職業観を身につけるキャリア授業の一環で、動画をつくる!
シナリオ・センターの新井です。
Gigaスクール構想が進んだことで、タブレットを手にした生徒さんたちが、自分たちで動画を作るという機会が増えてきたようです。
そして今回は、大田区立大森第三中学校でのキッズシナリオを実施しました。
題して、『事業所PR大作戦』!
『事業所PR大作戦』とは、中学2年生が、地域の事業所(花屋さんや美容院、精密機器工場など)をグループにわかれて取材し、取材内容をパワーポイントにまとめるだけではなく、PR動画をつくってしまおう!というものです。
そのために、
10月13日(水)PR動画の作り方講座@シナリオ・センター
10月14日(木)事業所への取材
10月15日(金)PR動画のプラッシュアップ@シナリオ・センター
という形で、2日間に渡って、大森第三中学校の生徒さんと一緒に、動画作りに臨みました。
その様子をレポートします。
「子どもたちが映画を作りたいと言っているので、お手伝いいただけないか」
「地域をテーマにPR動画を作りたいので、お手伝いいただけないか」
と、思っている先生方にも、参考にしていただけたらと思います。
=今回の概要==============
・サービス名:「PR動画作り!」
・目的:地域のPR動画を作る
・対象:大田区立大森第三中学校さま
・時間:90分×2回
キッズシナリオの詳細 https://sites.google.com/view/kids-scenariocenter/home
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▼さっそく、校門からお邪魔します▼
総勢166名にPR動画の作り方を一気に講義する
大森第三中学校は、5クラスあります。
5クラスにそれぞれ動画作りの講座をするのは、さすがに時間と体力、そしてマンパワー的にもきついものがあります。
そこで、「5クラス全員に講座ができないか?」ということで、体育館での講座を実施することになりました。
▼ここで、やります▼
気分は、ロックスター。
「アリーナー!って言いたくなります」
166名が一堂に集まると圧巻の光景が……
いままでキッズシナリオという形で、5000名くらいのお子さんたちに向けて実施してきましたが、体育館は初体験です。
プロジェクターとスクリーンを用意してもらい、後ろの生徒さんでも見やすいように、ipadを繋いでPR動画の作り方について、講義をします。
▼準備をする新井▼
時間になり、いよいよ生徒さんが集まってきます。なかなかの迫力です。
生徒さんの人数と、雰囲気に飲まれはじめる新井。
これだけ多くの生徒さんに、ちゃんと伝わる講義ができるものなのでしょうか?
まさか自分の人生において、中学生166名の前で話すことが機会が来るとは思わなかったので、心の準備ができていません。
始業のチャイムが鳴ると、一気に静かになる生徒さんたち。
そして、副校長から3日間の授業で何を学んでほしいのか、というお話がありました。
「大人たちがなんのために働いているのか、職業観について、きちんと学んでくるように。そして、それを動画という形で、PRできるように」
思わず、一緒に今回の講座をサポートしてくれている田中君に、
「田中君は、何のために働いているの?」と問いかけたら、「さぁ……むずかしいっすね」といわれました。
私たちは、何のために働いているのでしょうか。
中学生を前に、自らを問うことになりました。
講義がスタート!でも、重い空気
副校長先生のお話が終わり、新井にバトンが渡されます。
新井の想定では、中学生はそんなに真面目に話をきかないだろう、と思っていました。
後ろの方に座っている何名かは、やる気ない感じでだらしなく座っていたりするのかな、と。
しかし、今どきの中学生は違います。みんな、ちゃんと背筋伸ばして、こっちを見て話を聞く態勢が完璧です。完璧すぎで、ひるみます。
あまりにしっかりと聞いてくる雰囲気なので、むしろやりにくい。
授業の一環ではありますが、動画を作るということは、創造的なことですし、楽しいことです。楽しいことは、楽しい雰囲気の中でこそ生まれます。
なので、とりあえず、きっちりした状況を打開すべく、とりあえず、前の方にいる男の子に、新井が見ている光景を見てもらいます。
壇上にあがってもらい、
「どうこれ、やりにくいと思わない?」
というと、
「そうっすね」
と。
「だろ?ありがと。誰かにわかってもらいたくて。じゃ、戻っていいよ」
と戻ってもらったところで、ようさく生徒さんたちの表情がほぐれてきます。
「この時間は、そんなにかっちりしてないんだな」と、みんなの心に余裕がうまれてくれたら、成功です。
PR動画の作り方について、がっつり解説
少しばかり、生徒さんたちがほぐれたところで、いよいよ本題であるPR動画の作り方について、解説していきます。
基本的にお話しさせてもらったのは、YouTubeで実施した「書籍『改訂版 いきなり効果があがるPR動画の作り方』についてだいたい話しちゃう」という動画の内容です。
この内容を基に、中学生向けに言葉を少しかみ砕き、例となる動画を流します。あとは、今回の『事業所PR大作戦』において、ポイントとなる部分のお話をしていきます。
▼PR動画の作り方については、以下のリンクをご覧ください▼
書籍『改訂版 いきなり効果があがるPR動画の作り方』も、好評発売中です!
50分の講義のあと、10分弱の休憩をはさみます。
あまりにも、静かにきちんと聞いてくれているので、逆に不安になった新井は、田中くんに大丈夫かな?と確認。
休憩のあいまに、談笑する生徒さんたちの輪に勇気を出して入り込んで、「どう、わかった?」と聞くと、「はい!大丈夫です」との回答。少し安心する新井でした。
後半は、班で相談する時間も……
一方通行の話だけでは、なかなか集中力も続きませんし、生徒さんの中で理解が進まない部分もあります。
そこで、実際に事業所に取材にいく班に分かれて、自分たちがどの種類のPR動画を作りたいのか、相談してもらいます。
▼グループになって相談する生徒さんたち▼
PR動画のパターンは、大きく分けて4パターンしかありません。その4パターンの中で、自分たちがどのパターンにするのか、アンケートを取ってみると、企業理念を直接的に表現する『理念直接型』が一番多く手が上がりました。
最後に、2日目の取材のこころがまえを
自分たちがどのタイプの動画を作りたいのかが見えてくると、取材の際に何を聞いておくべきか、ということがわかってきます。
中学生といえども、PR動画を作るということは、自分たちの自己満足で終わってはいけません。
自分たちが作ったPR動画を観た方が、どう思ってくれるような動画になれば、取材に協力してくれた事業所の方は喜んでくれるのか、そこまで考えられるといいよね、という話をして1日目は終わりとなりました。
2日目の取材の成功を祝して……
大森第三中学校を後にした新井と田中は、コロナ禍ではできなかった久々の学校訪問の余韻に浸りながら、みんなの取材成功を願って、大森駅前にある神社に参拝をして帰りました。
当日のレジュメ(約100分)
・目的の確認
事業所の紹介動画をどうやったらうまく作れるか
キャリアの授業を成功させるために
・自己紹介
シナリオ・センターとは
・動画の種類
PR動画は4タイプしかない!
何を、だれに向けて作るかを整理する
ドラマにみる構成のポイント
・4タイプごとによる動画作りのポイント
商品直接型は、アンチとテーマ
商品間接型は、結の余韻
理念直接型は、承と結
理念間接型は、承の伏線
・制作する場合
事業所の方から話を聞く場合に、気をつけるポイント
事業所を撮影する場合に、気をつけるポイント
・まとめ
動画作りの落とし穴
動画を作ることの目的を再度確認
動画の作り方について、同じようなパターンで商工会議所の方々向けにも実施しています。