名前だし
シナリオ・センター代表の小林です。週初めですから、暑いけれどきれいな夏空だし、やっと初夏だなぁって感じに機嫌よく、ちょっとルンルンで出社しました。な、の、に・・・。
デスクの上には、週末からの郵便物が山盛り状態。一つひとつ見ながら、手が止まりました。試写状です。
「お、どなたの映画?」とはがきを見たら、まあ、あまりの字の小ささにびっくり。ラインが敷いてあるのかと思ったくらい。
俳優さんはちゃんと読めるのですが、脚本家の名前は、虫眼鏡、拡大鏡で見てもよく読めず、スタッフに読んでもらったのですが、若い目の良いスタッフも、拡大鏡でやっとでした。
もう、おわかりですね。私が機嫌悪くなっちゃった理由。
なんで、脚本家をないがしろにするのだ!!です。
「シナリオありき」と、どなたもおっしゃるのに、その割には脚本家の待遇は悪いのです。
せめて、作品に名前をきちんと出して欲しい。
テレビや映画のホームページ、マスコミの紹介でも、脚本家の名前が出ていないことが多いです。
原作者、プロデューサー、監督だけなんてことはしばしば。
脚本家の名前を必ず出していただきたいです。
たいして、難しいことではないと思うのですが・・・。
アベコベ
通信の方から電話で質問をお受けしました。
「アベコベ」とはなにかというご質問だったのです。
通信基礎科の最終課題のヒントに、「アベコベを考える」と1行書いています。
新井も人が悪い。「卒業」という課題のヒントに、しかも最終課題のヒントにひとこと「アベコベを考える」と書いてあるのです。
「え~、どういうこと?」って思わせるのが手だったのでしょうか。(笑)
実は、シナリオ・センターの教え方そのものが、「アベコベ」。
業界的にも、「なぜ?」といわれることが多いです。
シナリオを描く時の順番って、まず、企画書、プロットを作って、それからシナリオを描きます。
だったら、その順番で教えれば効率的ではないかと思われるでしょうが、一番最初にシナリオの書き方から教える。
新井は言います。「シナリオ・センターは、魅力的なドラマが描けるシナリオライター、脚本家を育てているのです」と。
そのためのやりかたなのです。
シナリオライターにとって、何が一番大事でしょう。
面白いストーリー?奇抜な設定?こういうものは、プロデューサーでも考えられます。(失礼!)
で、シナリオライター、脚本家は、面白いストーリー、奇抜な設定などをどうするのでしょう?
そう、映像として見せる、映像で伝えるのです。
だとしたら、一番大事なものはなーに?
そう、シーン。
シーンが魅力的に描ければ、視聴者、観客は引き込まれるのです。
シーンの積み重さなってできるのがシナリオです。
だから、シナリオ・センターは、まずシナリオの技術を教える。企画書やプロットの書き方を覚えるのはそれからでも遅くはありません。
誰もが忘れられないような、語り草になるようなシーンが描けたら最高、魅力的なシナリオを描ければ、頭に映像が浮かんでいるのですから、おのずとインパクトのある企画書、プロットが描けるようになるに決まっていますものね。
だから、シナリオ力をつければおのずと企画書・プロットもうまく描けるのです。
ストーリーは23通りしかない。であれば、魅せるシーンを作らなくちゃいけない。
だから、シナリオ・センターから、たくさんのプロが生まれて、皆さんが活躍していらっしゃるのです。
シナリオ・センター流アベコベ勉強法です。
既成概念を取り外して、アベコベ発想を!
腹立ちまぎれに、自慢してみました。(笑)