シナリオ・センターの冨金原です。
今回はシナリオ・ライター超入門講座の模様をお届けいたします。
下落合図書館にて定期的に開催しております「シナリオライター超入門講座」の第6弾の模様をお届けいたします。
担当は前田講師です。
シナリオを書いたことのない方向けの超入門講座。
今回はシナリオの技術『シャレード』を使って
シナリオを書いていただきました。
シナリオ・ライター超入門講座第六弾で使用したシナリオの技術『シャレード』
そもそも、『シャレード』という言葉、ご存じでしょうか?
ききなじみのない方が多いかもしれません。
かく言う私も改めて
「シャレードって何だろう…」と悩んでいたところ、
シナリオ・センター副代表の新井さんに「全部シナリオの基礎技術に載ってるからね。読めばわかるから、ちゃんと読んで」
と指摘されました。
そう。『シナリオの基礎技術』に書いてあるのです。(ザッツ勉強不足…とほほ。)
簡単に説明いたします。
『シャレード』とはズバリ、間接表現とのことです。
「あ~なるほどぉ。間接表現なんですね。
なるほどなるほど…それでは私はこれで失礼します」
ご覧なられている皆様。
なんだかよくわからないからって、どうか読むのをおやめにならないで。
もう少々お付き合いください。
『間接表現』というと小難しく感じるかもしれませんが、簡単に言いますと、
言葉ではなく映像で伝えることです。
シャレードが使えると、伝えたいことを説明っぽくならず、観客や視聴者へ伝えることができます。
シャレードには、
・場所のシャレード
・状況のシャレード
・人物のシャレード
・人物関係のシャレード
とあります。
例えば、場所のシャレードについて。
「お客が入らないラーメン屋」と伝えたい場合、
【店主が新聞を広げている】、【店内に洗濯物が干してある】、【子どもが座敷で宿題をしている】等、
映すことで、セリフで「全然客が入らない…」と説明させなくても伝わりますよね。
間接表現『シャレード』。
なんとなくイメージできましたでしょうか。
この技術を使うことができると、
ダサくない、そうオシャレード(?)な作品が書けるようになります。
…はい。失礼しました。
今回の超入門講座ではシナリオの技術『シャレード』の中でも、
人物関係のシャレードに焦点を当てて、
実際に使ってシナリオを書いていただきました。
※シャレードに関してはこちらの記事併せてご参照ください。
映像製作者もおさえるべき「シャレード」という脚本理論
>参考までに以前の図書館のイベントURL
※ ※ ※ ※
【その他、過去の図書館イベント】
・本と人をつなげる図書館、人と人をつなげるシナリオ
・シナリオライター超入門講座Ⅱ in 下落合図書館「イケメン(2枚目)」の書き方、楽しみ方編
・シナリオライター超入門講座3「不都合な第三者~物語をボリュームアップする脇役の魅力~
・「セルフプロデュース講座 シナリオの技術で描く‘わたしの2019’」IN角筈図書館
・セルフプロデュース講座「シナリオの技術で描くわたしの‘2020‘」
・ビジネス支援講座「事業計画前夜~シナリオの技術でビジネスプランを磨き上げよう~」
・『主人公の気持ちをしれっと伝える描写の技術』@新宿区立下落合図書館 2021年12月4日開催
人間関係の親密度をシャレードで表現してみよう
前田
では実際にシャレードを使って、表現してみましょう!
と、その前に人物関係のシャレードにつきまして、以下ご覧くださいませ。
向かい合わせでコーヒーを飲んでいる男女という同じシチュエーションのなかで、
どのような行動をとるかで2人の親密度合が推測できます。
早速、本日お越しいただいた皆さんに、
以下の状況で恋人になる前の男女を
シャレードで伝える方法を考えてもらいたいと思います。
シチュエーションは2回目のデート。
時間に間に合うように出たけれど
アクシデント遅れた男性は、
女性にどんな動作・しぐさをしますか?
******
参加者の皆さん、いろいろなアイデアを出していきます。
・途中までバタバタして近寄りゆっくり後ろに立つ
・とにかく走って、ゼエゼエ言って会う
・ペコッて頭を下げる
・目の前で手を合わせて「ごめんなさい」と言う
・携帯電話で、ごめんなさいって打って目の前に出る
・相手の背中を指でつつく ・相手の前で自分の頬を叩く
・相手の前で自分の頭をコツンとする
・直立不動で立つ
******
前田
次は友人との関係を自分が失敗した出来事(仕事・受験)に成功した友人の祝賀会に出席することになった
という設定で描いてみましょう!
*****
参加者の皆さんのアイデア
・乾杯の時に発声しない、唇を噛む、飲み物を一気飲みする
・お祝いの輪から離れていく、遠くから喜びを睨む
・「おめでとう」と言いながら握手に力を入れる、目を合わさない
・ひたすら携帯電話をいじる
・携帯の音を鳴らす
・友人の挨拶の時にグラスを落とす、飲み物をこぼす、食べ物を落とす
・会場の外に出る ・自分の頬を叩く
・お祝いを言いながらも目は笑っていない、顔が厳しい
*****
前田
みなさんのユニークですね(笑)。
どうですか?
セリフではなく。人間関係という目に見えないものを
言葉ではなく”しぐさ”で考えてみると、
映像がイメージできませんか?
今日参加された皆さんも
同じ条件、同様の人間関係を表現するのでも、いろんなアイデアが出ますよね。
自然とそれぞれにオリジナリティが出てきます。
面白いんですよね。
*****
当日は実際にシナリオに書いてもらいました。
皆さん、初めてシナリオを書く方ばかりだけど、
どんどん書いていきます!
「難しくはない」とは言っておりましたが、
実際にその場で皆さんが書かれる姿を見るまでは不安な冨金原です。
今回も楽しんで書いていただけたようで、安心安心です。
以上、今回はシナリオの技術『シャレード』着目し、
シナリオ超入門講座の模様をレポートいたしました。
すでに何か物語を書いている方も、
このシチュエーションでこの人物関係をどうやって
描けるだろうか?
なんて『シャレード』を意識して書いてみてはいかがでしょうか?
説明っぽくならない映像シーンを描くことできるかもしれませんよ。
ぜひぜひ、使ってみてください。
*****
・参加者の皆様のご感想
他にない講座でユニーク
近くで仕事帰りで受けられたため良かった。
仕事帰りで参加することができたから。
夜だと時間がとりやすいと思いました。
ライターに興味があったため。
こんなに短い時間の中で非日常のハレの日となりました。
自分の興味ある内容であり、言葉で説明を受けられたこと。
改めまして、ご参加ありがとうございました!
*****
図書館・担当の佐伯さんのコメント
参加者の方々も熱心にお話されていたので、今回も意義深いイベントになったと感じております!
今回はシナリオライター超入門講座として、シナリオの技術「シャレード」を用いました。
図書館のイベントは、定期的にやっております。
「わたしたちの図書館でもやってみたい」という方がいらしたら、
お気軽にお問合せください。
それではまた!
冨金原