差別
シナリオ・センター代表の小林です。ドラマを見ていて、たまに「え~、ありえない!」と思ったり、「はあ~、おかしくない?」とか突っ込みを入れたくなることがあります。
ドラマだって腹立たしいのに、現実だとこれはもはや腹立たしさを通り越して地獄です。
日本はG7(主要7ヵ国)で唯一同性婚を認めていない国です。
海外メディアはこぞって「日本はLGBTへの理解が遅れている」と報道しました。
例の荒井秘書官は、「同性婚を認めると社会が変わってしまう」という発言をする岸田首相のスピーチライターをしていた秘書官ですから、彼のいったことは、本質的に岸田さんおよび周りの本音なのでしょうね。
「秘書官室みんなも」と言っていますし、差別的発言を繰り返していたM議員などを使っていたこともそうですし、すべて同じ穴の狢なのでしょう。
岸田首相は、「個人より全体に価値を置く全体主義者なのだ」という方もいらっしゃいますが、確かに考え方は、日本会議や旧統一教会が主張している家父長主義にみえます。
この周辺の方々のほとんどは、愛する者同士が結婚するのは当たり前で、日本国憲法の根本的原理である個人の尊厳を守るべきなのに、まったくそんなことは思ってもいないのでしょう。
今更感のある、それでもまだ通した方がよい「LGBT理解増進法案」ですら、自民党はつぶすわけですからね。
人間としての尊厳は守り抜かなくては、こういうお上だと、それこそ差別対象はみんな戦争へ駆り立てられるようになります。
森治美
今日は、出身ライターの森治美さんの命日にあたります。
毎年、森治美さんがやっていたラジオドラマ講座の受講生だった方が、お花をお供えしてくださいます。
故人が忘れられていない、誰かの心の中に生きているって、本当に嬉しい。それだけ大きな存在だったことが、悲しいけれど、そんな彼女とともにシナリオを教えてきたことが誇らしい気もします。
昨年、森治美のことを想いながら、森治美の「ドラマ脚本の描き方」の改訂版「いっきに書けるラジオドラマとテレビドラマ」(言視舎刊)を創りました。
より分かりやすくと、構成や装丁は幾分変えましたが、中は同じです。
森治美も新井一の教え子ですから、新井一から習った「基本」を大事に、ラジオドラマの基礎をわかりやすく書いています。
新版は、テレビドラマとラジオドラマの違いがより分かりやすくするために、2段にして映像ドラマ(視覚)とラジオドラマ(聴覚)を対比させてみました。
ドラマは同じだけれど、映像は見せ方に、ラジオドラマは聞かせ方に、それぞれの特長をつかんで描いてほしいのです。
映像ではナレーションやモノローグはどちらかというと×だけれど、ラジオドラマまでは効果的に使うことが大事です。
そんなそれぞれの特長をしっかりとつかんで活かすことで、ドラマをより面白く表現することができるのです。
おや、3階のホールから、森治美の大きな声が、マイクを使わずにホールの隅々まで響き渡る声が聞こえてきます。
天国で、新井一とシナリオ・センターをやっているのでしょう。
だって、事務局長小山さんはじめ、作家集団の堀江先生、津川先生、森栄晃先生、企画者集団の大木先生、シナリオ作家養成講座の原島先生、研修科の藤本先生、桑島先生、岩崎先生、樋口先生、中島先生、本科の藤田先生、陶山先生etcetc・・・ご一緒ですもの。
華やかに開講しているに違いありません。