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代表 小林幸恵が毎日更新!
表参道シナリオ日記

シナリオ・センターの代表・小林幸恵が、出身ライターの活躍や業界動向から感じたことなど、2006年からほぼ毎日更新している日記です。

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1回目のトップシーン発表会

不安定

3月も終わります。なんだかんだとうっとおしいことばかりの3月でした。
2月24日のウクライナ侵攻からどんどん戦況は悪化し、核を使うかもなんて脅かすし、東北にまた大きな地震はくるし、福島原発は危ないし、北朝鮮はミサイル飛ばすし、コロナはまた増えるし、年金は減らされるし、教科書はごまかすし・・・。
明日から4月、さあ、明るい方向へ動きましょう。それっきゃない。
泣いても笑っても一緒の人生なら笑って過ごせとよく言われますけれど、本当にそう思います。
でもね、泣くのはダメだけど、笑ってばかりではなくて、怒ることは怒る、嫌なことは嫌といわないとね。
なんでも「いいや、いいや」で終わらせない、「仕方ない」で終わらせないことも大事です。
私たちは、ちゃんと自分の気持ちや考えを伝えていかないと、お上にいいようにされてしまいます。
新井一のシナリオいろはかるたでは、「人物は不安定なほどよい」と言っているけれど、日常はそこまでドラマチックでない方がいいので(笑)。

トップシーン

4月は、新しいことの始まり、出発にふさわしい、これから暖かくなって、どんどん脱いで、身軽になるからかもしれませんが、「はじめの一歩」は大事です。
ドラマでも、トップシーンは大事です。
今週の土曜日は、「トップシーン脚本大賞2022」の発表会があります。
応募作品は、優に1000本を超えたそうです。どんなトップシーンが出てくるか楽しみですね。

新井一は、出だしには、張り手型と撫ぜ型があるといっていました。
張り手型はご存じのように、視聴者・観客がガツンとなるような衝撃的な出方を言います。
撫ぜ型はいきなり驚かすのではなく、順序良く説明する方法です。
たぶん、トップシーンだけ集めたら、張り手型の方が票が入りそうな気がします。
トップシーン、起で一番大事なのは、天地人をはっきりさせること。いつの時代、どこで、どんな人たちのドラマなのかです。
そして、次の展開が期待できること。
最近、ドラマでも小説でも、トップシーンのいいものが多くなっているのに、なぜか展開が薄くなっているようなドラマが多く見受けられます。
私は、連ドラ第1話は、出身ライターのみならず、ほぼすべて拝見します(配信までは届かないのですが・・・残念)。
その時、来週楽しみと思ったら、連続してみますが、うーん?と思ったら、見なくなってしまいます。
申し訳ないですが、出身ライターの方々のドラマだけでもたくさんあるので、チョイスしないと身が持たないものですから。(笑)
で、どこでチョイス、選択するかというと、展開に期待できるかできないかなのです。
期待できないのは、設定は面白いのだけれど、設定に乗っかりすぎてしまって、人間が描けていないからのような気がします。
最初から、登場人物のキャラクターをきっちり作り上げていないと、設定に負けて、ご都合の良い人間を、人間関係を描いてしまいます。
設定が面白いと、それで十分面白くできるので、ついついそれでいいと思ってしまうのでしょう。でも、それではいけません。
特に主人公は、表に出さなくても背景・事情をしっかり作っておく必要があります。唯一設定に負けない方法です。
ドラマにしても小説にしても設定の面白さに、プロデューサーも編集者も惹かれます。
直近でご紹介した小説でいうと、京橋史織さんの「午前0時の身代金」は身代金をクラウドファンディングで集めるという、大林利江子さんの「副音声」は視覚障がい者の副音声という設定が肝です。
主人公、登場人物のキャラクターがきちんと描かれているので、設定に負けない、ラストまで一気に読ませてしまう作品になっているのです。

4月期、出身ライターの新しいドラマが始まります。
第一話のトップシーン研究してみてください。その後見続けたいと思えるかどうかは、登場人物にかかってきます。
映画やドラマを見る、小説を読む時も、ちょっと意識していると、トップシーンに何が必要なのか、わかってくると思います。
4月2日、トップシーン脚本大賞、是非とも見てください。

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