舞台脚本コンクール&対策講座
「舞台の台本(戯曲)を書いてみたい!」という方、シナリオ・センターが主催する「舞台脚本コンクール2022」に是非ご応募ください。グランプリは劇団青年座で舞台化し、青年座動画工房にて配信される予定。また受賞作は「月刊シナリオ教室」に掲載されます。
>>「シナリオ・センター 舞台脚本コンクール2022 応募要項」
また、コンクール突破を目指す対策講座も実施。最終審査員でもある劇団青年座の川上英四郎プロデューサーに、本コンクールを突破する作品のポイントや上演したい作品の決め手などお話いただきます。
>>「シナリオ・センター 舞台脚本コンクール対策講座2022」
こちらのブログでは、前々回の「舞台脚本コンクール2020」にて、『春のとまりを知る人ぞなき』で準グランプリを、前回の「舞台脚本コンクール2021」にて、『じいちゃんの店仕舞い』でグランプリを受賞された、茉莉花さん(作家集団)のコメントをご紹介します。
茉莉花さんには、以下3点、
①自分の作品が上演されたことで変化したこと
②戯曲を書くときに気をつけていること
③戯曲を書くにあたって自分なりに勉強していること
――をお聞きしました。茉莉花さんのコメントはとても刺激になると思います。ぜひ参考にしてください。
受賞作『春のとまりを知る人ぞなき』のシナリオは「月刊シナリオ教室2020年10月号」に、『じいちゃんの店仕舞い』は「月刊シナリオ教室2021年11月号」に掲載されています。
加えて、同2作品のリーディング公演の模様が青年座動画工房で公開されていますのでご覧ください。
▼リーディング公演『春のとまりを知る人ぞなき』
▼リーディング公演『じいちゃんの店仕舞い』
改めて演劇は総合芸術なのだと実感
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――受賞された2作品はともに朗読劇として上演され、現在、青年座動画工房で公開されています。自分のシナリオがカタチになったという経験によって何か感じたことや変化したことはありましたか?
〇茉莉花さん:2本とも通常の芝居を前提として書いたものでしたが、朗読劇としての上演になりましたので、1本目は演出家さんの指示により手直ししての上演、2本目は手直しなしでそのまま朗読上演という形となりました。
どちらも舞台セットや人物像のイメージがありましたが、実際に役者さんが台詞を言っているのを見て、よくも悪くも自分の意図しなかったところが多々あり、改めて演劇は総合芸術なのだと実感しました。
それからは、自作の解説をしなくとも理解できるよう書かなければいけないと思い、役者や演出家から違った解釈をされぬよう意識してト書や台詞を書くようになりました。
――戯曲は、例えば場面転換やセリフなどにおいて、映像シナリオを書くときとは少し異なるところがあるかと思います。戯曲を書くとき、特にどんなことに気をつけていますか?
〇茉莉花さん:私は、プロットと一緒にラフな舞台図面を描き、役者の出捌け(ではけ=登場と退場)や動線を意識して書いています。
劇作家の斎藤憐さんは、著書『劇作は愉し―名作戯曲に作劇を学ぶ』の「人物をどう描くか」というところで、人物の出捌けの重要性を述べています。人物の特徴を見せるためのカギは出捌けで、出捌けは人物を描き分けていくポイントだと。
動線については、舞台は映像のようにズーム機能もなければ、説明映像もありません。映像での“カメラワーク”は、舞台では観客の“眼”になりますので、私は、映像シナリオよりも人物の動線や動作を意識して書いている気がします。
――戯曲を書くために、「勉強」として何かやられていることはありますか?「こういう本を読んだ」「こういうことを練習としてやっている」などございましたら是非教えてください。
〇茉莉花さん:最初は戯曲の本を手あたり次第に読んで戯曲の書き方を探りました。戯曲のト書は映像シナリオと違って、長く書く方もいるし、簡潔に書く方もいます。
自分の劇団に書き下ろす劇作家さん、演出もやる劇作家さん、それぞれ立場によって書き方も違いますので、色々読んで自分にすーっと入ってくる書き方や内容(=好み)を探り、自分のスタイルを決めて書くようになりました。
練習という訳ではないのですが、舞台を見る時は 転換のタイミングや役者の出捌けのときの意図を考えてみたり、観劇した芝居の戯曲を、舞台を思い出しながら読んだり、今は好みの劇作家さんの本(ハロルド・ピンター、サミュエル・ベケット 、ウージェーヌ・イヨネスコなど)を読んでいます。
直近では最近発見された未発表の遠藤周作さんの戯曲『善人たち』を読みました。色々な作品に触れることで刺激を受けています。
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今回ご紹介した茉莉花さんの勉強法、ぜひ取り入れてみてください。
なお、「戯曲について学びたい」「具体的な書き方を知りたい」という方は、毎年3月頃に「シナリオの技術で書く戯曲講座」を実施しております。開講時期が決まりましたら公式サイトで告知いたしますので、チェックしていただければと思います。
https://www.scenario.co.jp/general/advance/
※「舞台脚本コンクール」については、こちらの代表・小林のブログも参考にしてください。
▼「前へ」
▼「表現」
- シナリオは、だれでもうまくなれます
「基礎さえしっかりしていれば、いま書いているライターぐらいには到達することは可能です」と、シナリオ・センター創設者の新井一は言っています。
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