「日本語を勉強中の留学生や外国籍の方たちも楽しめることは何かないかな」とお探しでしたら、シナリオがおすすめです。
①登場婚物のキャラクターを考える
②主人公を困らせる
③発表して拍手をもらう
――この3点で楽しくシナリオを書けちゃいます!
その証拠にこちらの模様を広報の齋藤がリポートいたします。
=今回の概要==============
・サービス名:「じぶんだけのものがたりをつくってみよう!」
・目的:登場人物のキャラクターを作って物語を書く
・対象:豊島区近傍の子どもたち
・時間:約1時間
▼GIGAスクール対応プログラム「キッズシナリオ」詳細
https://sites.google.com/view/kids-scenariocenter/home
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まずは登場人物のキャラクターを設定
一般社団法人 東京キワニスクラブさんと豊島子ども WAKUWAKUネットワークさん主催のイベント「子どもスマイル in サンシャインシティ」。
このイベントの中で、昨年に続き今回も、キッズシナリオ「じぶんだけのものがたりをつくってみよう!」を実施させていただきました。
参加してくれたのは豊島区近傍の子どもたち約25名。年齢層は幅広く、小学校低学年~高校1年生くらいの子どもたち。また2歳の女の子もシナリオを書くお兄ちゃんの近くでお絵描きをしながら楽しそうに参加してくれました。
国籍もさまざまで、日本語を勉強している外国出身の子どもたちもいて、ボランティアスタッフさん、そして、東京キワニスクラブさんや豊島子ども WAKUWAKUネットワークさんのスタッフの方々がサポートしてくださいました。
当日、どんなことをしたのかと言うと、まず最初に担当の田中が皆さんにご紹介したのが「イラストからキャラクター連想ゲーム」。ゲームではありますが、登場人物のキャラクターを考えることが、面白い物語を作るコツなのです!
〇田中:この子はヒーローです。どんな名前だろう?苦手なものは何だろう?いつも言っている口癖は何かな?どんな性格をしているかな?この4つをイラストをもとに考えてみてください。
――ヒーローのキャラクター設定ができたら、友達のキャラクターも考えていきます。
〇田中:このお友達はね、ヒーローのことをいつも困らせます。ヒーローを困らせちゃうこの子はどんな子だろう?さっきと同じように、名前・苦手なもの・口癖・性格を考えてみてね。
――小学校低学年でネパール出身の男の子は、こう書いてくれました↓
■ヒーロー
・名前:Superman
・得意なこと:そらをとぶ
・苦手なもの:ghost rider
・くちぐせ:SSSSSSSSSSSSSSS(エスエスエスエスエス……)
・性格:すいーと(=Sweet)
■ヒーローの友達
・名前:Angeli
・得意なこと:やっつけること
・苦手なもの:そらとべない
・くちぐせ:AAAAAAAAAAAA(エーエーエーエーエー……)
・性格:ちからがつよい
――この男の子は近くにいるスタッフの方に自分が書きたいことを身振り手振りで伝えて日本語を確認。
例えば、ヒーローの得意なことを書くときは、スッと両腕を上に伸ばして「fly!」。
それを見ていたスタッフの方が「そらをとぶ!」。
すると「ああそうか!」という表情をして、平仮名で丁寧に書き込んでいきます。
外国出身の他の子どもたちも、自分のイメージしていることは日本語で何というのか、お母さんに翻訳アプリで調べてもらっていました。日本が拙くても、頭の中にちゃんとイメージがあるので、どんな平仮名や英語で書けばいいかが分かるとスラスラと書くことができていました!
――登場人物2人のキャラクターが設定できたら発表。
皆さん、とっても上手にキャラクターを設定できていて、発表が終わる度にみんなで拍手!
発表する前は「はずかしい……」とモジモジしていた子も、発表中に「おもしろい!」「すごい!」と他の皆さんから反応をもらえるとだんだんノッてきました!
