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代表 小林幸恵が毎日更新!
表参道シナリオ日記

シナリオ・センターの代表・小林幸恵が、出身ライターの活躍や業界動向から感じたことなど、2006年からほぼ毎日更新している日記です。

いいものはいい

花束 森治美を偲んで

三千円の使いかた

シナリオ・センター代表の小林です。寒い。ここのところ寒さが厳しくなっていますね。
各地で大雪もひどく、今週は関東地方も大雪にという予報が出ています。
蔓延防止措置も、どうやら延長になりそうです。
何度も言いますが、なにをどう宣言してもいいけれど、声だけでなく、形として、困ってしまう人たちに措置をしていただきたいです。
精神論では乗り切れない、ただ身も心も懐も寒くなるばかり、人は霞を食べて生きていません。しかももう2年・・・。

朝刊を読んでいたら、全3段の黄色と赤というやけに目立つ書籍広告がありました。
「今日から使える知識と節約術が満載!幸せになるお金の使い方教えます」
どんなノウハウ本かと思ったら、出身作家の原田ひ香さんの小説「三千円の使いかた」の広告でした。
各書店で第1位という人気で中公文庫から文庫ででています。
「読めばお金が貯まる」と話題の小説という惹句にびっくりしながら、4年前に読んだ内容を思い出しました。
御厨家という家族のお話なのです。美帆、真帆の姉妹、その母、その祖母と家族それぞれのお金への想いが、それぞれの人生が・・・。
めちゃくちゃシンパシーを感じる小説なのですが、お金が貯まるかどうかは確かではありませんが(笑)、それぞれのお金に対する向き合い方が勉強になることは確かです。
で、夕刊の耕論に原田ひ香さんがいインフレのお話でインタビューでされていて「人の金銭感覚というものは家庭や成長環境、世代によって大きく左右される」と。
そうか、お上が庶民の生活がわからないということは、このせいかもしれませんね。
まだ、お読みでない方は、あ、お上のみなさんも、文庫化された「三千円の使いかた」是非ともお読みください。
「人は三千円の使いかたで人生が決まるのよ」
お金への、社会への視点が変わります。

森治美

昨日は、出身ライターで毎年オーディオドラマ講座の講師をやってくれていた森治美の6回目の命日でした。
存命だった頃の森治美は、マイクはいらないと豪語するほどの元気な大きな声で、洒脱で辛辣な講義を展開していました。
聞くものの心をつかみ取るような、森が尊敬する新井一によく似た講義でした。
毎年欠かさず命日にお花をくださる森治美のかっての生徒さんがいらっしゃいます。
きっと瞼に、耳の底に森治美の講義が残ってくださっているのでしょう。嬉しいことです。
今年もきれいなお花を持ってきてくださいました。ありがとうございます。

私は、森治美とは彼女がまだゼミ生だった頃からの付き合いで、2017年2月6日、最期をみとるまで続きました。
モデルもやっていたくらいの170センチの高身長の森治美と150センチのチビの私と「のっぽとチビ」のでこぼこコンビでしたが、やけに相性がよかったのです。
シナリオ・センターへ電話をしてくるときは、必ず「のっぽの森でーす」と。
そんな付き合いだったからでしょうか、森治美はシナリオ・センターに著作権を遺してくれました。

森治美が書いたオーディオドラマの本「ドラマ脚本の書き方」(新水社刊)があります。
映像ドラマとオーディオドラマのそれぞれの書き方、技術を書いています。
あえて、映像ドラマとオーディオドラマの「どう描くか」を対比させることで、その違いがより明確になるという意図のもとに作られました。
とてもわかりやすく、明快な内容でした。
ラジオドラマの書き方、技術書というのはほとんどないこともあって、いまだにこの本を求めてくださる方が多くいらっしゃいます。
その後森から引き継いでラジオドラマ講座を受け持ってくれている講師の安藤も教科書として使っています。
ところが、出版元が倒産して絶版となってしまい、数十冊はセンターでとりおいていたものの、いよいよなくなってしまいました。
そこで、皆さんの期待に応えて、復刊しようと思いたちました。
森治美の命日に「治美ちゃん、復刊するよ、みんなが欲しがっているからね」と報告したので、今年中には復刊しようと思っています。
森治美の想いをラジオドラマを愛する方々へ繋いでいけることは、とても幸せなことです。
ラジオドラマを描きたい方、楽しみにお待ちいただけたら嬉しいです。

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