抵抗
シナリオ・センター代表の小林です。まいりましたね、東京感染者1万4086人。全国で7万人超えました。
で、2年間の経験、6波ともなれば、右往左往せずに速やかに検査を受けられる、治療を受けられる、ワクチン接種できるかというとそういうわけではありません。
毎回同じことの繰り返し、で、こちらも同じ文句を言う、だけど、どう足掻いても同じことになる、変わらぬ対応に、疲れはててしまいます。
これって、DVと同じなのだそうです。
DVって、殴られたり蹴られたり、罵声を浴びたりを繰り返され、尊厳を傷つけまくられると、諦めしかなくなり、抵抗することができなくなるのだそうです。
沖縄の辺野古問題もまさにDV現象に県民がなっているといわれています。
選挙に勝って県知事がNOといっても、県民投票で70%が反対しても、辺野古は埋められ続けている、全くやめる気配がない、止まらない・・・何をしても何を言っても無駄と諦め初めているという分析があります。
それはそうですよね、辺野古だけではない、第二次世界大戦の時から、傷つけられて踏みにじられてきて、返還されても本土は何も助けない、ずーーっとこのありさまですから。
相手は、馬の耳に念仏、のれんの腕押し、糠に釘・・・まったく他人の話を聞かずに変わらない。これは巧妙な作戦なのだそうです。
今のコロナの対応も、まさに同じ。
そこから起こる貧困や教育、経済格差も、変わらない。いや、変えないのです。
自分のことは自分で守るしかないとみんなが思うように。
どうせ何を言っても何をやっても無駄だと諦めて抵抗しなくなるように。
なにしろ自助推奨の国ですから。
だからこそ、どんな形でも、私たちは「国のための民ではなく、民のための国」だということを、声を挙げていかなくてはいけないのだと思います。
国をあげてのDVに抵抗しましょう。諦めない。伊藤詩織さんのように、赤城雅子さんのように。
そのためには表現力を、しっかりと鍛えていきたいと思っています。
貫通行動
コンクールで落選する作品の多くは、ドラマがないといわれます。
え、ドラマを描いているよと思われますが、どうしてか物語のあらすじしか書いていないことが多いのです。
ドラマが面白くなるかならないかは、面白い設定だけではなく、人物の貫通行動があるかないかです。
貫通行動というとすごいことのように思えますが、その人物が持つ目的のことです。
その人物に貫通行動があって、反対の障害があるからこそドラマになるのです。
ドラマのシーンを描く時、例えば「桃太郎」。
おばあさんが川で洗濯をしていると大きな桃がドンブラコドンブラコと流れてきます。
おばあさんは、桃を拾って家に持って帰ります。
でもね、それじゃあ、ただのあらすじです。どんな映像が浮かびますか。
ドラマはどのシーンも魅力的でなければなりません。
どうすれば魅力的なシーンになるかというと、おばあさんはどうしてもこの大きな桃を持って帰りたい=目的、そう貫通行動です。
で、それを邪魔するものがあること、障害です。
拾おうとすると、桃は反対の方へ流れてしまう、裾をからげてジャブジャブ川に入って追いかけると手が届いたと思うとスルッとまた流れていってしまう、戻ってきたかと思うとまたスルッと、やっとの思いで桃を捕まえたら転んでしまう、とか。映像が浮かびませんか?
コンクールに挑戦してよく言われたりしませんか。「話はできているがドラマがない。」って。
ドラマがないというのは、障害がないと「桃が欲しいという欲望」(目的)が明瞭になりません。
桃が欲しいというのが貫通行動です。桃が逃げるのが障害(抵抗)です。貫通行動に抵抗するのです。それがドラマです。
人生も一緒ですね。
明日は、144期シナリオ作養成講座の開講です。
受講生の方はシナリオライターになりたい、これが目的。
ところが、ネタが浮かばない、うまく描けない、コンクールに落選する、家族からそんなことは無駄だからやめろと言われる・・・etcetcたくさんの障害。抵抗はいっぱいでてきます。
人生はドラマですから。(笑)
でもです。新井一は言います。
「貫通行動があって、反対の障害があり、その解決のアイデアがある。それを構成する」
そう、アイデアで解決すればいいのです。
あなたのドラマをこれからどう作るか、貫通行動をどう成就させるか、楽しみです。