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代表 小林幸恵が毎日更新!
表参道シナリオ日記

シナリオ・センターの代表・小林幸恵が、出身ライターの活躍や業界動向から感じたことなど、2006年からほぼ毎日更新している日記です。

いいものはいつの世も

VAMP SHOW プログラム

末世

シナリオ・センター代表の小林です。毎日、日本中が怪しい天気です。
世界各地でも洪水や台風、竜巻、地震などあちらこちらで起こっています。
今朝、干ばつで恐竜の足跡が出てきたとか、ナチスの軍艦が出てきたとか、消滅した街が出現したとか、沈んだ町の壁に彫られた文字には「この壁を見るような時が来たら、お終いだ」と書いているとか・・・というテレビを見ました。
そんな映像を見ると、ちょっとビビります。怪しい時代にもう突入しているのでしょうね。

もっと真剣にコロナや温暖化に向きあわなければ、本当にお終いになりそうなのに、未だに我が身のことしか考えていないお上集団に腹立ちは止まりません。
「電報を打ってくれって言われりゃ、打つんですよ。『応援してやろう』と言ってくれたら、『よろしくお願いします』っていうのは、もうこれは合言葉ですよ。モノ買いに来てくれたら、『毎度ありがとうございます』って商売人が言うのと、同じなんです」と正気の沙汰とも思えない発言をして当たり前だと思っている方が、国民の代表顔していることが信じられません。
まったく次元が違うのだなぁと思います。世の中のこと、国民のこと等なにも見ていないのだなぁと思います。
もしかしたら、反社って、この人たちのことを言うのではないかと思いたくなります。
辞職する警察庁長官は逮捕状を握りつぶし、この人たちとともに、力を持たないもともな女性を傷つけ、人生を狂わしても平気なのですから。
まともな人たちとは思えません。それを受け入れてしまうことも、まともな世の中ではないのです。
だからといって悲観していたくはない。末世だとは思いたくない。子どもたち、若い人たちの未来を失わせてはならない。
大人たちよ、今こそしっかりと真実を見つめて、今やるべきことはなにかを考えて行動しましょう。

作法

三谷幸喜さんの「VAMP SHOW」を見てきました。
三谷さんが30年も前に劇団新感線の池田成志さんに個人的に頼まれて書かれたというホラーコメディです。
吸血鬼のお話で「血を求めて楽しく旅を続ける仲良しヴァンパイア5人組」という荒唐無稽な設定です。
このお芝居は、1992年が初演で京晋佑、西村雅彦、古田新太、池田成志、まつおあきら、一橋壮太朗(実は三谷幸喜)、藤井かおりさんが出演されたそうです。
2001年には堺雅人、佐々木蔵之介、橋本じゅん、河原雅彦、伊藤俊人、手塚とおる、松尾れい子さんで再演されています。
このお芝居の初演、再演の出演メンバーを見て、なるほどなぁと思いました。
勢いがなくっちゃ、観客を巻きこめないお話だからです。巻き込むことがうまい方々ばかりです。
なので、今回の出演者岡山天音、平埜生成、戸塚純貴、塩野瑛久、尾上寛之、久保田紗友、菅原永二さんらは、負けじと大熱演。
所狭しと動き回り、叫びまくります。

三谷さんは「当時はどうやったらお客さんに驚いてもらえるか、すごく考えました。
舞台の上で誰が殺されても、実はそれってお客さんはあまりドキドキしないんですね。
嘘とわかっているから。だって死体がどんなに血みどろで倒れていてもハアハア息しているのが客席から丸わかりなわけですから。
むしろ次に誰が殺されるのか、どんな風に殺されるのか、そのプロセスにこそ本当の恐怖があると思い、そこにストーリーの焦点を絞るように心がけました」と仰っています。

皆さんがシナリオを描く時、どこを描くべきかということをしっかり考えて描かれていますか。
特にお芝居の場合は三谷さんがおっしゃるように、リアルに見えない部分があるわけで、そこをリアルに見せようとしてもどうにもできないわけで、本当の見せどころはどこかということを考えることが大切なのだと思います。
映像の方が本物っぽく見せられますが、フィクションである以上嘘だとわかって観客はみるわけですから、それを嘘と感じさせずに、ドラマにのめり込ませるには、引き込まれるシーンを作ることが必要なのです。
その前提として、何よりもキャラクターがしっかりできているかが決め手となります。
「VAMP SHOW」でも、血を求めて楽しく旅を続ける仲良しヴァンパイア5人組の一人一人のキャラクターの違いが際立ち、そこに過疎駅の駅長のキャラクターと謎の女性のキャラクターがちゃんとできているからこそ、再再演ができるわけです。
フト思ったのですが、芝居で再演が重ねられたり、ドラマにも映画にもなったりする脚本は、ストーリーもさることながら、キャラクターが魅力的にできて、見せ場がきちんとあるからこそ、前と違う役者さんが演じても面白いのだと。
他人の作品のキャラクター表を作ってみると、ご自分のたりないところが見えるかもしれません。

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