「へえ!」となるシーンを加える
ストーリーの先が読めてしまう映画やTVドラマって、どうですか?そんなの、つまんな~い! ですよね。
実は『海猿』という映画が、そうでした。映画を観始めて数分後に、だいたいのストーリーが読めてしまったのです。主人公と、この人物が対立して、もしかしたら、この人物は途中で死ぬんじゃないだろうか、みたいな感じで。
じゃあ『海猿』はつまらなかったかと言うと、全然そんなことはありませんでした。もちろん、先が読めてしまった時には、この映画を選んだのは失敗だったかなあと思いましたが、でも、すぐに引きこまれていきました。
予想したストーリーと違う展開があったから?いいえ、違います。ストーリーは予想通りの展開でした。引きこまれたのはシーンの面白さにです。
たとえば、こんなシーン。『海猿』は、海上保安庁の潜水士を養成する訓練校を舞台に、苛酷な訓練を受ける潜水士予備軍の男たちのドラマですが、訓練が始まってから1週間ぶりに外泊が許可された夜、訓練生たちは何とか女の子をナンパしようと必死ですが、ことごとくフラれ、結局、全員一緒に居酒屋で飲んでいます。
そこで伊藤英明さん演じる主人公・仙崎大輔と、海東健さん演じるライバルの三島優二が居酒屋でケンカになります。
「カッコつけてんじゃねえよ!」「カッコつけてんのはそっちだろ!」と睨み合った次のシーンで、二人はパンツ一丁になり居酒屋の活魚が泳ぐ生け簀にドボン!どちらが水の中で長く息を止めていられるかで勝負します。
結局、パンツの中に海老が入りこみ、息を吹き出してしまった主人公が負けるのですが、訓練中の潜水士予備軍ならではの、今まで観たことのないケンカのシーンです。
こういう思わず「へえ!」となるシーンがあると、たとえストーリーが読めてしまっても引きこまれます。
もちろんストーリーが読めてしまうよりは、どうなるんだろう? 主人公はどうするんだろう? と思わせる方がいいに決まってますが、それでも一つ一つのシーンがありきたりでは引きこまれません。
あなたの20枚シナリオにも、思わず「へえ!」となるシーンを加えてみて下さい。コツは、主人公のキャラクターならではの行動、特に職業や境遇などに特有の行動を考えてみることです。
定番メニューの代表選手カレーライスだって、その家ならではの具材を入れると、納豆カレー、ちくわとこんにゃくのおでんカレー、わかめカレー…といった魅惑の(?)新鮮メニューになるように。
というわけで今回は、わが家ならではスペシャルカレーの術!