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代表 小林幸恵が毎日更新!
表参道シナリオ日記

シナリオ・センターの代表・小林幸恵が、出身ライターの活躍や業界動向から感じたことなど、2006年からほぼ毎日更新している日記です。

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創作テレビドラマ大賞公開講座

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シナリオ・センター代表の小林です。表参道には、外国の方々がたくさんいらしています。どの方も嬉しそうににこやかです。日本の旅を満足してくれているのでしょう。
豊かな日本というイメージを外国の方はあいかわらずお持ちのようですが、実際は表面に出ている以上に物も心も貧しくなっているのは否めません。

芸能人や文化人や庶民が声をあげると一斉に叩かれます。
小泉今日子さんがSNSなどで投稿すると「芸能人のくせに」とか「アイドルのくせに」とか中傷の標的にすぐになるが、それでも言い続けるというお話をしていました。
亡くなった坂本龍一さん等も同じことをおしゃっていましたが、芸能人もアイドルも仕事であって、同じ人間、同じ国民、すべての人は声を上げる権利があるのにです。みんな違うのが当たり前なのにです。

4月中旬、G7気候・エネルギー環境相会合に合わせた「環境広場ほっかいどう」という関連イベントの会場出口付近に御線香のにおいが立ち込める白黒の鯨幕に覆われた部屋がありました。
「文明の墓場」と入口に案内板。脚本家の倉本聰さんが提案して創られました。
破棄された衣類、携帯電話、スクラップなどが積まれ、膨大な処理水タンや荒廃した原発事故被災地の写真、核廃棄物のレプリカなどがあちこちに置かれ、時折放射線量計測器の耳をつんざく警報音が響くという部屋。
倉本聰さんは「北の国から」の頃から持ち続けている「過剰消費や技術の進歩を求めることから脱却し貧しくても幸福感のある<貧幸>な社会に戻るべきだ」ということを訴えていらっしゃいます。

人が生きるために大事なことはなんだろうか、自分だけでなく他人とともに幸せになれる方法はないのだろうか、なぜ人は争いを好むのだろうか・・・。いろいろな考え、意見があるでしょう。みんな違うのは当たり前です。
私はただの名誉も地位もない、赤でも白でも右でも左でもない無宗教の一介の婆あですが、一人の人間として、国民の一人として、この国がいつか来た道をたどらないように、私なりの想いや考えを、声をあげ続けていきたいと思っています。
ご存じでしたか。子どものために回すお金はなくても、武器のためにないお金を使おうとする、挙句に防衛産業支援法案などというものが、さらっと衆議院本会議で可決されていました。
あなたも、あなたも・・・あなたの想いや考えを、声を出してください。

創作テレビドラマ大賞

創作テレビドラマ大賞の募集に合わせて、今年もオンラインで公開講座が行われます。
テーマは、「今、現場が求めている脚本とは」
シナリオ・センター出身ライターの小山正太さんが「大学で教えて感じた、デビューできる人とできない人の違い」、前回大賞を受賞された出身の森野マッシュさん「大賞受賞作『ケの日のケケケ』執筆するまでのこと、してからのこと」、脚本家の大森美香さん「『今』を届けるために」、NHK松浦チーフディレクター「脚本家と出会うということ」などの講演とNHK橋本万葉ディレクターも参加しての座談会などがあります。
「創作テレビドラマ大賞」は6月30日締め切り、まずは審査員や業界の動きなども知って応募するというのも作戦の一つ。
出身ライターの小山さんは、日本大学芸術学部で教えていらして、今回の講演「デビューできる人とできない人とのちがい」は必見だと思います。
5月28日(日)15:00~17:30 オンラインにて開催。
受講方法の詳細は、応募方法とともに日本放送作家協会のHPでご覧ください。

日本放送作家協会も実行委員会である「西の正倉院みさと文学賞」(宮崎・美郷市主催)で、5回目の受賞に輝いたのは、作家集団の潮路奈和さん「かざのもりびと」。
しかも大賞とMRT宮崎放送賞W受賞です。おめでとうございます。

このみさと文学賞は、郷土の物語資源を有効に使おうと設けられたもので、美郷町に伝わる「百済王伝説」をもとにショートストーリー(小説)を募集しているもので、受賞作は、単行本になり、宮崎放送でラジオドラマ化、コミカライズもされます。

潮路奈和さん受賞作「かざのもりびと」がほかの受賞作とともに単行本となりました。
審査員の中村航さんは「作者がこの小説を描いた一番の仕掛かりは「若い頃行基が禎嘉王に会った」という歴史の1フレーズだろう。(略)
行基の弟子である顕聖が師匠の幻を追って旅し、碧比古と出会い、その謎を知っていく物語だ。
確かでもあり幻のようでもある禎嘉王の伝説と、小説の方法は見事にマッチしていた。
顕聖と碧比古のじりじりするような心情や言葉のやり取りもたまらない。最後に顕聖は自分の旅の意味を知り、碧比古のもとを去っていくのだが、熱くて感動的な物語だった」
MRT宮崎放送の小倉哲ディレクターは「無骨な山師と百済王に仕える占術師。出自や立場を越えて不思議な友情で結ばれていく二人に、敵国新羅からの追手の気配が忍び寄る。
このロングラインには、リスナーを惹きつける力強いドラマ性を感じます。
登場人物の設定や性格がはっきりしたコントラストで表現されていて、物語を引っ張っていく力強さがあるのです。
それらが精緻でありつつもさりげない筆致によって描かれていて、著者の並ならない力量を感じました」

小説としてもラジオドラマとしても成り立つのは、キャラクター。
それを見事に表現された潮路さんの文章に、私もぐいぐい引きこまれて読みました。
6月3日から上映予定の映画「龍帝外伝<最終章>」にシナリオ協力もされているそうです。
今後の潮路奈和さんの活躍を期待しています。

さあ、ゴールデンウイークも終わりました。これから、明日へ向かって走るぞ!!

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