女性
シナリオ・センター代表の小林です。今日もぽかぽか陽気です。
ミモザはきれいに咲いているでしょうか。昨日は国際女性デーでした。
「私たちに染みついた無意識の偏見をまず言葉から変えていく」という新聞広告がありました。
で、そこには、女優→俳優、女医→医師、父兄→保護者、主人→夫、OL→会社員、キーマン→キーパーソンなどなどが載っていました。
当たり前に、気にせず使っている言葉ってたくさんあるのですね。
私は、ずーっと夫のことは連れ合いと言ってきましたが、これは意識してのことです。主人とか亭主って、違うだろうと思って。
テニス選手の告発ではじめて知ったのですが、テニス界も男女差別が激しく、4大大会では差別撤廃を標榜して賞金差はなくしたのですが、ツアー大会では、未だに男性が5000万円の優勝賞金なのに、女性は800万円くらいだったりするのだそうです。同じ試合をやっているのにです。
スポーツの世界でも、実力の世界でもそうなのかびっくりしました。
日本は、相変わらずジェンダーギャップ指数は低く146ヶ国中116位。G7ではもちろん最下位。
女性が男性より秀でていることは、日本ではいまだに許されないんでしょうね。
そういえば、出身作家の柚木麻子さんの小説「らんたん」を読むとよくわかるのですが、女子がいかに学ぶことを許されなかったか。
だからこそ新5千円札の津田梅子さんとか朝ドラ「あさがきた」の広岡浅子さんとかが女子校づくりに奔走したのですね。
明治時代の話しですが、今も、女性の立場はさほど変わっていない、大した進歩がない気がします。
一番問題なのは男性意識の変革ではあると思うのですが、男女問わず無意識の偏見、考え方を変えていかなくては、そして、女性から声を上げていかないとなにひとつ前進しないでのではないでしょうか。
ミモザを片手に頑張りましょう。
名前
「ちょいプラ!シナリオ創作術」(言視舎刊)を読んでいます。
月刊シナリオ教室に連載していたものなので、一度読んではいるのですが、改めて読み返してみると、今更ながら「なるほど!」と思ってしまいます。
「アカデミー受賞作に学ぶ作劇術」の著者柏田も、「ちょいプラ!シナリオ創作術」著者浅田も、まあ、良く分析しているのです。
二つの本は、全く違う方法ですが、目のつけどころがすごいと思いました。
私の性格上、こういう細かな分析はできないので、ほとほと感心。
ト書、セリフを通して、映像の表現されたことを、シナリオを読んでいるわけでもないのに、なにが活きて、何が活かされたのか、ここまで言ってもらったら、メチャわかりやすい。
私が、この中で、是非これからシナリオを描く方に、大事にしてほしいと思うことは、主人公の名前です。
ここでは「和田家の男たち」の主人公和田優を例にとっていますが、「シナリオで一番たくさん描く言葉は主人公の名前です」と浅田は書いています。
「主人公の性格にイメージぴったりの名前をつけると、主人公ならではのリアクションやセリフが浮かびやすくなるのです。」
名前って、シナリオを描く前に決めるわけですから、そこでキャラクターにあったものをつけるといいわけですね。
これを読んでハッと気がつきました。
コンクールの落選作を読んでいると、名前のつけ方に悩まれた節がない。
A男でもC子でもいいような名前のつけ方をしています。
男Aとか女Bとかで表すことがあります。あえて無機質な人物とか、すべての人間に共通しているとか意味があるならいいのかとは思いますが、私は、名前が欲しいです。
だって、日常生活でも、「おまえ」とか「おい」とかしか呼ばれないといって怒ったり、離婚したりする話が多々ありますよね。
人はちゃんと一人一人、名前があって、そこに存在するのですから、どうでもいい名前であって欲しくありません。
特にドラマでは、ちゃんと意味を持たせてほしい、性格を表して欲しいと思います。
じっくりと登場人物の名前を考えると、しっかりとしたキャラクターが生まれてきます。
名無しのごんべいさんからは、ドラマは生まれません。