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代表 小林幸恵が毎日更新!
表参道シナリオ日記

シナリオ・センターの代表・小林幸恵が、出身ライターの活躍や業界動向から感じたことなど、2006年からほぼ毎日更新している日記です。

夏休み

末廣亭

帰省

シナリオ・センター代表の小林です。1週間の夏休みが開けました。
11日から昨日迄たっぷりと夏休みを過ごしました。
私は生まれも育ちも今住んでいるところなので、いつも故郷へ笑顔ででかける友達たちをうらやましく見ていました。
でも、今は故郷へ帰るのも躊躇したり、ままならない方々を想うと、動かないですむことにちょっと気が引けるコロナ禍です。

今年はだいぶ帰った方も多く、ちょっと感染が広がった感があります。
私のいとこは、連れ合いの実家青森へ行ったところ、子どもも連れ合いも、青森のご両親も感染し、罹らなかった彼女だけが反対に隔離され、予定により1週間も長く滞在してしまったそうです。
罹患した友人に言わせると、区に連絡しても、感染登録も、貸し出しのパルスオキシメーターも食料も別々のところへ自分で頼まねばならず、元気でなくちゃできないよと。(笑)
まるで、笑い話、漫才のギャグのようなことが本当のことで、お年寄りや、重症者の方、独り住まいの方などは、一体どうされているのでしょう。
映画「プラン75」ではありませんが、この国は、棄民政策が着々と進んでいるようにみえます。

軽いと言っても、後々呼吸が正常に戻らなかったり、頭痛が取れない方もいらっしゃいます。
最近はニュースなのではなく、ほとんど友達とか身近な人からの情報なので、ヒシヒシと感染の波が押し寄せてきているようで怖いです。
とはいえ、やれることは、マスク・手洗い消毒・検温くらいですが、せめて、そこはしっかりとやるしかないですね。
くれぐれもお気をつけください。お互いに安心安全でいきましょう。

夏の日

皆様は、この夏休みをいかがお過ごしでしたでしょうか。
私は、東京の中をウロウロ。映画、舞台、寄席と自分の好きなものを堪能した夏休みでした。
映画は、「プラン75」。75歳以上の人は、若い人の邪魔にならないように安楽死システムができ、国に勧められるという映画、主人公は倍賞千恵子さん。
内容が内容で地味な映画ですから、まさかこんなに話題にとは思いもよりませんでした。老いも若きも(ま、老いが多いけど)満員でした。
ご覧になった年代で感じ方も違うかと思います。
私はもうすぐ対象者となりますから、自分だったらとどうするかと考えさせられる映画かと思ってみました。
ところが、私は激しい怒り、国に対する怒りでいっぱいになりました。
今の日本の棄民政策を、はっきりさせた映画だなと思いました。
現実では、手は下さないけれど、貧乏な年寄り、身寄りもない年寄りは、いなくなって欲しい、だからなるべく生活保護とか施設とか生きられる手立てを教えない。
でも、映画と心は同じようなものです。映画の方が具体的に死ぬ方法があり、支度金くれて、葬式費用も出してくれるだけマシかも。友達はセーフティネットは安楽死かぁと。(笑)
第2作は、金持ちじいさんと貧乏ばあさんの話などありかと。究極の2極化話はいかがかと。

お芝居は、野田秀樹さんの「Q」。
2019年の初演も観たのですが、初演より長バージョン?休憩が入ったのですが、初演の時はなかったような・・・。
QUEENの「オペラ座の夜」をインスパイアした作品で、野田芝居では珍しいQUEENの楽曲がバンバン流れて、それがお話しに大きな力を与え、より深いものにしています。
ロメオとジュリエットの後日談と源平合戦を組み合わせて、究極の愛を描きながら人間を描き、戦争の愚かさをメッセージに込めて。それも初演の時より深く濃くなっているような気がしました。
野田さんの言葉遊びが大好きで夢の遊民社時代からのファンなのですが、昨今わかりやすくなっていると感じています。
それだけ怪しい時代になり、想うことを訴えたいけれど、私たちの考える力、野田さんの作品を受け止める力が弱くなっているのから、ちょっと昔よりわかりやすくしている?って感じがするのですが・・・うがちすぎ?
でも、初演の時より楽しませていただきました。

末廣亭に行きました。
神田伯山さんが主任を務める中席は大人気。前売りも自由席で整理番号なので、久々に小屋の前に並ばされての入場になりました。
寄席は、落語だけでなく、漫才や色物、曲芸、講談などなどいろいろ楽しめるので大好きな場所です。
桂小南師匠はじめ2つ目になった落語家さんなど等、ねづっち、ナイン、曲芸などに、今回は周防監督の「カツベン!」でご存じの活弁士坂本頼光さんも登場。
すごくシュールな短編映画を見せてくれたりして、本当に面白かったです。寄席で活弁、初めの経験ですがこれもありですね。また見たい。
トリの伯山さんは、牡丹灯籠。さすがに怖ーい。うまーい。面白い。

余談ですが、末廣亭は今クラウドファンディングしています。
存続をかけていますので、古き良き寄席を遺したいと思われる方は、是非ともお力添えください。

そんなこんなで、休みを東京で堪能したのでした。
世の中は、嫌なニュースばかりで、信じられないことばかりですが、やっぱりエンタテイメントは素晴らしい。
こういう時代であればあるほどエンタテイメントの力は大事です。
さあ、描きましょう!エンタテイメント。

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