篁牛人
シナリオ・センター代表の小林です。ここのところ、土曜日に出勤することが多かったので、ちょっと遊びたくなって、昨日は代休を取りました。
久々に平日休みなので、ちょっと遠出をとも思っていたのですが、あいにくの雨。近間で楽しむことにしました。
前々から見てみたいと思っていた篁牛人の生誕120年記念展にいってみました。
会場は、ホテルオークラのオーナーが持つ日本初の私立美術館大倉集古館。
集古館自体も登録有形文化財になるほどすてきな昔ながら建築で、屋根には想像上の幻獣吻(ふん)、階段には獅子、天井には竜が彫られていて、その重厚さに圧倒されます。
その中での展示ですから、負けず劣らずの存在感があるものではないと負けてしまいそうです。
篁牛人は水墨画家ですが、水墨画で終わらないものを描いています。
水墨画というとスーッとしたたおやかなものを思いますが、牛人さんは違います。
渇筆という渇いた筆で刷り込むように墨を定着させる独特の技術をつかって、驚くような迫力ある画を描かれています。
美術団体にも属さない孤高の人だけあって、ちょっと視点が尋常じゃなく(私の視点ですが・・・(笑))、鬼子母神などのデフォルメが超半端ない、驚くような形態。ただただ圧倒されます。
亡くなるちょっと前に初めて世に知られた人だけあるってかんじでしょうか。
作家の目とよく言いますが、物事の見方、とらえ方は広い、かなわないと思いました。
創作に大事なのは、いや人としても、そこに見えるものだけではなく、その奥とか裏とかのみえないものを想像し、縦横無尽にあらゆる方向から見るということではないかと篁牛人に教えられた気がしました。
いい雨の一日でした。
少女夢幻論Ⅱ
11月24日(水)~28日(日)ドラマデザイン社公演「少女夢幻論Ⅱ」が新宿・サンモールスタジオで上演されます。
8話のひとり芝居オムニバスを出身ライターの富安美尋さんが脚本を書かれました。
富安さんは、ドラマデザイン社シナリオインキュベーションに選ばれ、ドラマデザイン社の山本さんのもとでプロを目指して実践的研修を受け、TBS「着飾る恋には理由があって」のスピンオフ「着飾らない恋には理由があって」(パラビ)7話を全部執筆されました。
新人が全部執筆できることは珍しく、実力のほどがしのばれます。
今回の「少女夢幻論Ⅱ」でも、10分ほどのオムニバス8本を全部執筆。
自分で自分の人生を弁論する「最終弁論」、父親が死んで幸せになった今、私には歌うものは何もない「病み上がり」、自分の本当の望みにたどり着いたおt期彼女は「点火」、リクルートスーツを着て風俗の面接に「ボタンを外すとき」、自殺志願の少女の前に天使だと名乗る女子高生が現れ「堕天、句読点」、挙式前に花婿に「男をやめてくださらない」とひとつだけ願いを「ハレ者/転嫁」、五味屋敷に暮らし少女に強制撤去が迫る「シャボン玉」、私の中には5人の私、あなたが愛したのは誰?「同担拒否」
ちょっとタイトルを拝見しただけでもそれぞれ特異な物語のようです。ワクワクしますね。
是非ともご覧ください。
ドラマデザイン社のシナリオインキュベーションは、2000年からシナリオ・センターとコラボし、毎年募集をしています。
シナリオ・センターで基礎を学び、力のある方がシナリオインキュベーションでチャンスをもらい、デビューできるようにと。
1期生は、現在放映の「最愛」の脚本家清水友佳子さん、「科捜研の女」の李正姫さん、アニメ「大正オトメ御伽噺」の福田裕子さん。
そして、徳永友一さん、荒井修子さん、水野宗徳さん、大北はるかさん、柿原優子さん、綿種アヤさん、小説家の柚木麻子さん等々多くの方がデビュー、現在大活躍しています。
来年も募集をしますので、やる気のある方、挑戦してください。