menu

脚本家を養成する
シナリオ・センターの
オンラインマガジン

シナリオ・センター

代表 小林幸恵が毎日更新!
表参道シナリオ日記

シナリオ・センターの代表・小林幸恵が、出身ライターの活躍や業界動向から感じたことなど、2006年からほぼ毎日更新している日記です。

感情

映画

シナリオ・センター代表の小林です。寒い冷たい日が続きます。
悲しいお知らせですが、東映の手塚治社長が亡くなられました。
まだプロデューサーでいらした時に、企画書講座においでいただいて、企画から製作まで一貫して立ち上げる楽しさを、熱く語って下さいました。
その熱さは、社長就任後も変わらず、自社制作に力を注いで、昨年は「ONE PIECE FILM RED」「THE FIRST SLAMA DANK」などのメガヒットにより東映史上最高の年間興行収入を記録しました。
また、東西撮影所から継続して大作を送り出したいというお考えが実を結んだキムタクと綾瀬はるか主演の「レジェンド&バタフライ」も20億に届く大ヒット、来月には「シン・仮面ライダー」の公開もと、これからもご存命であればより剛腕を発揮して、東映を盛り上げ、映画界を牽引されたことかと思います。
62歳というまだまだ社長として活躍していただける年代に、ご自身も無念なこと思います。
ご冥福をお祈りいたします。

人は誰でもいつかは死を迎えるのですが、志半ばに倒れるというのは、本当に無念で悲しいことです。
せめて、日本の若者たちがそんな風にならないようにと、私たちが目を光らせないといけないとしみじみ思います。
お上は、どんどん軍事強化へ走っています。
そのうち徴兵されるのではと本当に心配。マイナカードで、すべての個人情報を握られそうですし。

シーン

出身ライターの桑原亮子さん、嶋田うれ葉さん、佃良太さんのセンターチームで描かれている朝ドラ「舞いあがれ!」を毎日楽しんでします。
桑原さんのオリジナルストーリーですが、3人体制の脚本は、それぞれの個性が出るもので、すぐにどなたが書いたのかがわかります。
男性女性というと差別のように思われるかもですが、特に佃さんの脚本はすぐにわかります。男目線?(笑)
お3方のトーンが微妙に違うのを面白く拝見しています。
この回はこういう話でと、ストーリーも登場人物のキャラクターも決まっているわけですが、シーンの作り方が全くと言っていいほど違うのです。
シーンづくり、それこそが作家の個性、作家性が出てくるところなのだと思います。
誰が書いても同じではない、金太郎飴にならないところが創作の素晴らしいところです。
ストーリーはこれこれこういうお話ですが、シーンはそれをどのように見せていくかです。
そのためにどの場所で(柱)、どんな風にアクション・リアクションをどう見せるか、何を使うか(ト書)、どんなセリフを言わせるか(セリフ)、ここに作家性が出てくるのです。
視聴者はドラマのシーンで、そこにいる登場人物に感情移入するのです。
今日は、主人公舞と幼馴染の新人短歌作家の貴司ふたりが、お互いの想いをだせないシーン(桑原亮子さん脚本)を見て、短歌作家の俵万智さんは
「七夕の夜に言葉を交わせども 織姫よりも君は遠くて」
「それ以上近づけないけど傷つかない『ありがとう』とは便利な言葉」
と詠まれました。
思わずドラマに感情移入したからこそでた歌です。
そんなシーンを描くことが、脚本家の役目だと思います。

過去記事一覧

  • 表参道シナリオ日記
  • シナリオTIPS
  • 開講のお知らせ
  • 日本中にシナリオを!
  • 背のびしてしゃれおつ