マンボウ解除
シナリオ・センター代表の小林です。昨夜、久々に大きな地震が起きて、びっくりしましたが、皆様はご安全に過ごされたでしょうか。
お見舞い申し上げます。
草加に住んでいる友人から、停電と断水で大変とLINEが。
懐中電灯をつけようと思ったら電池の液漏れで使えず、災害リュックから電池を探すも見当たらず、普段の備えをちゃんとしないといけないと実感したので、しっかりやっておきなさいと忠告してくれました。
前田編集長は、缶に入った災害用パンを5年経ってあけたら、発酵が進み過ぎたのか、酸っぱくってスゴイにおいで食べられなかったと。
確かに、我が家も避難用リュックは作ってあるのですが、「何年前にいれた?」もう覚えていません。確かめてみないといけませんね。
なんで喉元過ぎると熱さ忘れちゃうんでしょう。常に備えを怠りなくしていないといけませんね。
皆様、どうぞご安全に。
3月21日までで、まん延防止重点措置が全面解除と鳴るという正式発表がありました。
シナリオ・センターは、4月から通常の授業体制にします。
3月も残り一週間です。3月いっぱいはこのままでお願いいたします。
全面解除といっても、東京だけでも毎日20人前後の方が亡くなられています。
救急搬送体制も完全になったわけでもなく、ただ解除するだけ大丈夫なのでしょうか。
この2年、それぞれが自分自身で身を守らないと生きていけないことを実感しています。
皆様も決して油断することなく、桜にくれぐれも浮かれないようにいたしましょう。
本
コロナ禍になってから、心に優しいもの、暖かくなるものを好むようになっている気がします。
コロナのみならず、ウクライナ侵攻、地震と重れば、重い気持ちになってしまいますよね。
こんな時、まさに神様のご指図なのでしょうか、大ベストセラーの「三千円の使いかた」「ランチ酒」の作家原田ひ香さんの新刊本が出ました。
「古本食堂」(角川春樹事務所刊)
神田の古本屋街、神保町で小さな古書店を営んでいた滋郎さんが、独身のまま急逝します。
北海道に住んでいた妹の珊瑚さんが、上京してお店を継ぐことに。
東京に住む国文科の大学院生の美希喜は、父方の大叔父の滋郎さんが大好きで、滋郎さんの元に通っていたので、大叔母の珊瑚さんを手伝うことになります。
この珊瑚さんと美希喜さんの2人を中心に、素敵な本と人と美味しい食べ物との出会いえをとーっても憎い作り方で、読ませてくれます。
各話のタイトルを見るだけで、憎いと思いませんか。ゼッタイ読みたくなりますよね。
第一話「お弁当づくり ハッと驚く秘訣集」小林カツ代著と三百年前のお寿司
第二話「極限の民族」本田勝一著と日本一のビーフカレー
第三話「十七歳の地図」橋口譲二著と揚げたてピロシキ
第四話「お伽草子」とあつあつカレーパン
第五話「馬車が買いたい!」鹿島茂著と池波正太郎が愛した焼きそば
最終話「輝く日の宮」丸谷才一著と文豪たちが愛したビール
ね、本と食べ物、そして登場人物たちがどういう風に交わっているのか、わかります?
さっぱりわからないでしょう。(笑)だけど、開けて(読んで)びっくり玉手箱です。
ここに出てくる本、古本ですから、読んだことのない方も多いかと思います。
でも、各話で、問題を抱えていたお客さんが、この本のおかげでちょっといい人生になるんです。
そして、もちろんW主人公の珊瑚と美希喜の生き方が少しずつ着実に変化していくのです。最終章は涙、涙です。
どういったらいいのかわからないほど、この本の構成は凝っています。
なんていうんだろう、珊瑚と美希喜が交互に一人称で進めていくんです。そして、登場しないのに、独身で一人で急逝した滋郎さんの生き方が謎を呼び・・・。
登場人物のひとりひとりのキャラクターが濃い、本の中身を知ることでちょっと教養もついちゃうし、神田の美味しいものもお店も知ることができるし、何より心にあったか~い!!
久々に、新井一がこよなく愛していた神保町の古本屋街に、忘れてしまった古い本たちに出会いたくなりました。
もちろん、美味しいお店で、買った本を読むというお楽しみ付きで。
それにしても、原田ひ香さん、よく本を読んでいらっしゃる、国文学に造詣が深い。もちろん食べもの愛もすごい。
創作をするには、教養と知性を持つことが必要なんだと、勉強不足を恥じながら、あったか~いひ香ワールドに浸ってしまいました。
一読、お勧めです。
そして、この中にでてくる本も一読お勧めです。あ、もちろん初版本でなくていいです。