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シナリオ・センター

代表 小林幸恵が毎日更新!
表参道シナリオ日記

シナリオ・センターの代表・小林幸恵が、出身ライターの活躍や業界動向から感じたことなど、2006年からほぼ毎日更新している日記です。

できること

桜風景

卒業

シナリオ・センター代表の小林です。感染者がまた増えてきています。桜に浮かれているとちょっと危ないかもしれませんね。表参道も、春休みのせいか結構な人出です。
上海では一部ロックダウンとか、日本もワクチン以外打つ手もなくの解除ですから、おさおさ注意は怠らずに、せめてマスク、手洗い、体温測定は徹底したいです。
4月からシナリオ・センターも通常授業になりますが、お互いに気を付けて安全に過ごしたいものです。

3月は卒業式シーズン。大学の卒業式では多くの学長がロシアのウクライナ侵攻に言及しているというニュースをみました。
ホームページ、FacebookやTwitterで、全国各地の大学が反戦宣言を出していますから、卒業式でもメッセージを出されるのは当然かと思います。
理不尽な軍事侵攻、それを対岸の火事とせずに、きちんと考えて寄り添える人間になってほしいとそれぞれの大学の学長が、それぞれの言葉で卒業生にメッセージを送っています。
早稲田大学では、ウクライナ出身の留学生の心細さと「どのようにみられているか」気にするロシアからの留学生の不安についても言及して、それぞれの立場に置かれた人々を思いやって接する「しなやかな感性」を大切にするように話されたそうです。
東大の学長は、「大学が学術の実践を通じて、こうした非常時が強いる様々な不幸からの脱却にいかに貢献できるか」と問い、広島大学の学長は、核兵器使用をほのめかすロシアに怒りをあらわにしながら「戦禍に巻き込まれた人たちの心に寄り添い、平和のために自分はなにができるかを考えて行動してほしい」と語られました。

今は世界中が、ちゃんと他人に想いを馳せ、何をすべきかしっかりと自分の考えを持たなければいけない時代です。
想像力は、他人(ひと)を想う心と寂聴さんはおっしゃっていました。
自分で想い、考え、そしてそれを伝える技術を、シナリオ・センターはしっかりとお伝えしていかねばと、新たな思いに駆られています。

シナリオの技術

この春は、出身ライターの皆さんの著書がたくさんでて、順次読ませていただいているのですが、やっぱりシナリオの技術ってすごいなと改めて感じています。
小説を読んで、シナリオの技術のすごさを感じるって、おかしいとお思いになるかもしれませんが、シナリオの技術は伝える技術ですから、どんな媒体でも有用なのです。
何故、年齢を決めなくてはいけないのか、20代とか50代とか漠然としていてもいいじゃないかと基礎科の通信生からのご質問がありました。
漠然としていても、ドラマにさほど関係ないのではないかと思われたようです。
50代でも、50歳、55歳、59歳では、考え方や気持ちも違います。とすれば、おのずとキャラクターが違ってきます。
古い例で恐縮ですが、1994年に放映された名作「29歳のクリスマス」(鎌田敏夫脚本)、30歳を前にした29歳だからこその揺れ動く主人公たちの気持ちがドラマになって、大ヒットになりました。これが23歳だったら、ドラマはまた違ってきますよね。
とても素朴な質問だったのですが、年齢がキャラクターのひとつを形成するということは、ドラマにとって大事なポイントでもあります。
ま、とても単純な例ですけれど、こういうところをしっかりとわかっているからキャラクターがしっかりとできる。だから、出身ライターの方が小説を書かれても、シナリオを描かれてもうまいのです。
この人だから言うセリフ、この人だからする行動、キャラクターがストーリーを動かしていくのです。
今読ませていただいているのは、シナリオライターとして活躍されていらっしゃる大林利江子さんの小説「副音声」。
函館港イルミナシ音映画祭シナリオ大賞グランプリを受賞されたシナリオの小説化したものです。
今週中には読み終わりますので、近々ご紹介できるかと思います。
昨日ご紹介した京橋史織さんの「午前0時の身代金」といい、出身ライターの方々の小説は読みごたえがあり、ご紹介するのも嬉しい作品ばかりです。
随時ご紹介させていただくので、楽しんで読むだけでなく、ちょっとシナリオを学んだ方の小説ということを気にかけて読まれると勉強になるかと思います。

過去記事一覧

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