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代表 小林幸恵が毎日更新!
表参道シナリオ日記

シナリオ・センターの代表・小林幸恵が、出身ライターの活躍や業界動向から感じたことなど、2006年からほぼ毎日更新している日記です。

今も昔も

逆転~シェイクスピア四大悲劇~

シナリオ・センター代表の小林です。ちょっと肌寒い陽気ですが、毎日の値上げの報は、懐だけでなく身も心も寒くしますね。
私が学生の頃、驚きとともに初めて食べたパイの店アンナミラーズが最後の1店高輪店を8月で閉めるのだそうです。
1973年、1号店アンナミラーズが青山にできた時、クリームパイとの初めての出会い、アメリカそのものという感じの可愛いユニホームに感動しまくったものでした。(笑)
タピオカミルクだとかポップコーンなどに比べると、よく50年も頑張っていたものだと思います。
流行り廃りは世の習いですが、世の中の動きも急速に変化しきている昨今です。
それにしても、どうなるのでしょうか。このままアベノミクスから始まった金融緩和を続けていくとどうなるのでしょうか。
今や一党独裁の日本ですが、腐ったミカンを取り除かないと社会全体が腐っていくことに気がついて、大鉈を振るえる人が党のどこかにいると信じたい、一人もいないってことないですよね。
OECDで日本だけが賃金も年金も下がり続けている、その上物価だけは上がり続けている事実を国民一人一人が知って、国民の生活をちゃんとみて、聞いてくれる人は誰なのかを見極めないといけないですね。
少なくとも他人の意見を聞けるように、色々な意見が出るように、一党独裁だけは止めて欲しいと思います。
北朝鮮や香港やロシアにならないように。
いつかきた道には知らないためにも。武器に抑止力などは持ってはいないのですから。

逆転~シェイクスピア四大悲劇~

人の心は欲にまみれ、猜疑心に陥るとろくでもないことになります。
今の世の中はそんな感じもしますが、シェイクスピアはそんな人間の弱さを描いたのですね。

出身の時代小説家 野口卓さんがシェイクスピアの四大悲劇を全く新しい解釈と視点で描かれました。
「逆転 シェイクスピア四大悲劇」(実業之日本社刊)

この本を読むのに、ちょっと手間取りました。
なぜかというとシェイクスピア四大悲劇「オセロ」「マクベス」「ハムレット」「リア王」の原本(といっても邦訳ですが)をもう一度さらっとではありますが読み返してみたのです。
何度も色々な方がおやりになる四大悲劇を観劇はしてきました。
でも、お芝居は演出や役者の方々の読み取り方で変わってくるので、それを思い出すだけでは、野口さんのこの本の意図は読み取れないのではないかと思ったからです。
いや、深い。
「オセロ」はオセロをはめたイヤーゴの女房の視点で、「マクベス」はマクベスを悲劇に持っていく魔女の視点で、「リア王」は長女ゴネリルの夫オールバニの視点で、「ハムレット」はまったく変えて現代でお芝居を作っていく話で、野口さんは新たなシェイクスピアを描きました。
野口さんの「逆転」を読ませていただいて、人間の業、欲というものの計り知れなさを今まで以上に感じました。

四大悲劇は、すべて人の諫言(魔女も人?)というか言葉に翻弄されて起こるのですが、他人の諫言や言葉に騙されるというのは、騙される人自身の心の問題でもあるのですね。
それがとても浮き彫りにされたと思いました。
物語を創りたい方は、是非読んで欲しいです。
主人公を誰にするかだけでもお話は変わっていく・・・作者の視点というものが、物事の捉え方が、どれだけ魅力的な作品を創り上げるのか、よくわかります。
さまざまな知識や教養は、決して無駄にはなりません。
文化・芸術は社会と密接な関りがあります。
あらゆるものにアンテナを張り巡らして、見聞きし、自分の視点を創り上げていきましょう。

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