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代表 小林幸恵が毎日更新!
表参道シナリオ日記

シナリオ・センターの代表・小林幸恵が、出身ライターの活躍や業界動向から感じたことなど、2006年からほぼ毎日更新している日記です。

世の中

東京小夜曲~昭和の幕がおりるとき~(劇団青春座公演)

S1

シナリオ・センター代表の小林です。梅雨みたいな天気です。しかも記録的な大雨になるとか、九州地方の方々、特に気をつけてくださいね。

シナリオS1グランプリの最終審査員のお三方と座談会をしました。
その内容は月刊シナリオ教室に掲載されますが、シナリオS1グランプリは、他のシナリオコンクールと一線を画しているといっても過言ではないかと思います。それは審査員の熱意から生まれてもいるのですが、審査の視点が端的に言うと「きちんと力があるかどうか」の1点で見ているからです。
シナリオ・センターは、映像の技術=伝える技術を徹底的に教えるところです。
力とはなにか、視聴者観客に感動してもらうための技術です。
技術が身についているから、土橋章宏さんや蛭田直美さんなど受賞された多く出身ライターが活躍しているのです。
私は、シナリオS1グランプリをコンクール以上のものにしたいと考えています。
もっと「ああしたい、こうしたい」ことがたくさん出てきました。
技術をきちんと身につけ、己の力にできる手助けになるようにシナリオS1グランプリも進化させていきたいと思っています。
8月締め切りで募集が開始されます。応募してくださいね。

ウクライナはどうなるのでしょうか。
ロシアの外相は第三次世界大戦になるかもみたいな発言もするし、脅かしとは思いながらも、世界中右翼化している昨今、なにが起きてもおかしくない気もしてくるし、本当に梅雨よりうっとおしい毎日です。
戦争にはどんな大義も正義もありません。自分の一方的な想いだけを伝えようとしても通じません。
アクションにはリアクションがあることを忘れずに、お互いを理解してほしいものです。

東京小夜曲

昨日、出身ライターの葉月けめこさんが5月に上演するお芝居のチラシと台本をもっておいでくださいました。
葉月さんは、作詞家として、ライターとして、ラジオドラマ、テレビドラマ、お芝居と大活躍をされています。北九州文化大使でもあります。
2016年に北九州の老舗市民劇団青春座さんで「若戸大橋物語」を描かれてから、昨日お持ちいただいた「東京小夜曲~昭和の幕がおりるとき~」で4作目となります。
コロナのために上演が延び延びだったのですが、ようやく上演の運びとなりました。
ですが、私は今、この時期に上演となったことに神の意志を感じてしまいます。

コーラスグループ「星屑ファミリー」の代表田村るり子は昭和12年生まれの82歳。戦災孤児。
栄養不良で盲目になりながら「歌は楽しむもの。日々の怒りや悲しみを超えて生きる喜びを伝えること」をモットーにたくさんの仲間に支えられて今日まで生きてきた。
令和の時代が幕明けたある日、伊藤ケンタが殺された。同じ戦災孤児であった。
伊藤ケンタがおなかに包丁を突き刺されたままひとり死んでいく幕開けから始まります。

この後の展開はお芝居をご覧下さいというところですが、葉月さんは昭和の名曲にのせながら戦争の悲惨さを描きます。
戦争は、殺し合っている、戦っている時だけが悲惨なだけでなく、親兄弟身内を失い、戦争孤児になった子どもたちは、大人になっても生涯戦争を引きずって生きていくのです。
生き残ってきた人々も、みな大きな心の傷を負い続けたまま生きているのです。
そのことに戦争を知らない私たちは、想いを馳せなければと思います。
現実のウクライナを見るにつけ、そこに暮らす子供たち、母親たちが、葉月さんが描くこのお芝居と同じ境遇になっていくことを想い、辛いです。
ですが、戦争の悲惨さを知らないままだと私たちはまた過ちを起こします。
今このお芝居が上演されること青春座さんの良心を感じます。

劇団青春座240回公演「東京小夜曲 昭和の幕がおりるとき」
5月28日(土)13:30/18:30 29日(日)13:30
北九州芸術劇場 中劇場 チケットは093-562-2655

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