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代表 小林幸恵が毎日更新!
表参道シナリオ日記

シナリオ・センターの代表・小林幸恵が、出身ライターの活躍や業界動向から感じたことなど、2006年からほぼ毎日更新している日記です。

防災の日

福田村事件

関東大震災

シナリオ・センター代表の小林です。今日9月1日は防災の日、関東大震災が起こった日です。あれから99年だそうです。
最近はまたぞろ大地震がとも言われてきていますし、日本中あらゆるところで地震のみならず大きな災害が起きてきて、いつ何が起きてもおかしくない時代に突入してしまいました。
「備えあれば憂いなし」という諺がありますが、地震大国の我が国の備えは大丈夫なのでしょうか。
いつだって、大丈夫なところをみたことないけれど・・・。
「想定外」という言葉を、平気で使うのはやめて欲しいですね。お上の考え、想定はあまりにも範囲が小さすぎます。
こんな日本に、また新しい原発をなどというのも正気の沙汰とも思えません。
今、ウクライナを見てもわかるように、恐ろしいことに原発は、いつでも原爆の脅威に変わるのです。
その危機感は、世界中で共有しているはずなのですが。
日本は、唯一の被爆国で、かつ福島の原発でその恐ろしさを身をもって知っているはずなのに、なにも動かない国です。
肝が据わっているのかなぁ。(笑)

福田村事件

関東大震災は、災害だけでなく、人々の心に大きな傷を残しています。
出身のドキュメンタリー作家の森達也監督が初の劇映画を手掛けます。
100年前の負の歴史「福田村事件(仮)」。

関東大地震の5日後、千葉県福田村(現野田市)で香川県から来た薬売り行商団9人が、地元の自警団によって虐殺された実際の事件を、加害者側から描くそうです。
朝鮮人の方が、井戸に毒を入れたという流言飛語で殺された事件は知っていましたが、このお話は初めて知りました。
森監督は「加害者のだれもが善良で穏やかな人だったこと。人間は冷酷だから残虐なことをするのではないということを伝えたい」
「現代の日本は、負の歴史から目をそらそうとする傾向がとみに強まっています。
しかし、人間は失敗を記憶することで成長していくものだと思います」と。

森監督がおっしゃるように、隠す、見て見ぬふり、その体質が広がってきているからこそ、いじめや虐待もなくならないのではないでしょうか。
お上は、教科書も、10年前くらいから歴史の改竄をしています。
なかったことにする、知らなかったことにする・・・そんな考えが、再び戦争へと向かわせるのだと思いますし、いじめや虐待が終わらないのだと思います。
起きたことは取り返しがつきませんが、反省することによって、次の惨事を防ぐことができます。

森監督はドキュメンタリー映画「A」「A2」ではオウム真理教の信者らにカメラを向け、加害者側からサリン事件を描きました。
劇映画としてどんな切り口で森監督が描かれるのかはわかりませんが、多くの人に見てもらい、ひとりでも多くの人が負の歴史を見つめようとしてくれたら、嬉しいと思います。
撮影はこれからが佳境のようです。来年の公開を今から楽しみにしたいと思います。

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