「困らせる」は面白い物語を作るポイント
――次はいよいよシナリオ作り。シナリオの基本的な書き方「柱(場所)」「ト書(動作や表情)」「セリフ(登場人物が喋る言葉)をお伝えしてから、書いてもらいます。
〇田中:さっき、ヒーローの友達は「いつもヒーローを困らせているよ」って言ったよね。この「困らせる」というのは、面白い物語を作るためのポイントなんです!主人公が困っていると、「どうなっちゃうの!」「頑張れ!」って引き込まれますよね。
だから、主人公であるヒーローが人助けをしに町に行こうとすると、この友達が何かをしたり、何か言ったりして、主人公を困らせてください。
――皆さん、すごいスピードでシナリオを書いていきます。
こちらの女の子は、シナリオを書くのは初めてとのことでしたが、物語を作るのは大好きで、あっという間に2枚も書きあげました!
――全員が書き終わった後、「発表してくれる人!」と田中が呼びかけると、さきほどの女の子が真っ先に手を挙げて、読んでくれました。
ヒーローのへリングは乗り物が大好きな運転士。「困っている人がいるんだ!乗り物にのっていかないと!」と出かけようとするのですが、悪いことをして困らせる友達のラミーが来てしまい、なかなか出発できません。
〇田中:ラミーを困らせるへリング。その様子を聞いていて「へリング、早く出発しなきゃ!」ってすごく引き込まれました。それから、急がなきゃいけないのに乗り物が好きだから「乗り物にのっていかないと!」ってこだわるところもへリングのキャラクターがすごく良く出ていますね!
――こちらの女の子、他の参加者の子やスタッフの方々から大きな拍手をもらって、うれしそうにしていました。
この様子を見ていた他の皆さん、続々と「発表します!」と手を挙げてくれました。
その中には先ほどご紹介した男の子の姿も!
――描いてくれたのはなんとラブストーリー。ヒーローのSupermanが困っている人を助けに町に行こうとすると友達のAngeliが「ちょっと待ってよぉ!」と来ます。すると、“すいーと”な性格のSupermanは、“ちからがつよい” Angeliに向かってこう言います。
Superman「Angeli,I love you!」
Angeli「I love you too!」
Superman「Hold me tight!」
――これには皆さんびっくり!
〇田中:“ちからがつよい” Angeliに、「強く抱きしめて!」という“すいーと”なSuperman。キャラクターが出ていますね!すごーい!!
――発表した男の子はニコニコです。
こんなふうに、ほぼ全員がシナリオを発表してくれて、「楽しかった!」「思っていたよりも書けた!」「Thank you!」と喜んでもらえました。
①登場人物のキャラクターを考える ②主人公を困らせる ③発表して拍手をもらう
この3つがあると、こんなに楽しく創作ができて、全員で盛り上がれるんだ!ということが改めて実感できた1時間となりました。
書いてもらったシナリオに感想コメントを!
実は、これで「終わり」ではありませんでした。皆さんに書いてもらったシナリオを一旦お預かりして、田中が感想コメントを書いて、後日お戻ししました。
感想を書き終えた田中は、代表の小林とこんな会話をしていました。
〇田中:みんな、ほんとうにすごかったですね。登場人物のキャラクターも、困り方もさまざまで、面白い作品ばっかりでした!
〇小林:シナリオを描くことは、年齢だけじゃなくて、国籍もあんまり関係ないのね。
頭の中にイメージが湧くのは万国共通だし、シナリオは“話し言葉”で書けばセリフのシーンが出来上がるから、日本語が拙くても、日本語が分かる人にちょっと相談するだけで、楽しく表現することができる。改めて今回、シナリオは万国共通の“伝える力”を作り出せるんだ、って思った!(※)。
※代表・小林が今回のことを綴ったこちらのブログも併せてご覧ください。
――小林の言うように、日本語の文法や単語がそこまで完璧ではなくても、“喋り言葉”が少し分かればシナリオは書けちゃいます。その意味で、シナリオは“身近な創作”であり、誰もが使える万能なコミュニケーションツールなのではないでしょうか。今回ご紹介した模様をご覧いただいて、「うちもキッズシナリオやってほしい」という方は是非ご連絡ください!
※ご参考までにこちらのブログもご覧ください。