・自分で書いたシナリオを映像化したい
・シナリオコンクールで受賞したけど映像化されなかった
――という方、今回ご紹介するシナリオ・センター出身の園田新さんのコメントに刺激を受けるかもしれません。
園田さんが製作・脚本・監督・編集を手掛けた映画『消せない記憶』が、3月31日(金)より、シモキタ – エキマエ – シネマ『K2』他で全国順次公開されます。
本作は、「第15回函館港イルミナシオン映画祭2009」の第13回シナリオ大賞で審査員奨励賞を受賞されたシナリオ『記憶代理人』が原作。
園田さんは公開にあたり「企画から実に15年もの長い年月をかけて、ようやく形にすることができました。コロナ禍での映画制作は困難の連続でしたが、スタッフ、キャスト、クラウドファンドで応援してくださった方々など、沢山の方に支えられて劇場公開まで辿り着くことができました」とコメントされています。
『月刊シナリオ教室』には園田さんのインタビューを掲載。それに先立ち、ブログ用にコメントをいただきました。特に映画監督志望の方、参考にしてください。
「観る人の日常の延長線上にあるかもしれない話だと感じてもらえるように」
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=あらすじ=
舞台俳優・西潤一はミュージシャンの神崎優衣と路上パフォーマンスを通じて出会う。お互いの過去や秘密を語り、惹かれ合うふたり。順調な表現活動も束の間、しばらくして西は自らの記憶力が低下していることに気が付く。そしてあるすれ違いをきっかけに、西は優衣の前から姿を消す。彼の行方を追う優衣。そこへ、西のことを知るという“記憶代理人”が現れる――。
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SHIN SONODA
映画「消せない記憶」予告編
――『記憶代理人』をもとに、どのようにして『消せない記憶』がうまれたのか
〇園田さん:函館の受賞シナリオ『記憶代理人』では、「他人の記憶を代理記憶し、それを誰かに届けることができる」という特殊能力をもつ“記憶代理人”が主人公。そして、記憶にとらわれた3組のカップルが登場して、話が展開していくという群像劇でした。
そこから、1組のカップルを中心に据えて、ラブストーリーに書きかえたのが『消せない記憶』です。
そうすることで、SF要素が強いものから、よりリアルなテイストの作品になるのではないかと。観ている方に、西と優衣に感情移入していただき、「日常の延長線上にあるかもしれない話」だと感じてもらえるようにしました。
――劇中歌などの「音楽」について
〇園田さん:「音」と「映像」と「感情」が、一体となって押し寄せるような映像体験を目指しました。
ミュージシャンの優衣は感情表現が苦手ですが、自分の想いを歌にのせて届けることができます。そのため、劇中で優衣が歌う曲はセリフ以上に大切なものとして捉えているので、作詞も自分でしました。
外での弾き語りのシーンでは、臨場感が出るように、少し荒々しい、力強い感じを意識して収録しました。
一方、劇伴音楽はできる限り少なくして、この劇中歌が際立つようにしました。
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――「特に注目してほしい!」というところ
〇園田さん:西と優衣の“心の交流”と“感情のぶつかりあい”にご注目ください。
また、優衣の弾き語りのシーンや記憶代理人の登場シーンは見応えがあると思いますので、そこも注目していただければ。
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映画監督になりたい方へメッセージ
「映画監督はシナリオを読めて、自分で書ける必要があります」
――「シナリオを勉強して良かったな」と思うとき
〇園田さん:自分の中から生まれたオリジナルストーリーを語ることができて、それが観ている方に届いた瞬間に感じます。上映後に映画が“お客さんのもの”になって、感想を語り合ってもらえたりすると嬉しいです。
――シナリオを勉強しておくと特に役立つこと
〇園田さん:映画監督はシナリオをきちんと読むことができて、自分で書ける必要があります。ですので、シナリオの技術は、自分の書いたオリジナルストーリーを、自ら監督として映像化する際に役に立つと思います。
※以前、園田さんにお話しいただいたこちらの記事も併せてご覧ください↓
▼誰が見ても面白い エンターテインメントを書く/映画作家 園田新さん
※その他、シナリオ・センター出身の脚本家・監督・小説家の方々のコメントもこちらでご紹介。
▼脚本や小説を書くとは/シナリオの技術を活かして
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15年もの年月をかけて映像化された本作。
園田さんの熱い想いを是非劇場で感じてください。
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