め上くらいできれいにみえたとか、仲良しの宅急便のお兄さんが教えてくれましたが、誰一人見ていない。(笑)
なので、曇天の中きれいにカラーがみえている動画を、スタッフにみせたらやっぱり歓声上げちゃっていました。
なにもかもに反対しているわけではないのです。オリンピックだって、パラリンピックだって、アスリートの姿には感動しますし、応援もしています。
ブルーインパレスの飛行だってきれいだと思います。
ただ、すべてはこの一言「今なの?」。
ブルーインパレスを飛ばすお金で、オリパラ関係にかかるお金で、何人の方々が亡くならずにすんだのか、赤ちゃんは助けられたのではないか・・・と思うだけです。
それにしても、頭の中が、オリパラと総裁選と衆議院選挙しかないお上たちの耳に、どうしたらコロナに苦しむ人々の声が、医療従事者の方々の疲れ切った悲鳴が届くのでしょう。
日本中を蔓延させているコロナ、もう1年半以上続き、誰もが精神的にも肉体的にも金銭的にも疲弊しています。
「こんなに一生懸命、お上が私たちのためにやってくれているのだから」と思えたら、何が起ころうとずいぶんと精神的な支えになり、頑張る力が湧くであろうに、疑いと腹立ちばかりでは日本国民の心は死んでしまいます。
どうか、国民の声を、悲鳴を聴いて下さい!
お上に私の補聴器を貸してあげたいよ~。
定跡(定石)
土曜日の夜のみのシナリオ8週間講座なのに、先週開講の8月の講座、なんと100名を超える受講生の方がオンライン&通学で受講してくださいました。
コロナ禍でありながら、多くの方が講座へおいで下さるなんて素敵なことです。
それは、皆さん、声を上げたいから、表現したいからにほかなりません。大きく思いっきり表現してくださいね。
案外、創作の場で当たり前のようにやられていることがあります。
受講生に対して「そんなことを書いても仕方がない」とか「こういうものを描いた方がいい」とか言ったり、ひどい講師だと「そんなものはあなたに書けやしないよ」とか・・・。
一番やってはいけないことだと、私たちは思っています。
何を描きたいか(テーマ)は、これこそが創作の源、作者自身のものですから、そこをどうのこうのいうのは間違っています。
シナリオ・センターでは、描きたいものがあれば、それを「どう描くか」その技術をお教えするだけです。
シナリオの技術というのは伝えるための技術です。どうみせたら、どう言ったら、視聴者・観客に作者の想いが伝わるかです。
「技術だけでは感性は磨けない」とおっしゃる方もおいでですが、なんでもそうですが、例えば将棋、あの若き天才棋士と言われる藤井聡太王位、驚くような技を展開して、勝利を導きます。
その妙技はどうして生まれるかというと、将棋では定跡、碁では定石と言われるフォーマットがあります。
そのフォーマットを知っているからこそ、何十手先も読める、定石(定跡)を考えるよりどころにしているからです。
大先輩のジェームス三木さんが「ドラマを描いていて、詰まったときはペラペラとシナリオ基礎技術を読み返す」と話して下さったことがあります。
そう、シナリオ・センターでお教えする「シナリオの基礎技術」こそ、シナリオの定石だからです。
将棋や碁と同じで、シナリオの、映像の技術が発想のよりどころになるのです。
これからシナリオ、小説などを描きたい方は、まずしっかりと技術を身につけて欲しいです。感性はそこから磨かれるのですから。
「定石どおりというのは一見あまり創造的なイメージがなさそうにみえるが、実は定石の中にこそ知恵がつまっているのだ。
またそれをマスターした上でこそ、初めて創造的な妙技も生まれる。」と新井一は言っています。