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小学生が動画を作るときの進め方/事前に“段取り”を決める

小学生が動画を作るときの進め方/事前に“段取り”を決める

シナリオ・センターでは、小学校や中学校など教育団体へ“出前授業”を行う「キッズシナリオ」を実施。ショートムービーやPR動画を作りたい子どもたちに、シナリオの書き方やカメラワークなどをご紹介しています。

キッズシナリオ実施後も、「何かあればお気軽にご相談ください!」と先生方にお伝えしています。

こちらのブログで広報・齋藤がレポートするのはまさにこの「キッズシナリオのその後」。以前キッズシナリオを実施した横浜市立 牛久保小学校6年生の皆さん(※1)。どうやら今、何か困っていることがあるようです。

「それは大変だ!」ということで早速、前回担当したシナリオ・センターの田中と、今回は新井も加わり、オンラインで皆さんの現状確認&お悩み解決することに。

「動画制作のことで生徒に相談される度に困る。相談相手がほしい……」とお困りの先生方、参考にしてみてください!

=今回の概要==============
・サービス名:「ショートムービーをつくろう!」
・目的:ショートムービー作り
・対象:横浜市立 牛久保小学校
・時間:90分×2回
キッズシナリオの詳細 https://sites.google.com/view/kids-scenariocenter/home
====================

「撮影時間がすごくかかっている」というお悩みを解決

*

横浜市立 牛久保小学校6年生の皆さんは、学校を舞台にした青春モノのショートムービー(尺は40分~1時間を想定)を作っています。事前に担任の権正先生とお話ししたところ、半分くらい撮り終わっているけど、撮影に随分時間がかかっている、とのことでした。

改めて、生徒さんに状況を聞いてみると――

〇皆さん:半分撮るまでにすごい時間がかかって……。残りのもう半分を撮るのに、また同じくらい時間がかかっちゃうと、仕上げの予定日ギリギリになっちゃうかもしれなくて……。

〇新井:そっかそっか、「やばい……」って感じなんだね。前回、田中くんがちゃんとキッズシナリオをやらなかったからだな!みんなが困っているじゃないか!!田中、どういうことだ!!!

――凍りつく画面の中の皆さん……。

〇新井:あ、うそうそ(笑)。

――皆さん撮影のことで相当お悩みのようなので、まずは新井が場を温めます。

〇新井:では、気を取り直して。撮影では特にどんなことに時間がかかっていますか?

〇皆さん:役者チームがセリフを覚える時間です。役者チームが17人、スタッフチームが10人いて、撮影する前にみんなで「打ち合わせ」をするのですが、セリフを覚える作業に時間をとられてしまって、撮影時間が少なくなっています……。

〇田中:なるほど、「撮影現場で打ち合わせ」をしているんですね。それから、絵コンテは書いていますか?

〇皆さん:あ、いえ……。シナリオをもとに撮っています。

〇新井:そうなんだね。はい、大丈夫!解決法、見つかりました。

〇皆さん:え!

〇新井:その、かかっている時間をキュッと短縮できる方法があります。ポイントは、“撮影現場”では「事前に考えたこと」をやるだけ。撮影現場に行くまでに“教室”で準備しておくんです。そうしておけば、もし撮影現場で何か問題が起きても、「ちょっと調整する」というくらいで済みます。

〇皆さん:事前の準備?

〇田中:そうです。つまり、「撮影現場で打ち合わせはしない」ということ。

〇皆さん:え?

〇新井:まず先にざっくりと、効率のいい進め方をお伝えしますね。それがこちら。

■前半:“教室で”やること
・スタッフチームと役者チームに分かれる。
・スタッフチームは絵コンテを描く。
・役者チームは読み合わせ。

■後半:“撮影現場で”やること
・教室で準備したことをやるだけ。

〇新井:では、解説していきます!スタッフチームと役者チームには分かれて、同じ時間で別々のことをします。これは“教室で”やってください。まず、スタッフチームがやることは絵コンテ。

〇田中:前回のキッズシナリオでやったみたいに絵コンテを描いてください(※1)。例えば、「シナリオ何ページのココからココまでは一気にカメラを回して撮るから、まずはこのシーンの分を絵コンテにしよう!」とかね。こういう向きでこんな風に撮る、というのを、棒人間とか簡単な絵で構わないので描いてみる。

〇新井:で、スタッフチームが絵コンテを描いている同じ時間に、役者チームは“教室で”セリフを覚えればいい。シナリオの読み合わせです。「本読み」っていいます。役者チームみんなで座りながらでいいからシナリオを読みあう。

「本読み」が終わったら、今度は立って動きを付けながらシナリオを読む「立ち稽古」。立ち稽古は、セリフを言うだけじゃなくて、表情や動きも工夫してください。つまり、撮影現場に入ったときにすぐ演技できるように、どんなふうに演じるかをイメージしておくんです。

こうやって大体の“演技プラン”を決めておいて、撮影現場に行ったら、スタッフチームと演技の動きを最終確認するだけ。現場に入る前にイメージを作っておけば、時間はかかりません。

〇田中:こうやって同じ時間に、スタッフチームはどう撮るか考えて、役者チームはセリフを覚えると、いっぺんにできちゃうんですよ!

