子どもからお年寄りまで、すべての人にシナリオの力を!
あなたの毎日に役立つシナリオの活用例がここにあります。
シナリオ・センターの新井です。早いもので2013年の7月がやってきました。サザンオールスターズもデビュー35周年ということで、5年ぶりに復活。ますます夏を感じます。
夏と言えば、シナリオ・センターでは、鎌倉市川喜多映画記念館と一緒に、「子どもシナリオ教室」というワークショップを毎年、夏に実施しています。夏休みの2日間を使って、シナリオ作りから撮影まで体験します。シナリオを身近に、そして映画をより深く楽しんでもらえたらと思っています。
「子どもシナリオ教室」は、川喜多映画記念館と一緒にシナリオ・センターが、毎年夏に行っている活動です。昨年は、7月31日・8月1日の2日間で、小学4年生から6年生を対象に実施しました。2日間かけて、とにかく楽しんでシナリオを書いて、それを映画にします。そして、8月26日に、川喜多映画記念館の映像資料室で、みんなでできあがった作品を観ます。
シナリオを書いて、映画を撮る2日間で気をつけることは、いかに教えないかということです。もちろん、どう書くのかというシナリオの書き方、ポイントは教えます。ですが、子どもたちが、どう書こう、どう撮ろうとなった時に、「こう書いたら?こう撮ったら?」と教えたり、導いたりはしません。
ではどうするのかというと、「引き出す」ことを心がけます。教えることと何が違うのかというと、引き出すというのは、子ども達の中にある、まだ言葉や形になっていない部分に想いを馳せるということです。それが、出てくるまで待っているということです。
撮影が進むにつれて、最初はバラバラだった子どもたちが、妙に協力し始めます。サポート役の大人たちが、“助けてくれるわけではない”のだとわかると、子ども達は、子ども達のルールの中で、きちんと役割を全うし始めます。
もしも、大人の都合のいいタイミングでやらせようとしたら、子ども達はつまらなくなってしまって、やらされている感が満載になってしまうと思います。子どもの頃に、「宿題やったの?」と言われて気分が萎えましたよね?あれと一緒です。
彼らがいい作品を作りたいという欲求を、彼らのタイミングで出てくるまで待つことを心がけています。いい作品を作りたいという気持ちが、むくむくと大きくなると、自分の意見を通すことや、自分が目立つことといった、小さな自我はどこかへ消えてしまいます。これが、「子どもシナリオ教室」のポイントです。
いい作品が作りたいという気持ちが、子どもたちが持つ自我を消していきます。でも、それにはもう一つ理由があります。それは、一日目にシナリオを書いていること。
シナリオを書くと、様々な人物の気持ちになり、人物関係を俯瞰で見ることができるようになります。これが、撮影をする際にも活かされるのです。自分が我を通すことで、作品を一緒に作っている友達はどう思うのだろうか?と。そしてこの視点を獲得できることは、夏休みのかけがえのない経験になるはずです。
「相手のことを考えて、協力しましょう!」とは、学校でも会社でも、表現こそ違いますがよく言われます。ではどうすれば、“相手のことを考えて、協力する”ことはできるのでしょうか。『シナリオを書く』というのは、相手のことを考えて伝える技術とともに、伝えるために相手のことを考える視点を獲得できるのです。
「子どもシナリオ教室」は毎年、多くの小学生が応募してくれます。募集人数が18名のところ、毎年100名を優に超える応募には、川喜多映画記念館のスタッフの方々も嬉しい悲鳴をあげています。でも、逆に言えば抽選で多くのお子さんが参加できないとのこともあり、4回目を迎える今年は、少しやり方を変えて、より多くの子ども達に参加してもらえるようにしました!
募集対象:小学校4・5・6年生
Aコース:シナリオを書く体験をすることができます。
一日完結【8/1(木)10時~16時】:定員16名程度。
Bコース:シナリオを書いて、撮影まで体験することができます。
二日完結【8/1(木)10時~16時・8/2(金)12時半~17時】:定員20名程度。
8/31(土)には、Bコースの子ども達が作った映画の上映会を実施します。
※詳しいお問合せ、参加お申込については、鎌倉市川喜多映画記念館にお問合せください。>>詳しくはこちらから
今年も多くの子どもたちに、シナリオや映画のことを楽しみながら好きになってもらい、色々なことを体験する夏にしてほしいと思います。