お箸の持ち方
シナリオ・センター代表の小林です。土曜日にシナリオS1グランプリの受賞式を行いました。
受賞者の皆様、おめでとうございます。
先日書きましたように、なんとなんと受賞者全員リアル出席という、久々の対面で行えました。
コロナ禍で、オンライン授賞式が続いていただけに実際に受賞者の皆さんのお顔を拝見して、自分でもびっくりするほど感動してしました。
リアルに人と会うって、こんなに嬉しいんだなぁ、コロナという壁が、人と人の間をこれほど遮るとは思いもよりませんでした。
京都、大阪からもおいでいただきました。おふたりとも一般の方。
わざわざ遠方から足を運んでいただいて、シナリオ・センターの授賞式は楽しんでいただけたでしょうか。
コロナ前は、授賞式の後に祝賀会を豪華に(ホント?)、審査員とともにするのですが、コロナでそれもできず・・・。今回は、ホールの後ろ側での簡単な茶話会という形で審査員とのふれあいをお願いしました。
結婚式、葬式という研修科の課題があります。公式の場と私的の場、本音と建て前を描く課題です。
授賞式も同じで、式そのものは公、そのあとの祝賀会で私を出していただくことで、くだけたお話もできるし、人柄もわかり、それぞれにアドバイスやサポートができやすくなります。
同じ釜の飯とよくいいますが、不思議とご飯を一緒に食べると、なんか親しくなるのですよね。
あ、ここでは準グランプリ「CHOPSTICKS!」(月刊シナリオ教室12月号掲載)ではないので、お箸の持ち方はそれも個性ということで気にせず召し上がっていただきます。(笑)
一日も早く、ワイワイとおしゃべりしながら、美味しいものを食べられるようになりたいですね。
芽をだせ
シナリオS1授賞式では、シナリオ・センターのご近所さん「TORAYA AN STAND」で、あんことケーキの詰め合わせを「あんある生活」という虎屋の熨斗をつけて受賞者の皆さんのお土産にさせていだきました。
来年の干支寅年、創設者の新井一は五黄の寅年生まれ、大のあんこ好きということで「あん(案=アイデア)ある生活」にかけて選んだのです。
経営はいい加減なのに、こういうことばかり真剣に考える私です。(笑)
新井一は毎日あんこを食べながら、毎日シナリオの技術のことばかり考えていました。
一番悩ましく思っていたのは、シナリオの技術をわかりやすく誰にでも描けるように教えているのに、全員がプロにならないということでした。受講生全員がプロになることが新井の大望でした。
新井一がシナリオ・センターを創設したいと思った時、新井を取り巻く映画関係者の誰もが「無謀だ!シナリオは教えられないよ」と止めました。
何故なら、創作は「感性から」生まれるものだからです。
ですが、新井は「技術をしっかりと身につければ、そこから感性は生まれる」と得意の「アベコベ」発想で、シナリオ・センターを創設しました。
確かに見事に多くの出身ライターを輩出し、今やテレビ・配信など、出身ライターのどなたかの作品を放映していない日はありません。
ですが、ですがです。でも、全員がプロになっていない。
新井は、今も天国で毎日あんこを食べ、誰もがプロになるためにシナリオ技術づくりと格闘しているでしょう。
私たちの頭に、心に、その技術のなんたるかが届くように。
なんとしても、全員プロにしなければと思います。
シナリオの技術は、まず書き方からは始めます。
シナリオは、映像を文章で書くのです。
今まで通りの文章表現でいいわけがありません。
だから、書き方をうるさく、うるさく、うるさく言います。
「創作だから自由でいいじゃん。」許しません。
創作として世に問うのであれば、人に伝わらなくてはいけないからです。
シナリオの技術は伝える技術、これをきちんとできて、初めてプロになれるのです。
来年、壬寅(みずのえのとら)年は、420年に一度の芽吹きの年です。
芽を伸ばしましょう。花を咲かせるためには、シナリオの技術に肥しをやり続けてください。