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代表 小林幸恵が毎日更新!
表参道シナリオ日記

シナリオ・センターの代表・小林幸恵が、出身ライターの活躍や業界動向から感じたことなど、2006年からほぼ毎日更新している日記です。

8月の命

アイスクリーム

暑い8月

シナリオ・センター代表の小林です。東京、港区、表参道は、35度です。全国各地で40度前後とか、コロナ感染者もうなぎのぼり。
猛暑とコロナが重なって、地獄の窯のふたが開いた感じです。
ニュースを見てびっくりしたのですが、岸田首相がニューヨークへ行っていらっしゃるので、野田女性活躍担当相が閣議の主宰をされたのだそうです。
ま、それ自体はどうということもないのですが、ニュースになったのは「女性閣僚が閣議主宰するのは初めて」ということ。
はあ?です。
日本の女性進出が遅れているのはわかっていますが、ニュースになるんです、初めてだから。2022年、21世紀だというのに初めてだって。
女性活躍担当相っていうネーミングも不思議。当り前じゃないから、名称になるのでしょうけれど。
いかに女性が活躍できていないということ。で、作られたからには、しっかり機能はしているのでしょうね。
新札になる日本初の留学生、津田塾大学の創始者津田梅子さんの時代と、今も大して変わりはないのです、女性の立場は。ホント、情けない。

8月、77年経っても安らぐことのない、日本が起こした戦争の傷がよみがえります。
8月6日広島原爆記念日、8月9日長崎原爆記念日、8月15日敗戦記念日・・・。
昨日8月1日には、核拡散防止条約(NPT)再検討会議がニューヨークで開かれ、日本から岸田首相が参加し、核兵器不使用維持、核兵器減少維持、核不拡散確保、原子力平和利用、被爆地への各国首脳参加など「ヒロシマアクションプラン」を演説しました。
保有国と非保有国の橋渡し役といわれて久しいのに、核兵器禁止条約に批准することもない世界で唯一の被爆国の首相は、今回もきれいごとの演説で終わりました。
出席しただけでも素晴らしと思うべきでしょうが、私達ですらなんだろうと思うのに、被ばく者の方々はどんな気持ちでいらっしゃるのかと思うと、やはりよかったでは終わりません。
核兵器禁止条約に批准して、被爆国日本の立場を明確にしましょう。アメリカの核の傘に守られているというのは理由になりません。
8月は、日本はきちんとした過去を振り返る時間にしなくてはいけないと思います。
これから先、誰一人戦争で悲しい目に合うことがないように。

島守の塔

今、東京では、出身ライターの五十嵐拓監督と脚本家柏田道夫さんの映画「島守の塔」が上映されています。
沖縄本土復帰50周年の今年、沖縄戦で「命どぅ宝(命こそ宝)」と生き抜くことを訴えた沖縄県知事島田叡さんと荒井警察部長を描いた映画です。
国内最大の地上戦となった沖縄。「集団自決」で住民が命を絶つなど、沖縄県民の1/4が犠牲となり、日米20万人以上の人が亡くなりました。
その中で命を懸けて沖縄県民の命を守ろうとしたのが島田知事と荒井警察部長。
戦争は人を変えます。
この映画の中でも、吉岡里帆さんが演じる県職員は「お国のため」「喜んで国のために死ぬ」「神風が吹く」、そんなバカなことを当たり前のように思うようになるのです。
現在、ロシアによるウクライナ侵攻が続く中、決してまさかのことではありません。
なにしろ、中国や北朝鮮の脅威を盾に「攻撃ができる武器が必要だ」とか、「国民は国を守るもの」だとか言い出すお上がいるのですから、まさに「お国のため」「喜んで国のために死ぬ」「神風が吹く」発想と同じなのです。
ま、こちらは「死ぬ」ではなく「死ね」というのでしょうけれど。
戦争は痛みしか生まない、そのことをちゃんと知って欲しいお上に。
人の命を数字ではなく、一人一人に家族がいて生活があることを、そして、77年経った今も、その悲しみ、痛みは変わらないことを。
お上のやることは、戦争が起きないように「死に物狂いで努力すること」それだけだということを肝に銘じて欲しいです。
8月は、命のことを改めて大事に思う月でありたいと思います。

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