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代表 小林幸恵が毎日更新!
表参道シナリオ日記

シナリオ・センターの代表・小林幸恵が、出身ライターの活躍や業界動向から感じたことなど、2006年からほぼ毎日更新している日記です。

考えよう

映画「島守の塔」

1票が2票に

シナリオ・センター代表の小林です。今日は七夕です。どこかで織姫彦星の二人は会えているのでしょうか。幸せな夜を演出してあげたいなぁ。
東京コロナ感染者、またまた増え始め8500人を越えました。
1万人超えるのはすぐとか言われていますが、第7波(?)、まさか医療崩壊なんてことはありませんよね。この3年でちゃんと学んでいますよね、ゼッタイにお国も都も。

10日日曜日は参議院選挙投票日です。
世の中が低迷している中の選挙、皆さん、ちゃんと投票に行きましょう。
自分の声を届けましょう。
「どうせ、自分の1票では何も変わらない」と思われる方はたくさんいらっしゃると思います。
確かに「どうせ」なのです。昨今の世の中は特に。
貧富の差は広がるばかりで、政治家やオリンピック組織委員会など等お上周辺は、どんなに使途不明金を出しても問われず、コンビニでおにぎり1個万引きした老人は捕まる、そんな不公平な世の中です。
「どうせ」と思っていたら、そこで思考は停止します。
あなたの頭であなたの心で考え、想い、伝えましょう。

私は、恥ずかしいことに、政治にも選挙にも疎く、初めて知ったのですが、参議院選挙の比例代表は全国区の非拘束名簿式で、政党名か個人名で投票することができるのだそうです。
政党名ではなく個人名での投票は、所属する政党の票にカウントされ、政党が獲得した議席数に従って、比例候補者の中で個人名での得票数が多い順に当選者が決まります。
つまり、参院選比例へ個人名で投票すると、政党への投票と人への投票で、一票に2つの役割をもたせることができるのです。
初めて知りました。比例にも個人名を書き、選挙区で1票、比例で2票、3票分投票しようと思います。
一人3票分を有効に使ってみませんか。

島守の塔

7月22日、柏田道夫さんと五十嵐匠監督の出身ライターコンビで創られた映画「島守の塔」が公開されます。
第二次世界大戦の末期、長期にわたる日本国内唯一の地上戦のあった沖縄を舞台に、戦中最後の沖縄県知事島田叡と知事ともに職務を全うしようとした警察部長荒井退造が、軍の命令に従いながらも苦悩し、県民の命を守り抜こうとします。命の尊さ、沖縄の悲劇を描いた映画です。

この映画でのキーマンとなるのは、私は、吉岡里帆さんが演じる比嘉凛だと思います。
凜は、戦時教育で植え付けられた忠君報国の教えを疑わず、神風が吹くと信じている軍国少女。
まなじりをけっして「お国のために」を繰り返します。
「捕虜になったら自決する」「一人十殺の覚悟で戦う」と勇ましく、「自ら信じる正義のために殉じることは、最も正しい生き方です」と断言するほど。
このようなことを当り前のように信じていた軍国少女・少年は、たくさんいました。
なぜならそう教育されてきたからです。
その頑なに信じている心は「命どぅ宝、生き抜け!」と島田知事たちが叫んでもなかなかほどけません。
それはひめゆりの塔の「ひめゆり学徒隊」の女の子たちもそうでした。
教育とはとても怖いものです。私たちはこの悲劇を繰り返さないためにも、一人一人がちゃんと思い、考え、言葉を持っていなくてはいけないと思うのです。

現在のウクライナを見てもわかるように、戦いがそこで行われれば、軍人だけでなく沖縄の一般住民も、命を失ったのです。
その上、80年前の日本は、お国のために死ぬことを美徳として教育してきたので、凛のような少女たちの亡くならなくてもいい命が、愚かな一握りのお上の一言のために消えているのです。
この映画で凛さんの現代を演じる香川京子さんは、「戦争の悲惨さは『ひめゆりの塔』に出演した時とそっくりで、お話をいただきまして、私がやらなくてはいけない役だと思いました。『ひめゆりの塔を』を思い出して涙を流しながら拝見しました。
戦争は恐ろしいものです。
この映画を通し、これまで平和でいられたこと、戦争はいけないということを考えていただけたら」と訴えていらっしゃいます。

戦後77年、何故平和でいられたかをあらためて考えなければならない世の中になってきています。
どんな世の中になろうと、どんな時代がこようとも「戦争反対」を唱えられる勇気を持っていたいと思います。
「島守の塔」、是非ご覧ください。

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