子どもからお年寄りまで、すべての人にシナリオの力を!
あなたの毎日に役立つシナリオの活用例がここにあります。
シナリオ・センターの新井です。少し前ですが、6月26日に同志社大学の「多文化間コミュニケーション」を学ぶ講座で、「多文化間コミュニケーションとシナリオ」というテーマで授業をさせて頂きました。同志社大学と言えば、創設者の新島襄さんですよね。出身ライターの山本むつみさんが「八重の桜」の脚本を書かれていることもあり、妙な親近感と受験したら受からないだろうなという現実感を受けとめつつの授業となりました。
同志社大学は、創設者の新島襄さんを非常に大切にされている大学だそうです。同志社の学校には、新島襄さんのことばが必ず掲げられていると、今回私をお招きくださった同志社大学のグローバル・コミュニケーション学部日本語コースの脇田准教授が教えて下さいました。
人と人がやりとりをする時、伝える側のアクション、受け取る側のリアクションが生まれます。人に何かを伝えようとすると、なぜだかアクションする自分のことは考えますが、リアクションする相手のことを考えるのを忘れがちになります。
逆に、相手が何かを伝えようとするときに、自分がどんなリアクションをして聞いているのか、意識している方は少ないように思います。
アクションとリアクションに対して、意識的になることは、コミュニケーションをする上で非常に大切です。
同様にシナリオも「ああ言ったら、こう言う。こうしたら、ああなる」というアクション、リアクションを考えます。まさに、コミュニケーションとシナリオは同じことなのです。
『シナリオとコミュニケーションは、一見、何も関係がないと思っていたが、シナリオを書く過程そのものが、まさに、コミュニケーションだとわかった。』
『普段は自分の視点からしか考えていなかったが、シナリオを書くために、自分がこれを言ったら、相手はどう思って、どうするだろうか、ということについて考えなければならなかった。普段からもっと他人の言動を意識したい』
と、学生さんにも気づいていただけたようです。
自分の想いや考えを伝えようとするとき、「何を言うか」を考えがちですが、実は「どう言うか」を考えることも重要になります。つまり伝え方です。その際、多文化間コミュニケーションの上では、特に相手の背景と事情が重要になってきます。背景とは、「今までどうしてきたか」です。事情とは「これからどうするか」です。
ドラマであれば山田君は、背景に引っ込み思案で、自分に自信が持てない男性だとします。そんな山田君には、転校してしまう花子さんに想いを伝えたいという事情が生まれます。「山田君、ちゃんと伝えられる?」というところにドラマが生まれます。
多文化間コミュニケーションの場合、特に相手と自分の背景の違いが重要になってきます。例えば、日本人はハイコンテキスト文化と言われます。いわゆる「あ・うん」に代表されるような、言わなくても察するという文化です。
一方でアメリカはローコンテキスト文化と言われます。お互いの想いは、ことばで伝えることが大切になります。日本人とアメリカ人ではコンテキストだけ比べても、異なる背景を持っています。
そのため、お互いに違うということを意識し、違いを知ろうとしないと異文化のコミュニケーションは成立しません。
『これから国際社会の中で、お互いのことを知ろうとする状況を考えてみることの大切さを学んだ』
相手のことを変えようとするのは、非常に難しいことです。ですが、自分の言動を変えることは、自分の意思と何を意識すればいいのかさえ分かれば変えられます。
これからの国際社会の中で、異なる文化背景を持った相手について知ろうとする想像力、その上でお互いにより良い関係を築ことするコミュニケーション力が求められるのだと思います。
『シナリオを書くのが楽しかった。「相手を変えることはできないが、自分からの発信は変えられる」という言葉が印象深かった』
『シナリオと異文化コミュニケーションに、何の関係があるのかと思っていた。しかし、シナリオは流れていく時間の中で、立ち止まって、コミュニケーションを見直すことと聞いて、シナリオにおいて、コミュニケーションを理解する大切さを知った』
シナリオは、日常のコミュニケーションを振返ることができるツールにもなるのです。誰かとうまくいかなかったとき、自分のアクションとリアクションはどうだったか、相手の背景と事情は考えていたか、と立ち止まって考えるきっかけになればと思います。日本中で、世界中でそんな日が来たらいいなぁ~と。
シナリオ・センターでは、「一億人のシナリオ。」プレジェクトを様々な機関で実施しています。ご要望があれば、お気軽にお問合せください。詳しくはこちらから。お問合せは、シナリオ・センター新井まで(電話:03-3407-6936 メールはこちらから)