――皆さん、ちょっとホッとしています。

役者チームの「読み合わせ」は段階を踏んで

*

すると、権正先生からこんなご質問が。

〇権正先生:「読み合わせ」は、役者チームがみんなで集まって最初から最後まで読むのでしょうか?

〇新井:読み合わせもダラダラやらないで段階を踏んだほうがいいですよ!特に、座って行う「本読み」は、3つの段階を意識しながら進めてください。それがこちら。

①自分が出るシーン&自分のセリフ以外のところも「なぜこのシーンでこのセリフを言うのか」を考える。

②自分が演じる登場人物のキャラクターのことを考える。この役はどんな人物なのか。なんでこういうときに、こういうセリフを言うのか。なんでこういうことをするのか。

③「自分はこんな感じで演じる」というイメージをしながらシナリオを読む。

――役者チームの皆さん、メモメモ。

〇新井:例えば、シナリオ何ページのココからココまでを3回読みます、と。1回目は①を、2回目は②を、3回目は③のことを意識しながら読んでいきます。で、役者チーム内で「①はOK?」「②はどう?」「③はできた?」と、段階ごとに確認しながらやっていくとセリフも段々と覚えていきます。で、これが出来たら、本読みでやったのと同じところを、立ち稽古でやればいい。

〇皆さん:ああ!

〇田中:だから予め、スタッフチームの絵コンテも、役者チームの読み合わせも、「この日はシナリオのココからココまでをやる」と“締切”を決めておいたほうがいいかもしれません。

〇新井:そう考えると、事前に全体的なスケジュールを考えておいたほうがいいですよ。撮影したら終わりじゃないですからね。編集の作業やそのほかの準備のこともありますから。それを全部逆算してスケジュールを組んでください。そのスケジュール作りもダラダラとやらないで、「この日のこの時間に終わらせる!」と決めてやってみてください。

〇皆さん:分かりました!すぐ決めます!

*     *     *

先生も生徒の皆さんも、少しホッとできたのではないかなと思います。

いざ撮影を始めてみると、いろいろなことが起きるものです。そんなとき、相談できる人がいると心強いですよね。新井と田中はいつでも準備OKです!ショートムービーの完成を楽しみにしています!

※1 前回の模様はこちらで
▼@牛久保小学校 シナリオは映画作りの基本

※「どんなペースで動画制作を進めていけばいいの?」というかたはこちらの記事も。
▼みんなで映画を作るには /カリタス小学校6年生の映画作り

いろいろな学校で実施しているキッズシナリオの模様はこちらから

小・中学校への出前授業 キッズシナリオ 2021年9月以降の予定(2021.9.4時点)

・横浜市立 本町小学校4年生3組
総合的な学習の時間 事例の参考に/シナリオを書いて映像を撮る

■新渡戸文化小学校 デジタルクリエーションクラブ
新渡戸文化小学校で、キッズシナリオプロジェクト開始!

新渡戸文化小学校 デジタルクリエーションクラブ/①キャラクターの作り方

新渡戸文化小学校 デジタルクリエーションクラブ/②目に見えない 気持ちを映像で表す

新渡戸文化小学校 デジタルクリエーションクラブ/③ ロング バスト アップ を意識

■谷中小学校 放課後子供教室
谷中小学校 放課後子供教室 /小学5・6年生も夢中になる物語作り

谷中小学校 放課後子供教室/ 絵が苦手でも映像は撮れる

※「谷中小学校放課後子供教室ブログ」でもご紹介いただいております。こちらからご覧ください。
高学年ビッグプロジェクト始動開始!!『シナリオプロジェクト』プログラム

シナリオプロジェクト★動画づくり編

シナリオ×動画プロジェクト

高学年向けシナリオプロジェクト☆最終回

■シナリオ・センターで実施しているキッズシナリオクラス「考える部屋」
やりたいことが明確な子どもたちが集結!『考える部屋』開講

『考える部屋』エピソード3 キャラクターを描ききれ!

観客・視聴者・読者が 「おもしろい!」と思うシーンを考える『考える部屋Ep6』 

『考える部屋』EP12 中間発表会/「物語を書くのが好き!」な子どものチカラ

※その他、研修の模様は「コミュニケーション力 を上げるシナリオ研修 事例まとめ」をご覧ください。

シナリオ・センターとは

シナリオ・センターは、1970年創立。優秀なシナリオライター・脚本家、プロデューサー、ディレクターの養成を目的に創設以来、700名以上の脚本家や小説家が誕生しています。

2010年から「日本中の人にシナリオを書いてもらいたい」という思いから、小中学校への出前授業として『キッズシナリオ』プロジェクトを開始。創作を楽しみながら、想像力と表現力が身つくカリキュラムを提供しています。

※キッズシナリオの活動をアシストくださる方、随時募集中

シナリオ・センターが小学校・中学校で実施しているキッズシナリオの活動を後押ししてくれるアシストの方々(個人・法人)を募集中しています。手弁当で実施しているので、アシストしてもらえるととても助かります!

ご興味のある方は、こちらをご覧ください。
>>https://www.scenario.co.jp/project/kids_assist/index.html 

シナリオ・センターでは、小学校や中学校など教育団体への出前授業を実施しています。オンラインでも実施可能です。「こんなことを子どもたちに伝えてほしい…」というお悩みがあれば、お気軽にお問い合わせください。

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過去記事一覧

  • 表参道シナリオ日記
  • シナリオTIPS
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