ゴールデンウイーク
シナリオ・センター代表の小林です。明日からゴールデンウイークに入ります。
皆様には楽しいご予定がたくさんおありでしょうか。
表参道も昨日お芝居を見に行った浅草も、もはやたいそうな人出でした。
コロナ9波という話もありますし、人混みに出られる時はマスクをなさっていた方が安全かもしれませんね。
安全に楽しんでください。
私は、毎年、基本おうちでゆっくり過ごすタイプ。幸い近所に緑が多いので、散歩したりしながら過ごしてきました。
今年は愛犬もいないので寂しい散歩ですが、健康のためにはちょっと歩いて、テニスして、本を読んだり、大好きな料理をしたりしながら無難に過ごそうと思っています。
シナリオ・センターは、4月29日(土)から5月5日(金)までゴールデンウイークのお休みをいただきます。
その間に、色々なものを見聞きして、シナリオのネタ集めができたらいいですね。
私が唯一行くところが決まっているのは、国立近代美術館。「重要文化財の秘密」を観に行きます。
国が予算を出そうとしないから、国宝や重要文化財を保持していくのが大変なのです。
せめてもという気持ちと、観ておかねばという気持ちで。(笑)
文化芸術を大事に思えない国は、滅びます。
発想
興味をもつ→調べてみたくなる→調べる→書いてみたくなる→描く
なんかに興味をもつと、脳も体も動き出すような気がします。
出身ライターの森下佳子さんが、2025年の大河ドラマを執筆されるそうです。
「おんな城主直虎」に続いて2回目の大河執筆。全く「直虎」とは違った素材を扱うとは、さすが森下さん。
2025年大河ドラマは、「べらぼう」蔦屋重三郎が主人公です。
蔦屋重三郎は、江戸時代、山東京伝などの洒落本出版などで大ヒットを飛ばした人ですが、有名なのは、歌麿、写楽、広重などの浮世絵の版元。
めちゃくちゃプロデュース能力が長けていた人ですが、森下さんは、蔦屋重三郎(蔦重)で大河をとプロデューサーに打診された時、この人で50話を?とびっくりされたそうです。ま、地味といえば地味ですしね。
で、でもです。
「今の私はこの時代に夢中だ。つた重の作り出した黄表紙や洒落本の面白いこと、錦絵の素晴らしいことはもとより、その作者たちもそれぞれ極めて個性的。
でも、作品や逸話にほの見える心中には物書きの端くれとして、どうしたって共感してしまう。
周辺も面白い。光と闇を抱え込む吉原の文化・役者の世界、跋扈する伝説の泥棒、五千石心中、そして報われぬ天才・源内。その大きな背景には近づいてくる異国がある。
成り上がり田沼意次とサラブレッド松平定信、怪物 一橋治済、うごめくきな臭い政治の世界がある。そこに群がる有象無象や悪党たち。天災、思惑、野望、罠、暗殺、暴動、転覆!
「戦」がなくなった時代だからこそ、いかに生きるかどう生きるか、己の価値、地位、富の有無、誇りのありどころ、そんなものが新たな「戦」としておもむろに頭をもたげだした。
それがつた重の生きた時代だ。そのうねりの只中で、波を読み、波に乗り、あまつさえ作り出し、そして呑まれた、つた重。その彼が溺れもがく中で最後に世に放ったのが「写楽画」と言う謎の産物なのだ。そこには一体どんな思い、どんな意味があったのか……。
きっと明確な答えは存在しない。現実の所業であるかぎり、理由は一つなんてことも考えにくいだろう。
でも、だからこそ、興味は尽きるところがない。つまり夢中だ。
というわけで、今の私は自分が夢中になったように皆さんにも夢中になってもらえると嬉しいなと思っています。
要はそんなドラマを目指せばいいんだなと考えています。
問題は、私にそれができるかどうかだってことも自覚しております。」
様々な資料をご覧になって、蔦重に夢中になりながら、どこを切り口にすれば、どう面白くなるかをもうすっかり創られていらっしゃる。このインタビューを読んだだけでもゼッタイ面白くなると、確信できるくらいです。
シナリオを描くというのは、闇雲に描けばいいのではないことが、この森下さんでおわかりいただけたとも思います。
プロは、描く時間以上に、この時間を大切にします。
せっかくのお休みをこうしたシナリオ脳の時間に使うというのも一興かと思います。