日本
シナリオ・センター代表の小林です。コロナがちょっとおとなしくなってきているのは喜ばしい限りですが、大体21時半前後なのですが、帰り道で必ずと言っていいほど浮かれているグループを見かけます。
若い人だけでなく、サラリーマン風のおじさんたちや女性たちも。
医療従事者の方が一番怖がっているのは、長い間締めつけられてきた人間の鬱積が爆発すること。
「爆発だ!!」と岡本太郎さんのように創作に爆発してくれるのはいいですが、酔っぱらってコロナを爆発させるのは困りますものね。
保育園で慰安旅行に行ってクラスターというニュースもありましたから、まだまだ油断大敵です。
気をつけながら、少しずつ楽しみましょう。
子供のためのボランティア団体キワニスクラブで、認定NPO法人難民支援協会代表理事の石川えりさんのお話を聞いてきました。
難民数8240万人、日本が今年認定した難民は47名、待期期間平均4年4カ月、日本は何をどう考えているのだろうと思いました。今問題になっている入管でのスリランカ女性の死もつながっているのでしょう。
政府へ難民申請はもちろんしていますが、民間でできることはやればいいとおっしゃる国を頼っていない石川さんの腹のくくり方にびっくり。こういうやり方もあるのだと。
お金や食料などの寄付だけでなく、本60冊で「家がない難民に1泊の宿が手配できる」200冊で「一回分の通院費を支払える」など、不要になった本でも支援ができるそうです。
いろいろな寄付を考えていらっしゃることにも感心しました。
やれることをやるのは素晴らしいことですが、しかし公助に期待しない、できないというのは悲しいことです。
国連難民高等弁務官であられた緒方貞子さんは、天国でどんな気持ちでご覧になっているのでしょうか。
私たちの日本が、どんな国であって欲しいか、自身でしっかりと考えて、まずは31日の選挙でできる限り想像力を持っている人を探して探して投票しましょう。
新潮ミステリー大賞
元作家集団の京橋史織さんが「プリマヴェーラの企み」が、新潮ミステリー大賞を受賞されました。
おめでとうございます。
まだ小説は、小説新潮に冒頭部分だけが掲載されているだけなのですが、冒頭分だけ拝読しただけで引き込まれました。
うまい、実にすごい勢いで、このうねりからは逃れられないぞという気分になります。
選考委員の貴志祐介さんは「今回、この作品を最後に読んだのだが、たちまち眠気を吹き飛ばしてくれた。
とにかく文章がよく、人物造形も優れている。
特に前半に出てくる会議の緊迫感は、作家志望者にはお手本になるレベルで、裏があるだろうなと思いながらも、ジーンとさせられた。
その後も一切停滞することなく、最後まで一気読みさせてくれたので、今回はこの作品できまりだろうと確信することができた」
道尾秀介さん「心を込めて全体像を作り上げた後、読者の視点に合わせて徹底的にリライトされた形跡がある。
物語の核となるのは誘拐事件だが、クラウドファンディングで、日本中の人々から身代金を集めるというのは、理解しやすいうえに興奮を誘う設定だった。
そのほか守秘義務と戦う弁護士の葛藤や登場人物たちの関係性、思惑の絡み方なども面白く、きちんと読者に伝わるように書かれている。
僕としてはこの作品の終わらせ方がとても好きで、原稿を読みながら思わず拍手してしまったのだけれど、ほかの選考委員二人は正反対の意見だった。
これだから小説は面白い。」
湊かなえさん「読後これが受賞するなと確信しました。
文章もうまく、応募作として眺めたら、どこにも傷が見当たらない宝石のように輝く作品に見えます。
受賞後に同年齢で経歴が重なる部分があることを知りました。
ご活躍を心から期待しています」
お三方の審査員が、読んですぐに大賞になるだろうと思ったと書かれているほどです。
その選評を抜粋させていただきましたが、この選評だけで読みたくなってしまいませんか。
作家を目指すお仲間たちを大いに刺激してくれたに違いありませんし、これから出版される本作品を読まれたら、多くの読者が刺激され、京橋さんの世界へ連れていかれてしまうのではと思います。
一日も早く読んでみたい。ワクワクして待っています。
書き続ければ、結果はちゃんとついてくるのです。