「これだ!」と思える“やりたいこと”を見つけたいかたへ
「舞台のシナリオを見たとき“これだ!こっちの道だ!”と思ったんです」(出身ライター 田嶋久子さん)
会社員だった田嶋さんは、この瞬間が大きなキッカケとなり、シナリオライターへの道を歩むことに。
シナリオ・センター大阪校でシナリオの書き方を学び、1998年日本テレビ主催「新人シナリオ登竜門」で優秀賞を受賞後、30歳で上京。デビュー後もプロットライターや脚本協力等の下積み6年を経て、テレビドラマでは『OLヴィジュアル系セカンドシーズン』『新・部長刑事 アーバンポリス24』『燃えろ!!ロボコン』などの脚本を執筆。
加えて、『ちびまる子ちゃん』『あたしンち』『新 あたしンち』『ご姉妹物語』『新 忍者ハットリくん』など、国民的アニメーションの脚本もたくさん担当されています。
「これだ!と思える“やりたいこと”を見つけたい」というかたは多いのではないでしょうか?もしかしたら田嶋さんのように、あなたの“これ”も“シナリオ”かもしれませんよ。こちらのブログでは、田嶋さんにお聞きした「シナリオ・センターに入ったキッカケ」「もしアナタがシナリオ・センターに入ったら」をご紹介いたしますので参考にしてください。
すでにシナリオ・センターでお学びいただいているかたも「もしアナタがシナリオ・センターに入ったら」の章は必読です。自分の作品を“けちょんけちょん”に言われたときや、シナリオが書けないときの対処法として取り入れてみてください。
なお、『月刊シナリオ教室 2022年3月号』の不定期連載企画「先輩のオ・シ・ゴ・ト」では、田嶋流 シナリオの書き方や考え方を掲載していますので、こちらも併せてご覧ください。
シナリオ・センターに入ったキッカケ/
いろいろなシナリオ学校に手紙を送って
〇田嶋さん:小学生のときから演劇をやっていて、大学時代も劇団に入っていました。でもプロの役者としてやっていくのはとても無理だと思ったので会社員に。旅行会社の企画課に入社しました。
バブルで景気が良かったので、けっこう自由に海外ツアーを作っていたんです。「こういう食事をつけて、こういう遊びを入れて」とか、お客さまに喜んでもらえるような演出を考えるのが面白かったんですけど、バブルがはじけてからは、“とにかく安くてシンプルなツアー”が求められるようになって。仕事が急に楽しくなくなっちゃったんです。
ちょうどその頃、「大阪シナリオ学校」というスクールの講座で、テキストとして配られた舞台のシナリオを見たときに「これだ!こっちの道だ!」って思ったんです。
私は器用なほうではないので、会社勤めをしながらでは書けないだろうから、書くことに専念しようと思って、すごい思い切って会社を辞めました。このまま会社にいても不満が残る。でも会社を辞めたら生活が不安。不満か不安か、どっちをとるか悩んで不安を選びました。でも、他の人にはオススメできません(笑)。
“シナリオライターになれたらいいな” じゃなくて “なる”。「シナリオライターにならないと私は宿なしの人生になる……」と思ったから、「もうこれはなるしかない!」って、夢じゃなく目標に据えました。
それから、いろいろなシナリオの学校に手紙を送ったんですよ。「どういう授業をやっているんですか」「プロになれますかね」みたいな内容だったと思います。唯一、返事をくださったのがシナリオ・センター大阪校の故・倉田先生でした。
すごく丁寧なお手紙で「それだけ熱い想いがあるんだったら、あなたは必ずプロになれるから是非いらっしゃい」って。それでシナリオ・センター大阪校に入りました。
もしアナタがシナリオ・センターに入ったら/
けちょんけちょんに言われたときや書けないときは
〇田嶋さん:シナリオ・センターのゼミでは、自分が書いてきた課題(20枚シナリオ)を発表します。ときにはゼミ仲間から、けちょんけちょんに言われることもあります。自分の人間性まで全否定されたような気持ちになっちゃうと思うんですけど、“自分が書きたいもの”は変えなくていいんですよ。
問題なのは、自分の書きたいことが人に伝わるように書けていない、ということだから。もし、けちょんけちょんに言われたら、「あ、伝わってないな。じゃあ、伝わるようにどう書き換えたらいいかな」と考えればいい。こうやって考えると落ち込まずに済みますよ。これ、最近私、やっと気づいたの(笑)。
また、「課題が書けない」と悩むこともあるかと思います。そんなときは、日常で起こったあれこれ、イヤなことさえネタにして書けばいい。
だから、「なんでこんな踏んだり蹴ったりな目にあうの?」「自分、幸せじゃない……」と世の中 生きづらさを感じている人は、それをネタに書けば、もしかしたらすごい面白い作品ができて、それが採用されて原稿料をいただいて……みたいな “笑える人生”を歩めるかもしれませんよ。
「シナリオを書くときのヒントになれば」/
『月刊シナリオ教室 2022年4月号』から連載コラムを開始
〇田嶋さん:ネタの見つけ方はいろいろあって、私はテレビを観ているときも、本を読んでいるときも、電車に乗っているときも、24時間ずっと「これ、ネタにならないかな」と考えています。
すでにシナリオを書いているかたも、これからシナリオを勉強してみようかなというかたも、「ネタはどこから見つけるの?」というのは気になるところだと思います。
そういったことへの“ヒント”にしていただけるような連載コラムを『月刊シナリオ教室 2022年4月号』からスタートします。ベースとなる内容は、脚本に参加して今年で18年目となるアニメ『ちびまる子ちゃん』の執筆エピソードです。
これまで200本近く『ちびまる子ちゃん』のシナリオを書いてきました。すべてオリジナルストーリーです。「200本近くも、どうやって私はオリジナルストーリーを考えたんだろう?」と自分でも驚いてしまうのですが(笑)、そのときのことを思い出しながらコラムを書いています。
皆さんのお役に立てたら嬉しいです!ぜひご覧くださいね。
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※これまで取材させていただいた“先輩”の様々なオシゴトはも併せてご覧ください。
▼「脚本技術を活かした仕事とは/インタビュー記事一覧」
- 「創作のスイッチをつねに、オンにしてください」
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